宿舎までの道。 戻る 次へ

石鎚山、瓶ヶ森縦走〜静寂の百名山~おもてなしの山の写真

2021.09.18(土) 16:20

宿舎までの道。

この写真を含む活動日記

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16:03

26.2 km

1997 m

石鎚山、瓶ヶ森縦走〜静寂の百名山~おもてなしの山

石鎚山・堂ヶ森・二ノ森 (愛媛, 高知)

2021.09.18(土) 2 DAYS

以前から行きたかった石鎚山と瓶ヶ森の縦走を計画する。 台風が来ていたがどうやら先に抜けてくれるようだ。実際前夜車で向かうと淡路島付近での豪雨は雷を伴い凄まじかったが、徳島付近で小雨に変わった。ただ三好市付近で少し強い雨が降ったのだが。 ロープウェイの山麓駅近くの駐車場で仮眠する。加茂川が濁流となり凄い音を立てていた。 翌日台風で運休していたロープウェイの運行を心配したが、この季節の始発は8時40分なのだが、9時から再開し、第一便となった9時20分の便に乗る事ができた。こんな日に登る人もいないのか乗客は我々だけであった。 山頂駅に着くとしばらくは舗装路、そしてすぐに土の道となる。途中並行する下の道に地元の関係者らしき男性が歩いているのが見えた。雨は止んでいたがポタポタと木々から雫が落ちてくる。これは国民宿舎に辿り着くまで続いた。 やがて成就社にたどり着いく。周りは食事処や土産屋が立ち並んでいる。社殿では女性が清掃をされていた。ここを抜けると本格的な山道となる。 神域なので伐採されずに残った巨大なブナが沢山生えていた。八丁坂を下りきって、試しの鎖のある前社森へと登り返す。楽しみにしていた試しの鎖は雨でかなり濡れていたので断念した。 巻道を進み一軒茶屋付近で初めて他の登山者と遭遇。男性2人組だった。これで石鎚山貸切状態は無くなってしまった。 登山道は開けた綺麗な笹原に変わる。連れがしんどそうだったので夜明峠で休憩をいれた。この付近で神社の関係者っぽい男性が颯爽と追い越していった。 小雨が降ってきたが一の鎖に挑戦してみる。トレイルグリッパーなのでもう少しフリクションが効くかと思っていたが、さすがの降雨中なので斜面になっている所はツルツルで全くフリクションが効かなかった。 垂平になってるステップを利用してなんとかクリア。試しの鎖をパスして大正解だった。もちろん残りの鎖はすべてパスする事にする。 ニノ鎖手前にある避難小屋の前で雨足が強まったので雨宿りを兼ねてランチ休憩。綺麗なトイレも兼ね備えていた。我々が休んでいると女性ソロが入ってきて少し休憩して先に出発された。その後男性ソロが入ってきて、今度は我々が先に出発。休んでる最中にもう一人男性ソロが小屋前を通過していたようだ。 ここから急登が続く。翌日の行程もハードなのでスピードは加減して歩いていたのだが、それでも連れは相変わらずしんどそうだ。山頂までの区間は家族連れ4人すれ違い、小屋の情報をいただいた。鉄階段や、空中回廊を経て山頂へ。 丁度頂上山荘前でまた雨足が強まったので小屋に駆け込んだ。バッヂを購入後、暖かい飴湯をいただきながら雨宿り。我々の他には宿泊かランチ利用の男性ソロがいらっしゃった。 飴湯で寛いでると雨が上がったので山頂の神社に参拝、そして山名板前で記念撮影してから天狗岳へ。 左右切れ落ちた危険な道が続く。こちらの岩には濡れていてもしっかりフリクションが効いた。台風後の東から吹き付ける風もやや強かったがロープウェイも動く位なので高見山や鈴鹿の竜ヶ岳でよく吹くような猛烈な風では全然なかった。 しかし濡れた岩という見た目が滑りそうで心理的にはプレッシャーはかかったのだが。 