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【熊野古道伊勢路⑧】万感の伊勢神宮…‼ラストの贈り物は、虹の架け橋の写真

伊勢神宮外宮にたどりつきました!

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とも
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 新潟県出身、高校山岳部以来の登山復活です✨山で香る空気感や自然が生み出した色彩にみとれながら歩くのが大好きです!  子供時代は父と、守門岳、白馬岳、谷川岳、宝剣岳、奥穂高岳。高校登山部合宿で燕岳から槍の表銀座縦走と、新潟長野を登って来ましたが、何年もたちすぎたので、あらためてまた登れたらなぁ、と夢を持ってます。  2019年6月YAMAPデビュー。関西の山を登り始めました。はまり症なんで、体力と時間ある限りの怒涛の好山病傾向に気をつけつつ、食いしん坊なんで、おうちごはんを山でも♪と、平凡ですがアツアツを食べることにこだわってます。  2020年の秋から、ロングトレイルに目覚め、たくさんの景色を見ること、風を切って山の空気を体に浴びるその爽快感を、ちょっぴり知ってしまいました。ソロで自分を見つめる時間も病みつきに。    夏は素潜りをライフワークに、家族で海へ。『UMIP』と題して、潜った青い世界、その水中写真も載せています。自分の精神ベースは、じつは海の世界かな…と思ってます。 そして2021年7月、ついにSTM(S須磨浦公園 to Mみさき公園の意味)を、ほぼソロ完歩しました!!(^^) 【いつかはSTM!真夏の完結!】 https://yamap.com/activities/12335855 #YAMAP  2021年秋からは、熊野古道を歩き始め、大峰奥駆道をすべて日帰り山行で、ソロとスライド作戦で熊野本宮大社へたどり着くことができました。 伊勢路も、伊勢神宮をラストに、ようやくつながりました!! https://yamap.com/activities/19331392  かつてたくさんの参詣人が、それぞれの思いを胸に歩いた重厚な石畳、山越えの峠道。 熊野古道を歩きながら、往時を想像し、自分が今ここに居ること、呼ばれたこと、そんな自分の中にある何かと対話してる時間が、好きです。  『自然』が自分の潜在的な欲求まで、おしえてくれる。  子育てしながらも、自分探しの旅を、久しぶりにしてる実感。  YAMAPはそんな素敵なツールだと感じています(*^^*) 2024年の幕開けは、バードウォッチングから。 金剛山でヤマガラちゃんが手に乗ってくれたことに感動!そこから鳥撮影への情熱が徐々にヒートアップ。 NikonクールピクスP950を相棒にして、歩きはじめました。

この写真を含む活動日記

写真128
もらったドーモ213
07:54
34.4 km
415 m

【熊野古道伊勢路⑧】万感の伊勢神宮…‼ラストの贈り物は、虹の架け橋

伊勢市(三重)

