登山

水晶岳（すいしょうだけ）は富山市南東部に位置する標高2,986mの飛騨山脈（北アルプス）の山である。山域は中部山岳国立公園に指定され、日本百名山に選定されている。 別名は、黒岳。

【概要】
黒部川源流部での最高峰及び富山市の最高地点である。標高3,000m未満の山としては、2,999mの剱岳に次ぐ高さの山である。山頂は切り立った岩の双耳峰で、三等三角点（点名は水晶山、所在地は富山県富山市大字有峰字黒部谷割10）のある北峰は2,977.7m 測定点である南峰は2,986mである。東斜面にはすり鉢状の圏谷地形（カール）がある。 山の上部は森林限界のハイマツ帯で、山頂の岩場からは飛騨山脈の大部分の山を見渡すことができる。南西に黒部五郎岳の圏谷地形を正面から望むことができ、北側に赤牛岳の赤い岩肌を望むことができる。

水晶岳・薬師岳・黒部五郎岳

富山

岐阜

北アルプス_折立_三俣蓮華岳

夢追人

美しい北アルプス黒部源流域の山へ

3泊4日で計画していた裏銀座ルート。
4日目に雨が降ったので1日槍ヶ岳山荘で宿泊。
なので4泊5日。

1日目 高瀬ダム～烏帽子小屋
七倉山荘に前泊していたのでのんびりスタート。タクシー🚕を使って高瀬ダムへ。
ザックは22kg。最初からストック使って必死に登るが思った以上に進まない。
ルートはかなり整備されてて歩くだけって感じ。番号も振られていてわかりやすい。
6番だけ電波が入る。そして、その辺から残雪が出始める。とりあえず、ストックとキックステップでは上がれたが急斜面などはめちゃくちゃ怖かった。踏み抜きもある。
烏帽子小屋についてザックをデポ。烏帽子岳に行くがここも残雪。山頂手前までストックとキックステップで行ったが最後のトラバースが怖すぎて手前で断念。
烏帽子小屋に戻ってからテン場を散策。
雪の上に熊の足跡的な物を見つけたので冬期小屋を使わせて貰いました。(利用料振込済み)
夜は5度くらい。

2日目 烏帽子小屋～三俣山荘
遠かった。野口五郎小屋までに行くところで１箇所残雪。7メートルぐらいの急斜面。
その後も、稜線以外のルートには残雪あり。
2日目で野口五郎岳から水晶小屋の間か1番しんどかった。残雪も何箇所かあるためドキドキしながら歩く。
今回この間でかなり時間を使ってしまったので水晶岳アタックは無くしそのままワリモ岳・鷲羽岳に向かう。
雪❄がかなり付いている見た目だったがワリモと鷲羽はほとんど夏山登山道。水晶小屋からワリモに行く間に残雪あり。祖父岳や雲の平の方はかなり雪が残っていた見た目。
鷲羽岳から三俣山荘までは最後30メートルぐらい残雪はあるが問題なし。
三俣山荘のテン場は全て雪❄だったので今回は小屋の前で張らせてもらった。

3日目三俣山荘～槍ヶ岳山荘
夜中に変な音がしていたが怖くて外は見ず。動物の音というか機械的な音？
1日西からの風が強かったが晴れていたので薄着でいけた。
朝から三俣蓮華岳に向けて雪の急斜面を登る。晴れていて如何にも残雪期という感じ。服装はTシャツにウインドシェル。下は山と道の5ポケットの分厚いタイプ。
三俣蓮華岳～双六岳まではアイゼンとピッケルを使って登る。
双六岳から樅沢岳まではアイゼンなし。
双六小屋に向けて降りる際に残雪の急斜面があったが雪が緩んでいたのでそのままで降りる。
樅沢岳から分岐の千丈乗越までが残雪と夏山登山道と半々ぐらい。アイゼンで歩くのが慣れていないので付けたり外したりと手こずった。
千丈乗越の分岐からは槍ヶ岳を目指すだけなのでちょー急登。ラストにしんどかったぁ。
次の日が雨だったので槍ヶ岳を一応登頂しておいた。
天気も良くないようだったので小屋泊をすることに。