天狗岳で写真を撮って弥山までピストンで戻る。参拝登山者風の夫婦が神社の人達と何やら話していた。土小屋への分岐まで戻りトラバース路を進む。地形的に険しい所もあるがしっかりと整備されていて、非常に歩きやすい。まさにおもてなしの山だ。途中珍しいイシヅチサンショウウオを見る事もできた。野生のサンショウウオ自体見るのは初めてだった。水辺に住んでいると思っていたが水から遠い所にも生息しているみたいだ。 やがて国民宿舎に到着。早速入浴し、しばらく寛いでから夕食。かなり美味くて久しぶりに飲む酒は瓶ビールにして楽しめた。皆さんすごく親切で是非また泊まりに来たいものである。 翌日も朝からガスガス。西条市の予報は昼前から晴れとの事だったので出発の時間を20分程遅らせた。 土小屋へ向かうと途中石鎚山へ向かう5人前後の年配の登山者とスライド。朝から登ってきたのか尋ねられた。土小屋前から縦走路へ。早速胸辺りまでの高い笹藪があったので朝露で濡れないようにレインウェアを上下着た。この区間笹藪は一部だけなので脱着が面倒だし、気温が低く暑くないのでそのままで。 トラバース気味の綺麗な森が続く。いい雰囲気だが道路沿いなのもあってわざわざ歩く人はいないのかやや荒れ気味だった。しばらく歩いていると笹の上部は乾いてきたので上のレインウェアは脱いだ。 よさこい峠からは終始深い笹藪が続く。早速レインウェアはびしょ濡れになる。これもシダの藪漕ぎとは違いサラサラしてて全然歩きやすいのだが、藪慣れしていない人は避けるが吉であろう。 この伊吹山付近では少し晴れてきて南東の美しい眺望と綺麗な笹原を堪能できた。結局これらがこの日一番の景色となってしまうのだが。伊吹山で少し休憩。 シラサ峠からは笹以外の植物も藪に加わる。険しい道を進み子持権現を巻き、瓶ヶ森まで来ると縦走路では誰とも合わなかったのが一転沢山の登山者に遭難するようになる。数えきれない位の登山者とスライドしながらゆるやかな坂を登って瓶ヶ森山頂でランチとした。途中少し眺望が広がったがすぐにガスガスになってしまう。 仕方ないのでリベンジを誓いつつ下山開始。 下山路はしばらくは華麗な笹原を下る。そして東ノ川への登山道に入るが第一キャンプ場手前で沢山のキャンパー集団とスライドした。さらに進むと沢と一体化した歩きにくいが歩いていて面白い登山道になる。途中沢の小滝を横切る所は濡れた石に滑らない様滑落に注意が必要だった。苔の沢山生えた森は西大台のように綺麗だった。やがてガレた道に変わる。ここの下りは結構ハードなので、連れが早速いつもの疲労困憊になる。休憩を沢山挟みつつなんとか下山。マイペースで軽快に下れないので私も少ししんどかった。 一日目の石鎚ではほぼ真っ白で、二日目も予報は良かったもののこの日も基本ガス。楽しみにしていた鎖場も一の鎖しか楽しめなかった。しかし二度雨足が強まった時、それぞれすぐ目の前に避難小屋や頂上山荘があって助かったり、また修行の山だからなのもあるのかもしれないが、出会った人々が皆すごく親切だった。これは石鎚の神の御加護であるのかもしれない。 感謝! また晴れた日に別ルートで登りたいものだ。 ~コース状況~ 石鎚山までは鎖場を巻いたらよく整備された普通の登山道。 土小屋までは歩きやすいトラバース路。 瓶ヶ森までのルートは笹藪だらけの荒れた道。笹は脇から迫り出してるだけで登山道には生えてないので藪漕ぎ慣れした人には歩きやすいといえる。しかしそうでない人には堪らないかもしれない。 東ノ川まではガレや登山道と沢が一体化してる所など一部歩きにくい所があるが、よく整備された道。沢を横切る時に岩が濡れていて足場もしっかりしていないので滑って落ちないよう注意が必要。