投稿日 2021.02.13 更新日 2021.02.15

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山岳部員の青春を応援「高校登山部 YAMAP夏の全国大会2020」レポート

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により生活は一変。東京オリンピックを始め様々なイベントの中止が発表されるなか、高校山岳部にとっては "青春の集大成" とも言える、夏の全国高等学校総合体育大会も開催見送りとなりました。そこでYAMAPでは、山を愛する若者たちの思い出づくりの場として「高校登山部 YAMAP夏の全国大会2020」を主催。本記事では、イベント実行委員を務めたYAMAPスタッフ・齋藤が、全国の山岳部員たち青春の軌跡をレポートします。

目次

「コロナの夏に青春の思い出を刻んでほしい」そんな願いを企画に


2020年は新型コロナウイルス感染拡大により多くのイベントが中止に。そんな中、夏の全国高等学校総合体育大会の中止の知らせはYAMAPとしても非常に残念な出来事でした。そんな中、スタッフのひとりが社内で声をあげました。

春に続いて夏の甲子園も中止になってしまいました。高校生のころ、強豪校ではないものの本気で甲子園を目指していた元高校球児の自分としては、いたたまれない気持ちでいっぱいです。
YAMAPとして高校生に何かしてあげられないか。何も野球だけではなく、球児以外の高校生もみんな同じ気持ちだと思います。全ての子供達に何かできるわけではないので、YAMAPは登山部やワンゲルの子供達に何かできないか。

何かしてあげることで、彼らの区切りになり、彼らが大人になった時に振り返った時のいい思い出にしてあげたい。

その声を聞き、高校山岳部出身である私ももちろんその思いに賛同しました。高校時代の登山の思い出が今の自分を形作っており、そのおかげもあって今もYAMAP社員として日々を過ごしています。若い感性だからこそ感じることのできる山からの学び、畏れ、仲間との協力、歩く喜びは一生忘れない大切な青春の記憶。当時の山への思いが忘れられないからこそ、彼らの気持ちが痛いほどわかり、なにか思い出になることをしてあげたいという気持ちが止まらなくなりました。

「最後の大会のときにコロナがあって、大会が中止になっちゃったけど、YAMAPの大会があったよな。懐かしいな」

なんて、将来彼らが大人になったときに語ってくれたらどんなに嬉しいか…。願いのような、妄想のような。そんな経緯でYAMAPスタッフ有志が集まり企画されたのが「高校登山部 YAMAP夏の全国大会 2020」でした。

ユニークな活動日記満載! 応募作品紹介

参加は簡単。応募対象はすべての登山部、山岳部、ワンゲル部所属の高校生たち。YAMAPを使って安全に山に登ってもらい、作成した活動日記がYAMAP夏の全国大会への切符となります。

ただ通常の大会のように、競技として点数を競うことはしません。このキャンペーンで競うのは「仲間と楽しく山に登る笑顔」や「山への思い」。それらを YAMAPのあらゆる機能を使い、活動日記にめいいっぱい詰め込んで応募してもらいました。最終的な審査結果は委員会にて協議をしました。集まったのはいずれも青春のきらめきが凝縮された素敵な活動日記ばかり。審査するスタッフもその中から受賞作品を選ぶのに苦労しました。数日間にもわたる議論を重ねた末に選ばれたのは、合計8チーム。それらの高校には、今後の活躍を願い、協賛各社とYAMAPから山にまつわる豪華賞品をお贈りしました。

それでは、今回見事受賞した高校生たちの活動日記と受賞コメントを発表します。

YAMAP賞:青春が詰まった文句なしのクオリティ! 福岡・修猷館高校

YAMAP本社と同じく九州・福岡県の修猷館高校。文章の内容、2年半の活動を振り返る写真、タイトルに込められた思い。そのすべてから純粋な山へ思いが伝わってくるようで、まるで卒業式の答辞のようだなと感動します。彼女たちはきっと山からもらったものを忘れない。そしてまたきっと、ふと山を見て青春の日々を思い出すのだと思います。おめでと山!