4日目 槍ヶ岳山荘に1日缶詰。
食事以外は漫画を読む。

5日目 槍ヶ岳山荘～上高地
外来用の風呂が少ない上高地。唯一あるホテルが11:30が最終受付のため猛ダッシュで下山。
山荘から途中までYAMAPの再開を押し忘れていたので軌跡が少しおかしい。
雪は大曲を少し下ったところまではまだある。ただ、昨日の雨で雪？砂？みたいな感じでめっちゃ汚い。
頑張った甲斐もあり無事入浴できる。
上高地を満喫してさわやか信州号に乗って帰宅。

裏銀座ルート(冬期小屋、テント、小屋泊)

piro

かねてより目指していた水晶岳にこの度登頂することができました。
DAY1
AM2時、小雨、靴ズレ防止クリームを塗り出発。
雨は日中も降り続き、修行のような気持ちでひたすら登る。予報だとお昼から晴れるハズが、山の天気はなんとやらです。しかし雨のおかげでいつもの登り始めの暑くなりすぎるのは抑えられたので良かったかと思います。
弓折乗越から稜線に出るはずが、向かってひとつ右の斜面から登ってしまい、急で怖かったです。
稜線に出てからは歩くのがだいぶ楽になり、双六小屋でテントを張ってひと休み。今日は三俣山荘まで行かないと明日からがキツイから小休止して出発しないと、、、
寝不足なのもあり、うっかり3時間ほど爆睡してしまい、双六小屋を出たのが15時。日の入りが18:55。
なんとか明るいうちに着けるかな？
稜線ルートで行けばそうそう迷うこともないと思うし、頑張って歩こう。
しかし、雨と霧と風であたりが全然見えなくて何度もYAMAPの地図を見てルートを確認、果たして明るいうちに着けるのか、、、
三俣蓮華岳から下に降りる斜面がとても急で、おまけに雪がシャーベットのようになっていて、視界も悪いし、ここが今回の山行で1番緊張したポイントでした。
無事に稜線巻き道分岐まで降りてくると三俣山荘はもうすぐです。この頃にはあたりも薄暗くなり雨は雪になり、なるべくなら明るいうちにテントを張りたい思いも虚しく山荘に着く頃には日は暮れてしまい、さっさとテントを張り明日に備えて寝ました。
靴ズレで足が痛い。
軽量化の為に持ってきた3シーズン用寝袋がキャパ不足で足が冷たいのと、風雪が強くてうるさいので1時間半に1度目が覚める。

DAY2
AM3時起床、水晶岳アタックの日。雪も風も強い。
鷲羽岳山頂で朝日を見ようと早起きするも、雪と風は止んでいないのでどうしようか悩み（寒いし、おまけに外は強風で雪も降っているので出たく無いだけ、、、）大事をとって明るくなってから出発することに、5時出発。出発の時間を悩んでいて靴ズレ防止クリームを塗り忘れる致命的ミスをおかす。
鷲羽岳山頂まで来るとまるで台風のような風が吹いていて、いつも風が強い水晶岳エリアかと思いますが、ちょっと心が折れそうになる。いや、ここまで来たんだからと自分で自分を励まして先へ進む。
朝早い時間帯なのでアイゼンが効くし、いらない荷物はテントに置いてきたのでとても歩きやすく水晶小屋までサクサク進む。だが風はまだ強い。
水晶小屋で小休止、YouTubeで見たように鐘を鳴らす、ソロなのでこうゆう瞬間はちょっと照れる。
ここからは1番の目的地、水晶岳登頂を残すのみ。
気を引き締めて進みます。雪の壁に阻まれてここまで来て撤退したこともありました。でも今は装備もちゃんと持ってきてるし、数ヶ月前の自分とは違い、行けるはず。
緊張するポイントは2箇所ほどありましたが、なんとか水晶岳に登頂。
やった、おれはやったぞー、とひとりで叫ぶ。
本当に嬉しかったです。この頃には空も晴れて風も弱くなってきて、山の神様ありがとう！
と同時にここから帰らないといけないと思うと、どっと疲労が。
ガスが抜けるのを待って写真を撮ったりして山頂を後にして三俣山荘にスタコラ戻る。帰りは黒部源流ルートから行ってみよう、時間も短縮できそうだし。しかしこれが失敗。この頃には足の痛みが激痛に変わり、源流の沢の斜面を単調な足運びで下るのが靴ズレの同じ部分に力がかかりとてもつらく、激しくペースダウン。ヒーコラ言いながらなんとか山荘に着いたのが13時。この日は双六小屋まで戻るのを諦めてここにもう一泊することに。まぁいいさ、ここで午後の時間をゆっくり過ごしたり夕方はアーベントロートを見たりしてひとり優雅に過ごそう。
しかし日中の夏のような暑さも3時過ぎには急に寒くなり、5時過ぎには気温が1℃ほどで、とても外で手袋無しで景色を眺めていられずテントに撤退😂
そして楽しみにしていた夕陽も焼けず、槍ヶ岳のアーベントロート見れず😂
この足の痛みが明日には治ってますようにと祈りながらケータイメモに、靴ズレクリーム朝塗る、と入力して今日の失敗を明日繰り返さぬよう就寝。
今夜も足が寒くて1時間半毎に目が覚めるも、12時以降は起床までは目が覚めなかった。

