YAMAP / ヤマップ
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6日目 晴午後雷雨 聖平小屋→百間洞山の家の写真

聖岳山頂にて強烈なブロッケンが出現。

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やま
ID: 252317

できるだけ晴れた日に、できるだけゆっくり歩きたい、できるだけ長く山にいたい。そんな旅の記録です。 自分の老後の読みものとして書いているので異常に長いです。適当に読み流してください。

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写真16
もらったドーモ45
11:01
8.4 km
1323 m

6日目 晴午後雷雨 聖平小屋→百間洞山の家

聖岳・大沢岳・光岳(長野,静岡,山梨)

2023.07.27 (木)日帰り

やま
やま

昨日は18時前には寝ついたため、1:30に自然に目覚めた。今日は長いのでそのまま出発の準備を始める。鈍足なら早く寝て早く出発すればいいだけの話。 2:40おそらく一番手の出発。漆黒の闇の中をヘッデンで照らしながら歩いていく。新月で星が綺麗だ。聖岳へのこの道も2度目なのでなんとなく覚えていて急登の覚悟はできている。ヘッデンのルーメンが350なのでいまいち暗くてひたすら足下だけを照らす。時折森に目をやると暗闇の中に動物の目が光ってこちらを見ているのがわかる。両目が光っていたのに突如片目だけになったらおそらく猛禽類、2つの目がたくさんこちらを見ていたら鹿の群れであろう。熊だけは嫌なので鈴を意識的にチリンチリン鳴らしながら進む。まだ夜が明けきらない頃、後ろから鈴とヘッデンが近づいてきた。稜線手前でこの方に抜かれる。 稜線に出たところでタイミングよくヘッデンなしでも目が効くようになり、安全に歩けるようになった。小聖で再び先頭になり、いよいよ本尊のザレ場の急登。道を外さないように注意しながら登るがやはりここはキツい。今にも朝日が昇りそうで気がはやるが山頂はまだまだ先だ。先程の方に先頭を譲り息が荒れない程度のスピードで登る。 聖岳の肩の辺りから太陽が姿を現した。背中の山々が次第にオレンジに染まっていく。これで元気が出て歩を進める。 そしてなんとか3時間足らずで山頂に辿り着いた。兎岳方面からの登山者は見当たらずおそらくは2番着だ。まず目に入るのは正面の赤石岳だ、どこから見てもフォルムが美しくて大好きな山。その右手に悪沢も久しぶりのご対面だ。先に到着された方と写真を撮り合う。影聖がピラミッドのようだ。 聖岳の頂標が真っ青な空に溶け込むような写真を撮った。ここからの360度の絶景を動画に収める。光岳、茶臼岳、上河内岳と歩いてきた山々、兎岳、赤石岳、悪沢岳とこれから歩いていく山々の共演。 数人が登ってきた。それでも山頂はスカスカだ。 一時期ガスが出ていたのだが、そこに力強い陽が当たって強烈なブロッケンが現れた。今まで出会えた中で一番クッキリとした鮮やかなものだった。これは最先良いかもと気をよくして兎岳に向かうことにした。 私は下りがめっぽう苦手で、体幹が悪くてかつどんなに意識しても後傾になる。それゆえに背中側に転ぶことも多々。そんな自分がこの旅で一番嫌な箇所、それはこの荷重を背負っての聖岳から兎岳への下りだ。前回とても疲弊した思いがある、今日晴れてくれたことは本当にラッキーだ。ストックを最大の長さに伸ばして転ばないよう、石を落とさないようゆっくりゆっくり一歩ずつ降りていく。前回ルートがわからないところが1箇所あったのだが、今回もやはり間違えて変なところを経由して合流した。 鞍部まで転ばずに降りれてホッと一息。この時間で日差しはかなりの強さで、前回暑さでへばった兎岳の登り返しの前にしっかりと休みを入れる。後続から下山者一名。この方と入れ替えに出発(この方とはこの先数度山頂でお会いし百間洞では一杯やることに)。強い日差しの中、兎岳を登る。持ってきた2.5ℓの水は残り1.5ℓ、昼過ぎの中盛丸山の登りも考慮するとここでの消費はペットボトル1本程度に収めたい。急登を覚悟してゆっくり登ったせいか、さほど疲れず兎岳避難小屋分岐に到着。せっかくなので小屋を覗いてみたら外見こそ変わらぬものの、内側は壁、床はリニューアルして綺麗になっていた。山頂は間近なので休みは取らずにそのまま出発。先行していた先程の方に山頂で一緒になりしばしおしゃべり。三角点を求めたがハイマツに埋もれていて1分で断念した。兎岳の山頂は好きなポイントで、聖岳の眺望はいいし、ここから眺める中盛丸山や大沢岳のこぶこぶも美しい。行動食を食べて兎岳を下る。ザレ場のジグザグ道、聖岳側とは全く様相の異なる下り道。次の小兎岳が見えている。緩やかな小兎の山頂から再び聖岳を望む。何度見ても大きな山だ。そして最後の中盛丸山だ。ここまで足を使ってきてこの登りがきついのだ。2箇所ほどガレのよじ登りがキツい。この頃から雲行きが怪しくなってきた。気合いで登りきり、山頂での休憩もそこそこに百間洞山の家への下り、ラスト1時間だ。この下りがまた長く長く感じる。ラスト20分で雷が鳴り始め雨がパラパラ降ってきた。ラストラストと自分を鼓舞して小屋に着いた直後に土砂降りになった、雷も近い。テン場はここから5分だが、とてもこの土砂降りの中を設営する気は起こらず、管理人さんに小屋泊を相談したところ快くお返事をいただいた。感謝感謝。しかし私のリサーチ不足であったが楽しみにしていたトンカツは予約要であった。管理人さんがたった一人で切り盛りしているらしい。7年前に感動したトンカツにはありつけなかったが小屋に入れていただけるだけでありがたい。今日山頂で何度もご一緒した方も小屋泊で2人で食堂で乾杯、ウイスキーをご馳走になった。寝るスペースはとても広く快適だった。 無事にここまで歩けたことの安堵もあって、幸せを感じる夜だった。夜中に目が覚めると頭上の窓から満天の星が見えた。