気持ちのいい道ですね。天気もよくなってきました(^^) 戻る 次へ

百里見渡せる?百里ヶ岳☆鯖街道を歩き先人の苦労を偲ぶの写真

2021.10.10(日) 10:03

気持ちのいい道ですね。天気もよくなってきました(^^)

この写真を含む活動日記

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9.0 km

772 m

百里見渡せる?百里ヶ岳☆鯖街道を歩き先人の苦労を偲ぶ

百里ヶ岳・三国岳 (滋賀, 福井, 京都)

2021.10.10(日) 日帰り

みなさんは登るべき山をどうお探しですか? 私の場合、やはりユーザーさんのレポートを参考にすることは多いです。 それからこんなことがよくあります。山に登って景色を眺めいると、目に入るカッコいい山が気になるんですね。「あー、あっちからこっちを眺めたら、どんなふうに見えるんだろー?」なんて思ったりするわけです。 こっちからあっちを眺めたら、次はあっちに登ってあっちからこっちを眺めたくなる…そんな事ってありませんか? その山が未踏で、調べて楽しく歩けそうな山だったら、「よし!次はあの山に登ってみよー!」となるわけです。 実は今回登った百里ヶ岳もそんな山の一つ。 初めて百里ヶ岳を意識したのは、3年くらい前でしょうか…八ヶ峰という山に登った時です。 八ヶ峰は丹波高地に属する福井県と京都府の県境の山。その山頂から雲をまとったカッコいい山が見えて…それが百里ヶ岳でした。でもその後結構長い間忘れちゃってて…(^_^;) そして今年に入って…三十三間山に登った時、再び百里ヶ岳のカッコいい姿が見えたんです。 おー!百里ヶ岳かぁ!すっかり忘れてた!カッコいい山やなぁ。よし、登ってみるかぁー!…今回百里ヶ岳を訪れたのは、そんなことがきっかけでした。 ちなみに三十三間山も、去年の12月に登った賤ヶ岳から眺めて、「あの遠くに見える穏やかで美しい山は何だ?三十三間山?よし、登ってみよー!」で登った山です。 このように、この方法は山から山へと繋がりをもって登ることができるので、登った時にただ景色を楽しむだけではなく、「あー、前はあの山からこっちを見てたんだなー。あれ?あの山は何ていう山?次はあの山に登ってみよー!」と、思い入れを持って次の山に臨めるという利点もあります。 日名倉山→後山→三室山とか、結構このパターンで登った山は多いです。 百里ヶ岳は八ヶ峰と同じく丹波高地に属する山で、滋賀県と福井県の県境の山になります。雲海の名所でもあるんですよ(^^) 名前の由来は、百里四方が見渡せるということらしいですが…結論を先に申しますと、百里四方は全く見渡せません!(^_^;) この山の注目ポイントは、この山が中央分水嶺だということです。 分水嶺とは分水界上の山のこと。分水界とは水系を分ける境界線のことで、つまり降った雨の水などが、こっちに流れたら◯◯水系、あっちに流れたら××水系というように、水を分けるラインを指します。 その中でも中央分水界というのは本州を端から端まで貫く長大な分水界で、この分水界は太平洋に流れる水と日本海に流れる水を分ける境界線です。 この中央分水界がこの辺りでは野坂山地から丹波高地を通ってるんですね。そして百里ヶ岳は中央分水界上の山、つまり中央分水嶺なんです。 そしてこの中央分水界の稜線は、高島トレイルという関西では人気の縦走路になっています。今日も少しだけですが高島トレイルを歩きますね(^^) そしてもう一つの注目ポイントは、この山の西側に鯖街道が通っているということ。 鯖街道…関西の方はおそらくほとんどの方がご存知とは思いますが、YAMAPは全国展開なので少しご説明を。 鯖街道とは日本の古道の一つで、御食国でもあった若狭(福井県)から京の都に海産物を運ぶために整えられた道です。 鯖街道にもいくつかのルートがあるんですが、この百里ヶ岳西側を通るルートは鞍馬街道と呼ばれ、若狭と京都を結ぶ最短ルートとしてよく利用されました。しかしこのルートは丹波高地を縦断する厳しいルートで、特に百里ヶ岳西側は根来坂峠を通過する針畑越えと呼ばれる難所でした。 今日は下山に鯖街道を利用します。根来坂峠から小入(おにゅう)谷までの短い区間ですが、鯖街道を歩いて、先人たちの苦労を肌で感じてみたいと思っています(^^) 今日のルートは小入谷越、百里新道登山口駐車場を起点に、上りは百里新道から高島トレイルで山頂へ。 下りは高島トレイルで根来坂峠まで行き、鯖街道を通って小入谷へ下る予定です。 駐車場に5:20に到着。あかん!先週に引き続き、またやっちまった!早く着き過ぎた!真っ暗やん…(>_<) 駐車スペースはかなり広い。ズラっと並べれば十数台は余裕で止められそうです。 曇天も相まって辺りは真っ暗。少し休憩して、明るくなり始めてから準備開始。6:15に出発です。 登山口は駐車スペースの端っこ。そこからまだ薄暗い森の中に入って行きます。 