DAY3
AM4時起床、起きてすぐに靴ズレクリームを忘れずに塗る（薄い膜を8時間持続するすぐれもの）、天気は晴れ、5時出発
スタートから足は痛い。なので足に負担をかけないように静かにゆっくり歩く。大丈夫、今日は来た道を帰るだけだし、下りが多いから楽勝さ。
朝の時間でアイゼンが良く効いて歩きやすい、ザクザク言うけど沈まなくて気持ちいい。
三俣蓮華岳稜線ルート巻き道ルート分岐まで来て、DAY1に視界不良の中降りてきたトレースを見て迷わず巻き道ルートで帰ることに。あんな急なとこ、朝から登ったら足がやられてしまうわ、、、
しかし巻き道ルートもこれはこれで、夏道がほとんど雪で埋もれているのでトラバースの連続でまたしても足の痛い所に力がかかり続ける罰ゲームのような歩きでトホホな気分で先に進む😅
双六岳巻き道ルート分岐に着く頃には、朝頑張って稜線ルートから行ったほうが楽だったな、と思い知らされる。
双六小屋を過ぎると、冬季避難小屋の方からオーイと声が。これまでも、ハードシェルがスレる音やストックが雪を突く音が人が話しかけたような幻聴に聞こえて少し怖い思いはしてたけど、オーイは初めてだぞと思いそっちを向くと、知っている方は分かる話だと思いますが、避難小屋の小窓みたいな出入り口から髪の毛もじゃもじゃの人が何か叫んでいるので、一旦通り過ぎた道を戻りそちらへ行くことに。
顔が見えて来る頃には人に会えたことが嬉しくて、
「今回の山で初めて人に会いましたー」
と叫んだら、なにやらゴニョゴニョ言っているからさらに近づいて行くと、どうやら外国の方で、
This place is very good.
「ここめっちゃええで」
と言うので、今回の山行3日目でヘロヘロな上にいきなりの英語で面食らってしまい、
イ、イェース！😅👍
しか言えず。その後も拙い英語で話はしましたが、もっと英語を勉強しとくんだったと後悔しました。
彼の名前はクリス、アメリカ人、登山歴18年、日本には旅行で3週間ほど来ていて、3日前まで富士山に登っていて、きのうは双六小屋に泊まって今日は槍ヶ岳を目指すそうな。
世の中凄い人はたくさん居ますね。
クリスと楽しい会話を終えると、ずいぶん雪も緩んで大ノマ乗越からの下りは大丈夫かなと心配しながら慎重に先を急ぐ。
肝心の大ノマ乗越からの下りは、アイゼンも効かずにザーっと滑る場面もあり、雪がある山での行動の時間帯の難しさを感じました。
シシドヶ原まで降りてきたらあとはひたすらに歩くだけだ。今回の山も終わりは近いので足は痛いが残りも気を引き締めて行こう。
ここら辺でアイゼンも外してしまい、たまにあるデブリの山を越える時に滑って転ぶこと数回。雪で勢いよく転ぶので、たまたま石がある所に転んで骨折ったりすることもあるんだろうなと思いました。
新穂高登山口周辺まで来るとまるで夏かのような暑さで今回の山行は終わりです。
無事に帰ってこれて良かった。
なにより撤退続きだった水晶岳に初めて登れて良かった、本当に嬉しいです。
大切なのは、装備、経験、知識はもちろんですが、登りたいという強い気持ちだなと再確認できた水晶岳でした。
超長文になりましたが、呼んで頂けてありがとうか🙇‍♂️

