YAMAP / ヤマップ
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残雪の甲斐駒ヶ岳ソロテント1泊!GW1座目!!の写真

北岳と間ノ岳か

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Tomo
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ノーマウンテン ノーライフ。 ノーヤマップ ノーライフ。

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18.1 km
2592 m

残雪の甲斐駒ヶ岳ソロテント1泊!GW1座目!!

甲斐駒ヶ岳・日向山(山梨,長野)

2018.04.30 (月)2 DAYS

Tomo
Tomo

ゴールデンウイーク前半は南アルプスにしよう。どこにしよう。甲斐駒ヶ岳が気になる。南アルプス北部の甲斐駒ヶ岳山脈最高峰。南方へは3月に登った鳳凰山が連なる。全国に20弱ある「駒ケ岳」の代表格。深田久弥をして「日本十名山を選ぶとしても外すことはないだろう」と言わしめた名峰。黒戸尾根コースは日本三大急登。とにかく行きたくなった。日帰りは無理。七丈小屋で一泊が必要。どうせならテントにしよう。 荷物を積める。基本歩いてるときは春仕様だが、七丈小屋より上は雪とのことで足回りは冬仕様。ストックとアイゼン、ピッケル、ヘルメット。一応ゴーグルや冬期用アウターも持っていく。テントは2-3人用のダンロップ、重いけどこれしかないから。シュラフとマット(今回は忘れなかった)。星空の写真も撮りたいからデジカメ、リコーGXR。レンズ+センサーのユニットとなっていて、これが結構ずっしり。28mmと50mmを準備。前日東京の夜空で練習。いつもの救急キット、ヘッドランプ、緊急ブランケット等々。バーナーは最近買ったプリマスの153とガス缶x2。料理はすべてフライパンで。プラスチックの皿と調味料。 食料は1日目昼から4食分、プラス行動食。ビール500ml缶x2と350mlx1、ワイン500ml、つまみには生ハム、オリーブ、ハーブ鳥、コンビニたこ焼き。アプローチの間は暑くなりそうだから2リットルの飲料を準備。結果、重量は15kgを超えるであろう大荷物(後で出発時の荷物を再現して測定したら24kg!)。 朝8時頃白州(はくしゅう)の駐車場到着。登山届を出して出発。イヤーすっかり新緑の季節になったものだ。朱がかったピンクのヤマツツジが良く映える。竹宇駒ケ岳神社の脇を通って、尾白渓谷にかかるつり橋を渡る。川が素晴らしく綺麗だ。最初の12曲がりの急登をこえ、緑の快適な樹林帯の中を、急になったり緩やかになったりする黒戸尾根を進む。笹の平は穏やかな雰囲気で心地よかった。八丁登り直前のオオヤマザクラが満開で美しかった。 前屏風の頭のあたりから岩でゴツゴツし始める。刃渡りでは右側が切れ落ちたリッジを歩く。刀利天狗をすぎたところで昼の大休憩。チャーハンとビールを頂く。黒戸山を右側に巻き五合目へ向かって急降下。その先に急な岩場が現れる。もう15時。コース標準タイムではそろそろ小屋についててもいい時間。今からこれ登るんでしょうか?ここからが急登劇場の本番。ハシゴと鎖と橋の連続。ハシゴも整備されててそこそこ良いのだが、大荷物を担いでいる疲れが出始める。いったん道が平たんになるが、またしても壁が出現。屏風岩。マジか...。こっちのほうが急だ。息をつかせぬクサリ・ハシゴの連続。そしてとある梯子を上ったところで道が消えた。ように見えた。すっぱり切れたちょっとした崖にある鎖場。岩にステップを切ってあるのだが、どう考えても体のバランスを崩してクサリに宙ぶらりんになってしまいそう。あーこういう技術ないんだよねー。岩の下のほうにあった木に手を伸ばしてつかまり、木の根っことそこにあった通り跡を通ってなんとかクリアー。おー、怖い。この荷物でこの鎖場は辛すぎる。知っていたら小屋泊にするって...。 その後惰性で小屋に到着。スタッフのねぎらいの言葉にほっとして、「いやー怖かったー」とつい弱音を吐き荷物を降ろす。重すぎる。テント一泊600円。「テン場は200m先になりますー」。はい?まだ登るんですか?とりあえずお水をもらって、ビール350mlを購入し(果たして必要だったのだろうか)、余力でザックを背負い、もう一つハシゴとかを登って(勘弁してくれー)テン場へ到着!すでに2張り。ソロ男性とソロ女性。女性がテントかついであの急登を...?と思って話してみると、やはりテント泊を後悔している模様。ですよねぇ。空は曇っていて気温も低め、ちょっと寒いな。フリースとウィンドウブレーカを羽織る。 このテン場なかなか景色が良く、残雪の鳳凰三山が正面にみえた。ソロ男性に言われ、その背後に富士山が見えることに気付く。ほほう、なかなか。急いでテントを設営し、夕食の準備。まずお疲れビールとおつまみタイム。続いて、ラーメンとラーメン汁のおにぎり雑炊。今日はなるべく食って荷を減らし解かなきゃ。まるでトラウマのように常に頭の中にはあの鎖場が...。食べ過ぎ、飲みすぎでワインとつまみが残ってしまう。腹もいっぱいになり疲労も濃いので、とりあえず就寝。なんか動悸が激しい。2300m地点。