活動日記はこちらから

〈受賞の声〉

福岡県立修猷館高等学校山岳部です。
今年度はインターハイが中止になりました。大会に向けて準備を重ねてきた私たちは悲しみに打ちひしがれていました。そんな私たちに光を与えてくれたのがYAMAP夏の全国大会です。この機会に、今までの活動を振り返ることができました。山に登った日々も、歩荷も、たまに喧嘩した日も、私たちの2年半はいつも彩りに満ちていたことに気がつきました。このような機会を設けていただいたことに感謝しています。さらにYAMAP賞まで頂きました。そして賞品は山の本という、なんとも粋なものでした。その中でも星野道夫さんの語るアラスカに心惹かれました。私の中でまた一つ世界が広がったような気がします。
最後に――
If Winter comes,can Spring be far behind? 「冬来りなば春遠からじ」
新型コロナウイルスのいう長い長い冬が明け、全ての人にあたたかい春が訪れますように。
修猷館高校山岳部 アブラチャン

TNF賞:総勢20名! 写真で語る丁寧な活動日記が◎! 東京・清瀬高校

総勢20名という大所帯で今回の企画に臨んでくれた東京都立清瀬高等学校山岳部の皆さん。南アルプス北岳での夏合宿が中止になったため、その代わりに山梨の十二ヶ岳(1683m)でプチ合宿に望んだそうです。丁寧に撮られた写真からは彼らの部活動の楽しげな雰囲気が読み取れ、ユーモアあふれる解説コメントも見どころ。鎖場や岩場も笑顔で乗り切りました。何よりノースフェイスの使用者が多いこともポイントとして、THE NORTH FACE賞を受賞! おめでと山!

活動日記はこちらから

〈受賞の声〉

この度、THE NORTH FACE賞をいただきましたこと、恐悦至極に存じます。

今までの清瀬高校山岳部の慣例だと、「大会」と名のつくものは参加することがなかったのですが、今回のこの時勢を乗り越え、「このときの清瀬高校山岳部が全盛期と言われるように!」いう我々の意志が上手く重なってこの度はYAMAP夏の全国大会に参加させていただきました。

我々高校生山岳部の存在意義というのは、山岳部部員の知的好奇心の向上もさることながら、登山の楽しさというものを世にひろめる役割もあると考えています。楽しさを広める上で我々の活動を記録して投稿するというのはとても良い手です。今後も積極的に我々の活動を通して、登山の楽しさをより多くの人に伝えられたらと思います。
都立清瀬高校山岳部部長 林翔太朗

THE NORTHFACE賞のコブラ60/グリフィン65。どちらも長く使えるはずです。

Patagonia賞:フィールドワークとサステナブルな意識と行動にあっぱれ!岐阜・飛騨神岡高校

Patagonia賞を受賞したのは、ちょっと変わった活動の様子を投稿してくれた飛騨神岡高校の登山部。岐阜県飛騨市神岡町のホームマウンテンである流葉山(1,422 m)には山頂標識がなかったそう。そこで、学校で不要になった平均台を自分たちで加工して山頂標識を製作。それを山頂まで担ぎ持ち、設置してきたというから驚きです。当たり前に山が歩けるのは、整備をしてくれる方がいるからです。山を歩かせてもらっているという当事者意識を忘れず、他の登山者のことを思い行動する彼らにスタッフも感動しました。きっとこの先も、この標識の前で笑顔で写真を撮る人がたくさんいることでしょう。YAMAPからも、ありがとうございます!そして、おめでと山!

活動日記はこちらから

〈受賞の声〉

飛騨神岡高校は岐阜県唯一の登山部がある高校です。月例登山は、北アルプスを中心に登っています。下の写真は、学校のグラウンドで撮影したもので、背景には焼岳が写っています。
コロナ禍の中で、活動の制限や大会の中止があり、例年と同じような活動ができずに苦い思いをしています。そのような状況の中でも、自分たちの活動が評価されたことは嬉しいニュースでした。
先を見通しづらい状況が続いていますが、コロナが収束して、皆が楽しく登山ができる日が来ることを願っています。

飛騨神岡高等学校登山部 部員代表 大林通

patagoniaの70LのBlack Hole Duffel。YAMAP社員も羨ましがった逸品でした。

ARAI TENT賞:ユーモアたっぷりの文章と俳句が秀逸! 宮城・白石高校

ARAI TENT賞を受賞したのは、独特の表現でホームマウンテンの活動の様子を投稿してくれた宮城県白石高校山岳部。なんと言っても活動日記内でおもしろみのある句を詠むところに、ユーモアさと少しの勇気を感じました(笑)。 序盤の天気の良さから、後半の厳しい天候への変化もしっかり句に反映し詠んでいるのも高評価。比喩を駆使しながら自然を表現する文章の表現力もさることながら、地元の象徴的な山には個人的な懐かしさを得ました。(なんと、筆者の後輩たち!)おめでと山!