槍ヶ岳（やりがたけ）は、飛騨山脈南部にある標高3,180mの山である。山域は中部山岳国立公園に指定されており、日本で5番目に高い山である。長野県松本市・大町市・岐阜県高山市の境界にある。初登攀は中田又重郎と修行僧の播隆上人。日本百名山、新日本百名山及び花の百名山に選定されている。通称「槍」。

槍ヶ岳・穂高岳・上高地

長野

悲願の水晶岳登頂　2泊3日

とっしー

鷲羽岳・水晶岳

hirajyo

きたアルプス

弓折岳・双六岳・丸山・三俣蓮華岳・鷲羽岳・ワリモ岳・水晶岳（南峰）・水晶岳（北峰）

fumi

5/3〜5でブナ立尾根から新穂高温泉まで縦走しました！

各地の状況は写真にて！また、YouTubeにて動画アップ予定！

アクセス
信濃大町から高瀬ダムまでタクシー(約9,000円)
高瀬ダムのロックフィルの下で写真も撮って頂いた！

①ブナ立尾根〜烏帽子小屋
登山口の沢で水を汲む。雪解け水、最高に美味い。
8時40分登山開始
ブナ立尾根、やはりアルプス三大急登は伊達じゃない…冬装備で20kg弱あったためきつかった。途中から残雪あり。5番標識を過ぎたあたりからはしっかり残雪。難所は特になし。

烏帽子の冬季小屋、かなり綺麗。10人は寝れそう。

②烏帽子小屋〜野口五郎小屋
稜線歩きは尾根についた雪道を行くが、ハイマツとの境付近は融雪が進んでおり踏み抜き注意。(腹まで踏み抜き焦った💦)
三ッ岳の登りあたりから夏道。雪壁が一部あるためアイゼン装着し、その後雪のトラバースも見えたのでそのまま進む。途中から夏道になり、野口五郎小屋までノーアイゼンで。

③野口五郎小屋(1泊目)
17時40分着
10人弱は寝れそうな冬季小屋。風を感じない小屋のありがたみ…
21時ごろ就寝するも、0時ごろにまみから「体は暖かいのに悪寒がひどく眠れない。顔が熱く熱っぽい」と起こされ、私のダウンを渡し様子を見るも明らかに状態は悪い。レディースデイなのに無理をさせてしまったか…すぐに白湯を飲ませ、プラティパスとボトルに湯たんぽを作る。2時間ほど起きて様子を見つつ湯たんぽのおかげで落ち着いた様子で就寝。
4時起きで双六小屋まで進む予定だったが、6時ごろまで寝て高瀬ダムにエスケープを想定。

6時過ぎ起床。湯たんぽのおかげもあり眠れたようで顔色は良い。食欲もありそうで白湯と山菜おこわを食す。ゆっくりと準備していると、「熱っぽさもなくなり、レディースデイも昨日よりは楽だから、先に進みたい」とのこと。これより先に行くとエスケープはよりしづらいため判断が難しいが、本人は昨日より身体も軽いらしいため、無理させないように荷物をさらに軽くなるよう振り分け、双六小屋→三俣に目的地を変えて進むことに。