高山と酒の影響だろう。多少寝ただろうか妙に明るい、真夜中だ。満月のあかりだ、晴れてる。外に出て星空の撮影に挑む。月が明るすぎて星が良く見えない。月や街明かりを撮影。3時過ぎに月が沈んで星が見えるようなってから撮影したが、いまいち。まだまだ技術が足りません。 お隣さんたちは2時過ぎに起きだして3時ごろにはヘッドランプで山頂へ出発していた。僕はここから先の山道は何があるか分からないし、明るくなってから出発。3時半に起きて残っていたワインとつまみ、そして朝ラーメンを頂く。なるべく重量を減らさねば。トイレに行って、サブザックに必要なものを詰めて5時頃出発。小屋から歩いてきた男性2人組のあとについてゆく形となった。いやー晴れた。鳳凰山、富士山と霞む甲府盆地を朝日が照らし美しい。 寝不足なのか、高山の影響か、酒の影響か、頭痛がする。なんかお腹も痛くなってきた。さっきトイレ行ったんだけど。雪の急登を必死で登る。すぐに息が切れ疲労が抜けてない感じ。八合目御来光に達すると白峰三山が見えた。やっぱいいねぇあの山々。八合目から急斜面の雪渓や岩場を超え、ルンゼの岩登り。ここくだるのちょっとやだな、と思う。二本剣の岩の脇を通った後に、先に出かけていたソロ女性、ついで男性とすれ違う。ここから先はさほど険しい箇所はないとのこと。 岩場と雪との道をよっこらよっこら進む。お腹が痛くなってきた、ヤバい。駒ケ岳神社へ着く直前我慢できなくなる。甲斐駒さんゴメンなさい。雪渓にピッケルで穴を掘って用を足す。あぁ、スッキリ。 駒ケ岳神社から頂上へは風もなく景色も最高で快適だった。そして甲斐駒ケ岳2976m登頂!!景色も最高!!先に着いていた二人組に写真を撮っていただいた。ありがとうございました。多分後ろからついてくる僕を気にしながらあまり距離が開かないようなペース登っていたのだと思う。今日黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ登ったのは、この5人。プラスもう一人(おそらく小屋の主人ではないかと思います)。下山時にもルートの下見(登頂はせず)に来ていた男性一人とすれ違っただけ。たったこれだけ。ま、でも登ってみたら分かるけどね。そんなにお気楽に登れる山じゃない。僕だって知っていたら来なかったかもしれない。後から知ったのだが今年3月中旬に8合目から上で滑落事故があって人が亡くなられたらしい。本当にアイゼン、ピッケル、ヘルメットが必須な山だ。ロープワークも知っとかないと怖い。 テン場へ戻ったのが8時半ごろ。ソロ男性はすでにテントを撤収し発った後だった。女性がテント撤収中だった。「お疲れ様です。イヤー帰りにあの鎖場に行くの気が重いっすねー」的な会話をする。あーまだ頭痛がする。晴天の日照りが堪えるよ。トイレに行ったり(まだ調子が悪かった)水飲んだりしたら少し良くなってきた。晴天の暑さのなか荷物をパッキングし、テントを撤収、もう10時か。女性も先に発った。なにとぞご無事で。ザックを背負ってみる。ズッシリ。は?なにこの重さ。全然変わってないんじゃないの?むしろ昨日より重く感じる。疲労の影響だろうなぁ。飲みすぎたのかなぁ。 フラフラと出発する。小屋で少しお水をもらってがぶ飲みする。お世話になりました。 さあ、行こう。梯子場、鎖場を慎重にくだる。そしてあの鎖場。あの方たちは無事に越えたんだろうか。すごいね。さて、このステップどう使うんだろう。3つあるけど、なんかよく分らないから上から2つ目のまで行って後は鎖をつかんでめいいっぱい足を延ばしてつま先を目的箇所へ着地させる。正規のやり方じゃないんだろうが、とにかくクリアー。ちょくごのハシゴでは手が震えていた。いったいいくつのハシゴを超えたのだろう。15くらいはあったかな。とにかく五合目までくだった。行動色を食べて水分を補給する。ここまでくれば一安心だ。刃渡りとかをだらだらと渡って岩場をよっこらせっと下る。足にクル~。 八丁尾根から下は長ーくつらーい樹林帯を進む、足も肩も限界に近いよ。笹の平分岐で一休み、体力の回復を待つ。さきほどの下見の人が帰ってきて追い越される。ふ~、最後の力を振り絞ってザックを背負い出発。しばらく歩いていると、テントのソロ女性に追い付く、やはり足に来ているらしい。そこからは一緒にゆっくり下山。この長い退屈な樹林帯の道で話し相手がいて助かった。本登山道の急登や中央道の渋滞に対する愚痴などを話して駐車場へ着いた。午後4時。やっと。ここでお別れ。無事にご帰宅できたでしょうか。小仏渋滞12㎞でしたが。 トイレで着替え、ゆっくりと中央道を帰った。渋滞を経て到着午後8時前。最近いつもこの時間。ぐっっったり。 それにしても甲斐駒ヶ岳を「南アルプスの貴公子」という表現することがあるらしいが、僕の印象はちょっと違う。これは日本の、甲斐の山だ。山岳信仰色の強い。そして貴公子などではなく、甲斐のあばれ馬なのだ。武田信玄率いる騎馬隊の先陣を突っ走る気性の荒い白馬。「余計なもん詰めた重い荷物なんかで乗っかってみやがれ、振り落とすぞっ、ブルルッ」、そういわれた気がした。甲斐駒、もっとストイックに行くべき山だったのだ。今回は反省すべき点が確かにあった。今後に活かそう。 頑張って長文を書いてしまったがいったい誰が読むんだこの文章。写真も多すぎる。今回の荷物と一緒だよ。 あぁ、明日は出社だ。