活動日記はこちらから

〈受賞の声〉

こんにちは!白石高校です。
今年は夏の全国高等学校総合体育大会もなくなり、普段の山行もテント泊は出来ず、食事も満足に作れず、と色々と活動が制限される中での部活動でしたが夏には磐梯山も登り楽しく部活をしています。
今回のYAMAPの大会は顧問に勧められての参加でした。山に登った感想を言葉にするのは難しく、俳句という手段に手を出したのは美しすぎる東北の秋に心が動かされ、詠まずにはいられなかったためです。
そして今回ARAI TENT賞を頂けて部員一同ハッピーであります。コンパクトで持ち運びやすく、色合いも美しいです。このテントを使って山行に臨めるのはいつになるのかは分かりませんが来るべき新入部員の為に大切にしたいと思います。
来年度も安全登山で楽しんでいきたいです。ありがとうございました。

宮城県白石高校山岳部部長 佐藤 雅稀

ARAI TENT賞 エアライズ3。最大4人で使用可能なので1チームで使えそうです。

SOTO賞:大人数でも一致団結して乗り越える! 茨城・茨城キリスト教学園高校

茨城キリスト教学園高校が今回山行に訪れたのは常陸太田里見の三鈷室山。例年この地区で開かれる大会には、彼らも頻繁に参加しているそうで、ホームマウンテンとも言える山です。活動日記の沢沿い歩きは気持ちよさそうですが、藪も多くハードな山だそう。部長が読図を後輩に教えるというシーンもあり、高校生たちが自ら山を読み解き理解しようとする姿勢が素晴らしいです。「登山靴に付いた泥と植物の種が頑張った証拠」という言葉に、登山部やワンゲル部は、他の部活にはない特別な自然体験ができる部活なのだなと改めて実感させられました。SOTOのバーナーをこれからも引き継いで行ってください! おめでと山!

活動日記はこちらから

〈受賞の声〉

こんにちは!茨城キリスト教学園高等学校 ワンダーフォーゲル部です!
この度は「SOTO賞」を頂きましたこと、とても光栄に思います。

例年よりも活動が制限される中ではありますが、もちろん山への熱い思いは変わらず、日々、練習に励んでいます。そんな中、この嬉しいお知らせに部員一同大喜びです!
投稿した日記は、茨城県と福島県を跨ぐ非常にマイナーで雑草も伸び放題な山、三鈷室山。読図の難解さ、棘のある植物の攻撃、果てしない上り坂、背中に感じる恨みたくなるような荷重など、辛いこともありましたが、普段目にすることができない生きものや植物、素晴らしい景色など、友人たちと過ごしたその日は忘れられない経験となりました。
頂いたSOTOのバーナーは、以前から使用しているバーナーよりも高火力&軽量。また、五徳も想像以上に大きくてとても安定しています。部員が多い私たちにはピッタリです!大会本番はもちろん、炊事練習でもこのバーナーを大いに活用して、目標である全国大会へ参加できるように部員一同、日々の練習にも一生懸命に取り組んでいきます!
ありがとうございました!

茨城キリスト教学園高等学校ワンダーフォーゲル部 部員一同

グレゴリー賞:動画でのストーリー仕立てのユニークさ! アベック受賞! 京都・桃山高校山岳部

京都の桃山高校はなんと男女ともに動画を活用し応募してきてくれました。内容はストーリー仕立て。山を楽しんでいるほっこりとした様子が伝わってきます。脚本を考え、事前のロケをして撮影本番、素材を整理し編集と、忙しい学生生活の中で楽しみながら活動日記を作ってくれたその情熱が、手にとるように感じられました。副部長の安田さんのコメントにもあるように、ぐぐぐと踏ん張りどき。グレゴリーのようにタフに、頑張っていきましょう! おめでと山!

活動日記はこちらこちら

〈受賞の声〉

桃山高校山岳部です!!!!!

夏合宿も全国大会も無くなってしまい落ち込んでいたところ、このような大会を用意してくださり、大変元気とやる気が湧きました! 頑張って作った作品が評価され、とても嬉しく思います。

お鞄もいただけて部員一同踊って喜んでいました!コロナ禍でまだ出番は少ないのですが、山のお供として愛用させていただきます。終息が見えず辛く苦しい状況ですが、我々桃山高校山岳部一同ぐぐぐと堪え踏ん張っていきます。皆さんも頑張りましょう!!!
現状が落ち着き次第ヤマップを携えせっせと山に登りに行きます。これからも楽しい登山ライフを!!!
桃山高校山岳部 副部長安田夏菜


WILD-1賞:唯一の中高一貫チーム! 駒場東邦高校

中高一貫で山岳部の活動をしているという駒場東邦高校。百名山である筑波山での新入生歓迎登山。30名超えの大所帯を複数のチームに分け、密を避けて歩くという臨機応変さに、山に対する並々ならぬ情熱を感じます。例年とは異なり合宿などもできない中で、今できることは何かを考え、山が初めてのメンバーをもまとめ上げ、実際に山を歩くことは簡単ではありません。ぜひこれからも安全に、山を愛し続けてほしいなと思います。おめでと山!