④野口五郎小屋〜水晶小屋
7時20分発
陽が登って雪も緩んでいるためツボ足で野口五郎岳に登頂。時々でてくる残雪を避けながら進むも、真砂岳分岐からしっかり残雪のためアイゼン装着。水晶小屋直前あたりは痩せ尾根に岩とやらしい…バランス重視でストックで通過し水晶小屋着。

⑤水晶岳ピストン
遅めの行動開始のため、カット予定だった水晶岳。しかし目と鼻の先の百名山…今日は天気も崩れない…まみの体調も良好…水晶岳がおいでと言ってるような状況に空身で突。途中から99%夏道になるようでアイゼンを外してデポ。
難所①雪壁
とにかく緩んだ急斜面。登りはいいが下り怖すぎ…ハイマツをつかみつつ後ろ向きで。後続の人は軽く滑落してた💦
難所②トラバース
落ちたら終わりそうな斜面。トレースはしっかりあるが慎重に…と思っていると雷鳥登場。可愛すぎ問題。

山頂付近の岩場に残雪なく登頂！いやー、烏帽子から遠いわ！！縦走路は残雪と夏道が交互に現れて難儀だった…もう少し雪が残ってる方が歩きやすいように思った。

⑥水晶小屋〜三俣山荘
ワリモ北分岐まで夏道を下って、残雪斜面をトラバース。斜度や雪の緩み具合は滑落を意識するほどではなく、トレースもしっかりあるがとにかく長い…集中力は必要。
ワリモ岳、鷲羽岳、三俣山荘までは99%夏道。鷲羽岳の手前に少しトラバースがあるが、こちらもトレースありで問題なし。

水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳に登ると北アルプスに抱かれたような、不思議な感覚になる。360°見渡す限りの北アルプスオールスターズ。ご飯食えそう。

⑦三俣山荘(2泊目)
16時40分到着。雪のない山荘前に幕営し、槍ヶ岳を眺めながら夕食&水作り。三俣山荘には山荘の関係者らしき方々がいらっしゃり、なぜか山荘内から大量の雪を出している。オフシーズンに何者かが鍵を開けて？侵入し宿泊。扉を閉めずに出たらしく雪があるわゴミも置きっぱだわの状態だったよう。山小屋のありがたさを分かってない以前の問題で腹立たしい…。

三俣は昨日の野口五郎より、標高も低く暖かく感じる。熟睡のため湯たんぽを作り就寝。
昨年同時期の表銀座で少し寒かったため、マットを
R値2.0のzライトソル→
まみ(R値4.2のネオエアーXライト)
いっせい(R値2.3のネオエアーウーバーライト+R値2.0のzライトソル90cm)に変更。
あとはベースレイヤーをモンベルジオライン厚手→ミレードライナミックメッシュとOMMコアフーディーに変更してみた。マットが単純に暖かくなったことと、コアフーディーがとにかくいい。テント内ではフリースとして暖かく、行動中は極薄手のフリースとしての保温とオーバーヒートしない絶妙さ。これをベースに防寒着を来て寝るとむしろ暑かった。

⑧三俣山荘〜双六小屋
4時起き5時半出発。槍のモルゲンを眺めながら身支度という贅沢な立地。
三俣蓮華岳の登りは雪もしまっておりアイゼンが良く効く。ピッケルにヘルメットも装着して登頂。やはりここから眺める鷲羽岳が好きだ。
北アルプスオールスターズに後ろ髪を引かれながら稜線を南へ。双六岳までは中道ルートを進む。すでにトラバース斜面は緩み始めていたが特に怖さはなく、装備はそのままで双六小屋着。

⑨双六小屋〜弓折岳
残雪はまだ先もあるため、アイゼンストック体制で出発。難所はなく弓折分岐着。夏道はここから斜面トラバースをして鏡平山荘だが、斜面を見ると斜度もあるため弓折岳の尾根から鏡平に下りるルートを取る。この夏道を確認した際に、斜面下に人を発見。夏道を下りたのか…？沢沿いをスキーしているのか…？ここからでは分からないが違和感を覚える。

