大汝峰。 戻る 次へ

【白山】怒涛の加賀禅定道一気下りの写真

2020.09.06(日) 05:09

大汝峰。

この写真を含む活動日記

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14:31

20.2 km

1833 m

【白山】怒涛の加賀禅定道一気下り

白山・別山・銚子ヶ峰 (岐阜, 福井, 石川)

2020.09.05(土) 2 DAYS

《アプローチ》 車=1時間20分(金沢-檜倉駐車場)、50分(檜倉駐車場-市ノ瀬)、シャトルバス=14分(市ノ瀬-別当出合) 《登山コース》 ・1日目(9月5日) 8:22別当出合-10:03/10:14別当坂分岐-11:54/12:38殿ヶ池避難小屋(食事)-13:36/13:41黒ボコ岩-14:03室堂(宿泊) ・2日目(9月6日) 4:00室堂-5:43/6:00御手水鉢(食事)-6:29四塚山-8:12/8:23天池-8:40/9:00百四丈ノ滝展望台-9:59/10:10奥長倉避難小屋-11:27しかり場分岐-12:48檜倉駐車場 ・1日目(9月5日) 先々週に引き続き、今年2回目の白山。今まで日帰りでしか登ったことはなかったが、今回は初めて室堂の白山雷鳥荘に泊まる。白山雷鳥荘は、2012年にオープンした個室タイプの宿泊棟。例年であればなかなか週末の予約が取れない人気の山小屋だ。山仲間3人で観光新道を登り、翌日は長い長い加賀禅定道を一気に下ろうという計画である。 個人的には、火の御子峰と地獄尾根、四塚山の異世界ケルン、大迫力の百四丈ノ滝を見るのが今回のミッション。ただ、この週末はダブル台風(9、10号)の谷間となる。10号の進路次第では天候が不安定になるかも知れない。 午前6時に白山市白山町のコンビニで待ち合わせ、車2台で出発する。一里野温泉スキー場から林道を上り、6時50分に明日の終点となる檜倉の駐車場に1台をデポ。もう1台で市ノ瀬ビジターセンターへ。7時45分に到着し、検温後、8時発のシャトルバスで登山口の別当出合(標高1,260m)へと向かう。 8時22分、登山口から観光新道を登り始める。天気晴朗、そして微風。絶好のコンディションと言いたいところだが、強烈な日差しと暑さに体力を奪われた。身体が重く、ペースがまったく上がらない。全身から汗がとめどなく流れ落ちてくる。殿ヶ池避難小屋(同2,020m)では山仲間の一人がへばってしまい、しばらくベンチで大の字になった。 午後2時3分、ようやく室堂に到着。ここでも体温を測り、検温シールをマスクに貼付する。御前峰(同2,702m)に登る気力は残っていない。長丁場となる明日に備え、山小屋でのんびり過ごすことにする。白山雷鳥荘は水洗トイレやコインシャワーもあって居心地がいい。 定員が21人のところ、宿泊者は僕らを含め5人のみ。台風の影響か、キャンセルが相次いだらしい。コロナウィルス感染防止のため、夕食はレトルト食品(ターバンカレー)。寝具も提供されないから、シュラフとマットを持参する必要がある。5時過ぎ、生ビールを飲みながら夕食を取る。山で飲む生ビールは格別だ。8時の消灯とともに就寝する。 ・2日目(9月6日) 午前3時にセットしたアラームで目が覚めた。夜中に激しく降った雨は上がっている。4時に山小屋を出発。体力が不安なので大汝峰(同2,684m)には登らず、山頂を西側に巻いて加賀禅定道を下る。5時29分、大汝峰と三方崩山の間から朝日が昇り、国内最難関ともいわれる火の御子峰(同1,982m)の切り立った岩峰が浮かび上がる。ミッション1、クリア! 御手水鉢の近くで朝食タイム。山小屋で作ってもらったちまきを頬張る。これは美味しかった。七倉ノ辻の手前で、楽々新道を登ってきたという若者とすれ違う。聞けば、約12時間かけて室堂までピストンするという。桁外れの体力に驚愕する。6時29分、四塚山(同2,519m)に到達。ケルンが立ち並ぶ山頂には、異世界を思わせる独特の雰囲気が漂っている。ミッション2、クリア! 今日は適度に風があって心地いい。夕方まで台風の影響はなさそうだ。加賀禅定道は見晴らしがよく、四塚山からこれから歩く稜線を一望することができる。永久保存したい眺望である。 長坂の急斜面を下り、油池、天池を通り過ぎる。天池から百四丈ノ滝が小さく見える。その先にある湿原の木道が濡れていて、派手に滑って尻もちをついた。これは危ない。展望台(同2,030m)からの眺望は素晴らしいのひと言。百四丈ノ滝、清浄ヶ原、そして北部両白山地の大パノラマ。展望台に腰かけ、休憩を取りながら絶景を堪能する。ミッション3、クリア! ここまで体力にはまだ余裕があった。ところが、美女坂の長い下りにやられ、足の踏ん張りが効かなくなった。気温も上がり、20度を超えてきた。アップダウンの激しい尾根道に体力が吸われていく。そのうち転倒した際に打った左手薬指や足の裏まで痛みがひどくなってきた。それでも歩を緩めず、先へ先へと進む。加賀禅定道は修行の道。つらいのは当たり前だ。 しかり場分岐からはリアルきのこの山状態。しゃがんで撮影するたびに息が切れる。最後は口を開く気力さえも失せ、足を引きずるように檜倉の登山口に到着。これだけ疲労困憊したのは、昨年、日帰りで別山に登ったとき以来だろうか。長い加賀禅定道を踏破したことに加え、3つのミッションをすべて達成し、満足感いっぱいの山行となった。