活動日記はこちら

〈受賞の声〉

この度はYAMAP 夏の全国大会において、WILD-1賞を頂けまして、誠に光栄です。
私たち駒場東邦山岳部の代替わりは10月頃で、今回応募させていただいた山行は一つ上の代が計画したものでした。先輩方はコロナ禍ということもあり、春・夏と行っていた合宿、春〜初夏にかけての日帰り山行は行くことができず、今回の山行は新入生歓迎山行兼夏合宿(の代わり)としてのもでした。その後も宿泊や食事を伴う山行は出来ず、惜しくも先輩方は昨年の11月を持って引退して行きました。
そして、コロナの影響は先代のみならず、新年早々から緊急事態宣言が出ましたように、私たちの代にも及んでいます。
コロナ禍では、せっかくいただいたタープも使う機会がなかなか確保できませんし、そもそも山岳部の活動も本格的にはできません。
ただ、山に関する知識を深めることや、天気図や読図の技術を高めることは、今だからこそ集中的に出来ることです。
今は耐え忍ぶばかりですが、このコロナ禍が無事終息し、今まで通り山に登れる時、そしてタープが使えるようになる時が再びくることを、駒場東邦山岳部一同心から願っています。
駒場東邦山岳部では、中学生・高校生が一緒に活動をしており、山行は月に一回程度、夏休みと春休みにはそれぞれ2回の宿泊登山をしています。また登山だけではなく、クロスカントリーやロッククライミングも行っています。
今までの山行や、今後の山行は部活のTwitter(非公式)(@ktalpineclub)でお送りしていますので、気になる方は是非!
駒場東邦高校 1年 葉山弘一

リコー賞:憧れの八ヶ岳、赤岳! 北海道・帯広農業高校

北海道からの参加、帯広農業高校。北海道から中央アルプスまではるばる遠征。広大な山々を存分に満喫している様子が写真一枚一枚から伝わってきます。安全に、山を楽しみながら仲良く歩いている様子に、見ているこちらもわくわくする活動日記でした。部活動の雰囲気も伝わってきます。山行の記録をこれからも残していってほしいと、RICOHの360°カメラを贈呈します!おめでと山!

活動日記はこちら

〈受賞の声〉

この度はRICOH賞を受賞させていただき本当に光栄です!思うように部活ができない中で、心の励みになり、さらにトレーニングに尽力している所です。
今年度の大会に向けてしっかりと準備し、他校に遅れを取らないようにしたいと思います!
ビデオには7人の2年生部員です。不在ですが、2年生がもう1人と、1年生4人で活動しています。
本当にありがとうございました!!!
北海道帯広農業高等学校山岳部

実行委員からのメッセージ


まずは参加してくれた全国の高校生の皆さん、本当にありがとうございました。はじめる前には、みんなは応募してくれるのだろうか、 一体どんな結果になるのだろうか…と不安になりましたが、蓋をあけてみれば全国津々浦々から応募があり、審査している私たちも皆さんと一緒に山に登っているようで、本当に楽しい大会となりました。自分も山岳部として汗を流していたころを思い出し、なんだか懐かしく、改めて高校時代に山岳部でよかったなとしみじみ思います。

山登りは人生にもよく例えられますが、社会人になり、大人になり、それをさらに実感する日々です。高校生の皆さんの前にも今後、頂上が見えないほど大きく山、落ちたら危険な険しい山、どこまでも続く果てしない稜線などいろいろな山が立ちはだかります。
そんなときこそ、高校時代に仲間と分かち合った山の経験を思い出してください。雨が降っても風が強くても、カッパを着て、ザックカバーを付けて、励まし合いながら青春時代を過ごした皆さんなら、きっとどんな山でも乗り越えられるはずです。一緒にがんばりましょう。

どこかの山で皆さんと会える日を願っています。
実行委員長 齋藤光馬

終わりに

今回、数多くの高校生たちの活動日記に目を通す中で、こんなにも力強くキラキラした若者たちが山を愛し、全国で登っているのかと驚き、そして感動を覚えました。今回の企画が実現したのも、しっかりと安全管理をしてくださった顧問の方々、子どもたちを送り出してくださった保護者の皆さんの支えがあってこそです。この場を借りて御礼申し上げあげます。ありがとうございました。まだまだ出口の見えぬ昨今ではありますが、YAMAPとしても若者の登山文化の発展に何ができるかを模索しながら、新たな企画へと走っていきたいと思っています!次の企画もお楽しみに!

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