⑩滑落現場(掲載について遭難者の了承済み)
弓折岳手前のピークから下降開始。トレースはあるが、斜度も雪の緩み具合もやらしいためアイゼンピッケルで。先ほどの人が近くなり手を振ると叫び声。200mほどしか離れていないが聞き取りづらく、「助けて」と言ったように聞こえ、その後「滑落した、救助を呼んで欲しい」とはっきり聞こえた。走る緊張感。状況はまだ分からないが、auの電波が入っておりすぐに119番通報。「山岳遭難です。」まさかこのセリフを言う時が来ようとは。遭難者とはまだ密にコミュニケーションを取れる距離ではないため、
「今分かる状況、場所(地名、緯度と経度をコンパスアプリで確認)、登山届の有無、遭難者の服装、装備(ヘルメット付けてるか)、お互いのパーティー人数、近くまで行けるか(難しければ二次遭難を避けるため行かないよう注意)、スマホのバッテリー状況(今後連絡取れるか)」等を伝え終電。
とにかく一刻も早く近づきたいがまみがなかなか進めない。昨日までに登下降した斜面と大差ないが、今自分がいる斜面で滑落事故が起きたと分かったら無理もないか…ステップを作っておき、ゆっくり後ろ向きで下るよう指示。その間も消防の山岳担当の方と連絡を取り、ヘリを飛ばす旨を聞く。なんとか遭難者に一番近いところまで尾根を下り、幸い雪庇のない部分から谷に下りられそうだったため、まみを尾根に残して現場へ。
頭部裂傷(血は止まっているがヘルメットをしていなかった)・左足首骨折はしているものの意識ははっきりとしている。天候は快晴で風もないため救助は間違いなさそうでとりあえず安堵。ザックを背負って四つん這いの体勢だったため、ザックを下ろし、3人分ほどのバケツを掘る。念のため持っていた断熱マットを下に引き座る姿勢に変えてもらった。
名前等の身元関係、緯度経度も再度伝達し、救助までこまめに連絡をするためバッテリーが問題ないか、状態に変化があればすぐに連絡がほしいこと、ザックの外付けを可能な限り中に入れて荷物整理をして欲しいこと、アイゼンを取って欲しいことなどを指示され、その後もこまめに救助活動の進捗の連絡を受けながら待つ。
水分補給とアウターのシェルを着てもらい、パッキング完了。
夏道を通っての滑落ではないとのことで、弓折の稜線あたりから緩んだ雪に足を取られ滑落。稜線からすぐは切れ落ちているため初速が出てしまい、それからは天地も分からず滑落停止が一切できなかったようで、ピッケルでの滑落停止は初期制動にしかならないのだと分かった。
300mほど滑落し、本人のdocomoは電波が入らず、尾根から見える範囲まで上がらなければ誰も見つけてくれないと100mほどを数時間かけて、折れた足を引きずりながらずり上がってきたという話をそのトレースを見ながら聞き、叫べど誰もいない現実を想像すると泣きそうになった。左足はかなり痛そうだが、努めて楽しい話をするようにし、TJARやトレランの話など気楽にいてもらえる努力をした。
私たちの発見から2時間30分ほどでヘリが到着し救助が完了した。

鏡平まで下りる尾根道は、私たちが通ったトレース以外に滑落が起きた場所が見えない方向のトレースもあり、私たちの前に通過した方はそちらを進んでおりまったく気が付かなかったとのこと。雪庇がなく夏道を覗いたから発見できた。偶然でしかないが本当に良かった。また天候や発見時間にも恵まれた。ガスが出ていれば発見できていないし、発見時点ですでに低体温症等になっていたかもしれないし、残しているまみの心配も必要になったはず。
あとは電波問題。幸いauは繋がったが、私たち2人が繋がらない場合は新穂高まで下りて通報になったはず。スピード重視でまみを1人置いて通報に行けたかどうか…とにかく様々な条件が不幸中の幸いで、救助の待ち時間には緊張感も弱まってリラックスできた。生きているからこそ言えるがいい経験ができた。

小屋開き前、少ない登山者、時間により変わる雪質、天候により大きく変わる難易度、装備の判断、等々が難しい残雪期。自分たちは無事に下山できたが、山岳遭難が身近に存在することを痛感した。誰しも正常性バイアスはあると思うが、抑えられるリスクは抑える努力をもっとしなければならない。

