登山道整備の効力、遭難事故防止と登山者の法的自己責任は❓

「登山道整備不良に起因する事故の法的責任について(その1)」というホームページがありましたが (2022年7月7日現在検索できなくなっています。) 土地の工作物とは何かが語られてなくその先の話が意味のないものになっています。 「土地の工作物」には、登山道の鎖、梯子、ロープ、ベンチ等が含まれます。と記載がありますが、 ① ビールケースの上に板を並べただけのベンチ。倒木を切って置いただけのベンチ。 ② 市販のアルミ梯子を置いてあるだけ、あるいは倒れないようにロープで天然木に結んである市販のアルミ梯子。 ③ 自然物である天然木に結び付けられた、鎖、ロープ。 ④ 道迷い防止、あるいは転落防止の注意喚起のために自然物である天然木に張られたロープ。 ⑤ クライミングや沢登りなどで懸垂下降やビレーポイントなどに一時的に設置されたハーケン、ボルト、ロープ(捨て縄)(残置ロープ)など。 全国の山を歩いていると、これらを見る事ができますが「土地の工作物」と言えるか疑問であります。 ◎登山は自然の危険の中に身を置くスポーツ文化。(危険な所に身を置く意思決定がなければ登山はなりたたない) 輸血拒否事件最高裁判決(輸血を拒否する患者の意思決定は医師の救命のためとの理由も否認。) https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52218 憲法13条の幸福追求権に内在する意思決定権、危険の中に身を置く意思決定は裁判所も認めていると言えます。 ◎自然公物の管理責任は 〇道路法の市道、県道、国道など、また都市公園では通常有すべき安全が確保されるよう、 国民は役所に管理責任を負わせている。 それゆえ法令により管理者の判断で立入禁止、通行禁止にできる。 〇自然公物である海、川、山は通常有すべき安全が確保されるよう、 役所に管理させることは膨大な費用がかかるなど不可能なため、管理されていない自然のあるがままである。 それゆえ管理者の判断で立入禁止、通行禁止にできる規定はなく管理責任はない。 国民共有の財産である自然公物(海でサーフィン、川・湖でカヌー、山でスキーなど)は利用が自由であるが、危険な所に身を置く意思決定の自由による自己責任利用という事になる。 自然物は国、地方公共団体は管理責任を負わないが、但し、管理者しかできない事実行為があれば管理責任を負う事になる。(奥入瀬渓流落木事件最高裁判決) ◎自然公園(国立、県立公園など)内の歩道の管理責任 自然公園法2条6項の公園事業:公園計画に基づいて執行する自然公園法施行令1条1号の道路(指定歩道) 国立公園の公園計画作成要領 https://www.env.go.jp/park/doc/law/keikaku03_1.pdf 自然公園法施行令1条1号の歩道(公園利用のための施設としての登山道)の整備計画について 「高度の登山技術又は深い経験を必要とする専門的な登山ルート(ロッククライミング、沢登り、藪こぎ、山スキー等のいわゆるバリエーションルート)は計画しないこと。」(11頁)と記載してあります。 環境省などが計画、整備する目的は自然公園法1条の「その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資する」で、旧厚生省が生活習慣病予防などの保健のために作った法律です。 公園事業として計画指定され整備土木工事された登山道は公の営造物にあたり管理責任を負う事になりますが、登山道には自然発生的に出来た道もあります。 鹿は樋爪があり歩き難い所では集中して歩く習性があり顕著な獣道になります、これらを利用して登る登山道は自然のあるがままであり公の営造物にあたらないと理解できます。 また環境省などが計画、工事し整備しない自然のあるがままである藪こぎなどのバリエーションルートなども同様であると言えます。 ◎まとめ ●公の営造物にあたる登山道とは何か 道路法の県道、市道など、および自然公園法施行令1条1号の歩道などで、舗装、木道、木段、石段などの工事または土木工事を伴う整備が行われた道路および付属する、鎖、梯子、ロープ、橋、柵などであります。 自然公園法の目的の利用の増進を図るためより登り易いよう工事がなされています。 自然発生的に出来た登山道は自然の危険が内在しており公の営造物にあたらないと理解できます。 ※国家賠償法2条1項 「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。」 ●土地の工作物とは何か 土地に定着(接着)している人工的な工作物であり、 判例により直接土地に接着していなくても土地に定着している主たる工作物に接して一体としてその機能を果たす工作物であれば「土地の工作物」に当たるとしています。 一方、置いてあるだけの工作物は土地への定着性に欠けるとして否認しています。 市販のアルミ梯子やロープは簡単に取り外せる状態であれば工作物とは言い難いでしょう。 また自然物である天然木に接しているから土地に接しているとは言えないでしょう。 ●山岳事故防止のための登山道にある工作物 剱岳では垂直の岩壁に鎖やハシゴが富山県により設置され占有されています。 基礎はコンクリートなどで頑強に固められ工作物であります。 前剣(剱岳の前衛峰)の鎖がないところで滑落死亡事故が多発しており鎖の事故防止効果は明らかであります。 剱岳は北アルプスでも最難関の山であり、登山者は危険を認識して垂直の岩壁を登る訳で鎖が滑ったとの理由は瑕疵(通常有すべき安全機能)には当たらないと考えられます。 また仮に鎖が切れたとしても点検しなかった登山者の過失は西沢渓谷事件の観光道路(遊歩道)で観光協会が設置した柵(通常登山では使用しない物で点検する必要性が低い物)でも4割認められており剱岳の垂直の岩壁の鎖では8割~10割と推定され、損害賠償請求者の過失が相殺されることになります。 ●バリエーションルートにある懸垂下降やビレーポイントの支点、残置ロープなどについて 剱岳は市販の登山地図の赤線で一般的な登山道でありますが、一方、バリエーションルートは剱岳の登山道より危険度は高く、工事を伴わず自然発生的にできた登山道は公の営造物にあたらないと理解できます。 環境省がこう定義しています「高度の登山技術又は深い経験を必要とする専門的な登山ルート」 このような場所でロープが切れたりや支点が破断したとしても使用した登山者の点検、注意義務の過失が10割となることは十分考えられ、損害賠償請求は出来ない事になります。 また、懸垂下降やビレーポイントの支点、残置ロープなどは一時的に登山者自身や仲間の遭難事故防止、安全確保のために設置したもので、その後支配はしておらず、占有者でも所有者でもなく民法717条1項の損害を賠償する責任を負う者に当たらないと理解できます。 自然のままのルートであり公の営造物には当たらないので所有者の林野庁(国)などは責任を負うことは無いと考えられます。 現実に使用直前に落石などによりロープなどが損傷する場合もあり、管理は不可能、登山者の自己責任(注意義務)によるしかないと思います。 ◎筆者へのお願い 「注意喚起するだけでは足らず、落石を防止する措置を取るか、あるいは、歩道を通行止めにすることが設置・管理者に求められていると言えそうです。」と言及されていますが、 https://www.tamanoo-law.jp/2021/06/30/%e7%99%bb%e5%b1%b1%e9%81%93%e6%95%b4%e5%82%99%e4%b8%8d%e8%89%af%e3%81%ab%e8%b5%b7%e5%9b%a0%e3%81%99%e3%82%8b%e4%ba%8b%e6%95%85%e3%81%ae%e6%b3%95%e7%9a%84%e8%b2%ac%e4%bb%bb%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84-4/ 法的根拠のある道路の通行止めは道路法、都市公園法によるものだけです。 また、危険だからという理由で立入禁止にできるのは災害対策基本法63条1項のみ 任意規制は憲法の保障する自由の侵害につながり公務員職権乱用罪の可能性が高いと思われます。 よろしくお願いいたします。 ◎警察署長さんへお願い❣ 遭難事故が起きると仕事が増えるので管内の山へは登山者が来ないようにしよう。何て思っていないですよね❣ 憲法13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」 警察法2条2項「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。」 国立、県立公園など自然公園の設置の目的(自然公園法1条)は「利用の増進を図ることにより、国民の保健に資する」旧厚生省が生活習慣病などの予防のために運動するよう作った法律で、まさに登山が法令行為である証です。 なぜ、医療費や介護費の増大は税金の増加につながり公共の利益ではありません。 地方公務員法30条「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と規定してあります❣ 遭難事故防止は注意喚起だけでは中々減りません。 ★道迷いし易い所には目印や道しるべを付ける❣ ★滑落しやすい登山道にはロープを張る❣ 管内の遭難対策協議会(山岳救助隊)やボランティアと連携して事故防止の登山道整備をするべきです。 60才以上の登山者の割合は多いです。 自然の中での運動こそ医療や介護に頼らない生活が実現でき、 税金投入の削減と家族の負担軽減につながります。 遭難事故防止のためにの登山道整備は、保安目的で公益性があり、刑法35条の正当行為であることはご承知でしょう。 全国の警察署長さま。よろしくお願いします❣ ◎環境省などに申請して登山道整備をしているボランティアの皆さんへ 日頃の活動、頭が下がる思いで感謝しております。 環境省などが自然公園の計画指定して工事がされている登山道は公の営造物に当たり、整備は保存行為であります。 瑕疵(欠陥)があると訴訟リスクが伴います。 特に注意点は ① 草刈り枝はらいなどの際、地上1.5m~2m附近の枝に注意。 切った枝が目に当たり失明、急斜面で枝に頭をぶつけ転倒滑落死亡。 ② 登山道の洗堀防止のため丸太で土留め、丸太を止めるための鉄杭。この鉄杭が丸太より飛び出している場合は注意。 急斜面で鉄杭に躓いて転倒滑落死亡。 重大事故につながる瑕疵(欠陥)は整備のおりに注意する必要があると思います。 よろしくお願いいたします。 ◎登山者の皆さんへ 登山道にあるロープや鎖、梯子などは必ず点検する習慣をつけましょう。 西沢渓谷の遊歩道で観光協会が設置した柵が壊れ登山者が死亡した事件でも被災した登山者の点検しなかった過失を4割認めています。 積丹岳バックカントリー遭難救助事件では最高裁判所はスノーボーダーの過失(自己責任)を7割、北海道警察の救助の過失を3割と認定しています。 尾瀬の登山道上に強風で飛んできた落木で死亡した事故では裁判所は登山者の自己責任(注意義務)を10割認め遺族は敗訴しています。 登山は危険の中に身を置くスポーツ文化であり危険回避は登山者自身が自己責任で負うものであると裁判所も認識している証だと思います。 危険回避は自助です。 ハイキングといえども安全ではありません。 落木、落石、道迷い、急斜面での滑落など、危険を認識して対処方法を考えて楽しんでください。 遭難事故防止にもちょっと時間を割いて協力してください。 共助です。 ここどっちだ?と思った所や実際に間違った所には正しい道に目印を付けましょう。 間違い道には枯れ枝や小石でバリケード、細紐を張るなど道迷い遭難防止に協力しましょう。 点検した結果、危ないロープは外して丸めて置いておきましょう。 滑り易いロープは結び目を作りましょう。 読んでいただいて有難う御座います。

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