2022.08.31 (水)日帰り

とも
とも

8月の最終日、伊勢路をこの日に繋ごうと決めた日。 自宅出発時刻の30分前まで、天気と雨雲レーダーをベッドの中で何度も見ては、悩んでいた。伊勢市にかかる雨雲、午後には晴れて暑くなるみたいだが、女鬼峠通過は雨かも…。今日は呼ばれてる?呼ばれてない?でも、太陽は必ずでてくる。一日でも長い日照時間。どうする?…行きたいんでしょ?行こう! そう思ったら早かった、とっさに準備してたザックと、握ったおにぎりを持って、地下鉄に乗り込む。 予定通りの近鉄特急、松阪駅。平日の路線バスで29駅1時間、前回7月の暑さでバテて終えたバス停、栃原駅口へ向かう。 伊勢路を北へ北へと進んできたので、栃原出発は午前9時30分。あの紀北町の相賀駅、12時前着を思うと、早いスタートはありがたい。ほんとうに北へ来たものだ。 この日、ついに熊野古道伊勢路、北の終点、伊勢神宮まで歩ききることができた! 熊野市の鬼ヶ城から北へ、最初は車に乗せてもらって、そして後半は公共交通機関をつかってソロで歩いてきた伊勢路。 あと残すは、伊勢路約170キロのうち、熊野の鬼ヶ城から新宮市の熊野速玉大社までの約22キロ、その浜街道を熊野灘を見ながら歩くだけになった。 この日、終わってみれば気温は30度越えの猛暑、距離にして34キロとなった。 女鬼峠の2キロ以外はすべて日陰のない道路という厳しさ。 覚悟と情熱をもって、この祈りの道を、ひたすら進む。 日傘を終日さして、相棒として私を強烈な日差しから、頭と肩を守ってもらった。7時間、命の屋根だった。 この日傘、女鬼峠の山道では、蜘蛛の巣との格闘で頼りになり、そして最後の五十鈴川駅へ向かう時の雨では、不意の土砂降りに汗冷えから助けてくれて…。 道路歩きは想像以上の放射熱、太陽の照り返しがすごかった。 そのなかで、歴史的な趣ある石標や、静かに時をこえて佇むお地蔵さまに癒される。 頭を垂れてる黄金色の稲穂、青空と白い雲、のどかな田んぼの地平線。生まれ育った越後平野と錯覚するほど、似ている懐かしい風景だった。 女鬼峠の土道は、足に優しく、緑のトンネルの中に入っていくと、迎えてくれるのは、蝉たちの声。 めったに通らないのか、完璧に張られた蜘蛛の巣は、白糸のレース編みのようで、申し訳ない気持ちで破壊させてもらう。 雨あがりで立ちこもる、むせかえるような夏草の匂い。 あぁ、この夏の山の匂いが大好きだ。思い出すのは子供のころからの夏の記憶。家族と、友人と、大切な人と。 伊勢路で感じる山道はここが最後、たまらなく身体がこの匂いに嬉しくなって、酔いそうになる。 街道沿いの、雰囲気有る建物、酒屋、商店、たばこ屋、郵便局。昔から主要路だった面影をわずかに残している。 歩いて、走ってを繰り返しながら、もうここを歩くことはないだろう、と一期一会の景色を時々自分に感じさせる。 たまっていく体の熱を、コンビニという聖地にたどり着くたびに、ドリンクかアイスを買って、クールダウン。 ありがたく急速冷却させてくれる屋内は、本当に救われた。人の身体は、本当に水分で出来ていて、その温度がぐんぐん上昇するかのように思えて、日なたの長時間歩きはある意味、夏の非日常感覚で怖かった。 この日はペットボトル6本(3L)ウィダーゼリーにアイス2本、さらに甘酒も飲んで、強烈に水分を求めた。 伊勢街道を歩いて時折であう神社。 手水舎で清めて冷やさせてもらうお水のありがたさ。滝汗を通り越して洪水の汗と共に歩く。帰りに駅で着替える全身着替え衣類は夏の必須アイテムになった。 宮川の橋をわたり、市街地にはいり、近づいてくる、伊勢神宮外宮・内宮の看板。 最初、外宮の鳥居をくぐって参拝する。 祖母から聞いて子供時代からしっていて、いつかは…とずっとずっと訪れたかった猿田彦神社。 賑わう、おいで横丁の人並みをこえて、ようやくあの夢に見た、伊勢神宮内宮の大鳥居…! あそこを前にしたとき、立ち尽くして、すべての力が抜けた。 ここにとうとう、たどりつくことができた…!と。 万感の思いだった。 遠い遠いこの地、ほんとうにいつかは…と思っていた伊勢神宮に、私は歩いて、ここにいる。 そして正宮にお参りしたときに、まさか目から涙があふれるとは思わなかった。 天国の愛する父を想い、祖母、祖父を感じた。92歳で逝った気丈な祖母と交わした最後の遺言は、わたしと弟に「がんばれよ」だったことを思い出す。 自分がここにいること、ここに立たせてもらえること、天国の父たちがいたから、こんな健康体をいただけて、この脚がある。こんなところまで、歩ける体をもらって。 ご先祖様から繋がってくる生を、謳歌させてもらってる悦び。 可能性を現実に、挑戦させてもらえる時間。 満たされている環境、家族、友人。本当に見えないもので守ってもらえてるから、この現実がある。ひとりでは、何もできない。 感謝の思いしかなかった。 この私ができること、一歩が繋いで感じてきた想い。こんな自分でも、だれかの笑顔をつくる、ささやかな助けになりたい・・・。 そんな思いでいっぱいになった。 伊勢路がつながったという感動以上に、ご先祖さまや神様を感じながら、伊勢神宮での時間を過ごしたこと。 こんなふうな思いがあふれてくるとは、思わなかった。 あんなにたくさんの観光客も、参拝者もいたのに、静謐な空間は私に深く感じさせてくれた。 こころ満たされて歩いていた五十鈴川駅までの道。 そこで急に雨がふり、強くなった。 不意の土砂降りに雨宿りをする通行人。私は持っていた傘で歩き続けていたら、その雨も急に止んだ。 そして、空が明るくなって、東の山の方を見ると、そこにはアーチになった、大きな虹の架け橋が…! 雨あがりの七色の虹!大きい!なんてきれいなの…! 空にスマホを向けて撮影する人々、顔を見合わせて笑顔で虹のことを話している若者たち。 水と光の魔法、こんな神々しい贈り物を、伊勢参りの最後にいただけるなんて…。 ほんと無言の道路の、厳しい暑さとの戦いを終えて、たどりついた伊勢の地で出会えた最後の奇跡のようで…。 情熱を持つことは、生きること。 それをこれからも応援してくれるような虹の架け橋、わたしには素晴らしい贈り物だった。 神さま、ほんとうにありがとう。