ちなみに遭難者の方は昨年同時期にも同じルートを登っており、それ以前には残雪の北穂高岳等も行っていたようだ。そんな方が行動開始から30分以内に危険には見えない稜線部分から滑落したというのだから本当に恐ろしい。

11鏡平山荘〜新穂高温泉
この時点で松本までのバスが間に合わない可能性が濃厚で、のんびり歩いて新穂高で宿泊するか…と気が抜けてしまったのか、鏡平からルートミス。熊の踊り場へトラバースするところを沢に直接下ってしまい、踏み抜かない場所を選んで下る。その後秩父沢出合までは広い沢地形を進む。所々にどでかい落石やデブリがあり、周りに注意する。
このあたりで2人のスマホからけたたましいアラートが。「地震です。」いやいや待て待て、落石も雪崩も怖い地形で地震は怖すぎる。と身構えるが、幸い揺れは感じず(新穂高ではかなり揺れたらしく不思議)、木々も周りに多くあるところまでは下りてきていたため下山を再開。その後は水が尽きて干からびた自分達と、時折現れる壁のような残雪に悩まされながらトボトボと歩く。
そうこうして新穂高まであと15分ほどというところでSUVパトカーが登ってきた。遭難救助に時間を要したので下山が遅くなるのではないかと様子を見にきてくださったようだが、新穂高まで歩き切りたい…。しかし、平湯温泉発の松本まで帰れるバスはパトカーに乗れば間に合うかもしれない(バスはもうなかった)。結果、貴重なパトカー乗車経験を得た。

こうして私たちのトラブル満載裏銀座縦走旅は終了。まさかパトカーで新穂高温泉を通過しながら旅が終わるとは…笑　
平湯発のバスに滑り込みセーフで乗り込み、野口五郎小屋、三俣山荘で仲良くなった単独行の学生と無事再会。この方は前述の尾根で違うトレースを辿っており驚いていた。
松本着。今日の酒、絶対美味い。美味かった。

まみのレディースデイ、発熱、滑落遭難救助、地震、パトカー乗車、盛りだくさん過ぎ。とにかく2人無事に下山できたことが全て。下山後に事故のニュースをたくさん目にして驚いた。

裏銀座縦走路。小屋は閉まっており人も少ない。だからこそ美しくも厳しいアルプスに浸れる。
滑落事故。明日は我が身と思って準備してまた山に行こう。

















野口五郎岳（のぐちごろうだけ）は、飛騨山脈（北アルプス）中部にある、標高2,924mの山。

【概要】
山頂付近は大石が堆積していて、灰色で茫洋とした山容が特徴的な山である。
名前の「野口」は、この山が属する長野県大町市の集落「野口」に由来し、「五郎」とは大きな石が転がっている場所を表す「ゴーロ」の当て字である。
歌手の野口五郎は岐阜県美濃市出身だが、芸名はこの山に由来する。

水晶小屋

このランドマークを通る活動日記

北アルプス_折立_三俣蓮華岳

美しい北アルプス黒部源流域の山へ

裏銀座ルート(冬期小屋、テント、小屋泊)

悲願の水晶岳登頂　2泊3日

鷲羽岳・水晶岳

きたアルプス

弓折岳・双六岳・丸山・三俣蓮華岳・鷲羽岳・ワリモ岳・水晶岳（南峰）・水晶岳（北峰）

残雪期の裏銀座縦走〜遭難救助

このランドマーク付近の写真

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美しい北アルプス黒部源流域の山へ

裏銀座ルート(冬期小屋、テント、小屋泊)

悲願の水晶岳登頂 2泊3日

鷲羽岳・水晶岳

きたアルプス

弓折岳・双六岳・丸山・三俣蓮華岳・鷲羽岳・ワリモ岳・水晶岳（南峰）・水晶岳（北峰）

残雪期の裏銀座縦走〜遭難救助

水晶小屋

北アルプス_折立_三俣蓮華岳

悲願の水晶岳登頂　2泊3日