天気は曇天。夜明け前には少し小雨も降った。暑くなる予報ですが、とりあえず朝はめちゃくちゃ涼しいです。 百里新道はよく整備されていて、とんでもなく歩きやすい。グイっと上って穏やかな下りかフラット、またグイっと上って穏やかな下りかフラット…その繰り返しが続きます。 上り坂も木の根や石・岩の程よい段差があって、急な傾斜の割には登りやすい。距離も短めなので、少し汗ばんだらフラットな道で体力回復!また上って少し汗ばんだらフラットで体力回復!いくら登っても全く疲れないループ!なんてステキな登山道なんでしょー!*\(^o^)/* 中盤は美しいブナの原生林を歩く。 ブナという木は鮮やかな新緑も美しいし、紅葉も美しいし、落葉した枝ぶりも芸術的で美しい…日本の森を代表する美しい木ですね。ブナ林は癒しです☆ 出発してからおよそ1時間25分でシチグレ峠。この先、岩場のやせ尾根もあります。道は狭いし、両端めっちゃ切れ落ちてて怖い!(>_<)でもこの辺りでようやく展望にありつけます。 今日は低い雲が垂れ込めていて、ちょっと遠望は効かないですが、周辺の山並みは楽しめます。このやせ尾根辺りは東側が開けています。すぐ近くにお隣の三国岳。それから蛇谷ヶ峰がよく見えます。 私はこの蛇谷ヶ峰を「贅沢絶景リアル琵琶湖テラス」と呼んでいます。この山頂からの景色は本当に素晴らしい!個人的にはびわこバレイ(蓬莱山・打見山)の琵琶湖テラスからの景色よりも、蛇谷ヶ峰山頂からの景色の方が全然いいと思ってます(^^) シチグレ峠から10分ほど急坂を上り詰めると、中央分水界の稜線、高島トレイルに突き当たりますので、山頂目指して右に進みます。 高島トレイルは気持ちのいい穏やかな稜線歩き。目の前に続く稜線…水が右に流れたら太平洋に、左に流れたら日本海に…と思うと不思議な感じがしますね。 岩場のロープ場なんかもある最後の急登を上り詰めたら、百里ヶ岳山頂です!出発してからおよそ2時間、8:15無事に百里ヶ岳山頂に到着です*\(^o^)/* そこそこの広さの開けた山頂ですが、展望は木々の間から望める程度です。晴れていればもう少しいい展望かもしれませんね。 ここは一等三角点の山。ありがたい、ありがたい☆ 稜線に出てから強い風が吹き荒れていたんですが、開けた山頂もかなり風が強いです。三角点横のスペースが比較的風が弱かったので、そこで店開きして朝食をいただきます(^^) 準備をしているとソロの男性が上ってきた。「雲海を見ようと思って小入峠から登って来たけど、今日はダメだな」とのこと。霧の発生条件は、「よく晴れた無風の寒い朝」なので、今日は真逆でダメですね。残念! 今日もゆっくり休憩したので、9:10下山します。 高島トレイルを歩き、百里新道の分岐をスルーして、そのまま根来坂峠に向かいます。 本当に歩きやすい気持ちのいい稜線!こんなに楽ちんでいーのだろーかと思ってしまうほどです。 山頂からおよそ40分の稜線歩きで根来坂峠に到着!いよいよここからは鯖街道を歩きます。 道標に従って、鯖街道を小入谷に向かって歩く。いやいや、街道とは名ばかりのバリバリの山道ですやん!(>_<) そりゃ普段歩いている登山道と比べると、整備もされてて歩きやすいですよ。でも道も細いし、アップダウンもあるし…ここを魚をいっぱい詰め込んだ重い背負子を背負って歩いたんですから昔の人はスゴいですね! 道中、時折展望もあります。西側も見えました。八ヶ峰が見えているようですが、丹波高地は同じような高さの山がズラズラっと並んでいるので、ちょっとわからないです(>_<)大江山も?東床尾山も望めるはずなんですが、今日は遠望が効きません。 鯖街道をおよそ1時間強歩いて、根来坂ルートの登山口に到着。ここからは林道歩き、そして舗装路を歩き小入谷の集落を抜けて行きます。 ようやく天気もよくなってきました。のんびりとした長閑な集落を眺めながらの気持ちのいい散歩です。 登山口からおよそ30分、11:25無事に駐車場まで戻ってきました*\(^o^)/* さて百里ヶ岳ですが…なんとも穏やかで癒される、優しい印象の山でした。 "百里四方を見渡せる"はさすがに誇大表現ですが、展望が無い山ではありません。道中や山頂は木々の間から、という感じですが、岩場のやせ尾根の辺りや高島トレイルからは、時折雄大な景色を眺めることができます。 またルートが豊富なのも魅力ですね。 今回利用した百里新道の他にも、上根来の集落からのルートや、小入峠から、また木地山峠からと、距離や時間、体力に合わせてルートを選ぶことも可能です。 それにしても百里新道は楽ちんルートでした(^^)美しいブナ林をのんびりと歩いて全く疲れないなんて、なんてステキなルートなんでしょ(≧∀≦) そして鯖街道… こんな言葉があります。「京は遠ても 十八里」 これは鯖街道を歩いた若狭の行商人の心意気を表す言葉で、「京の都が遠いと言ったって、たかだか72kmだろ?どーってことねーよ!」と言ったとか言わなかったとか…(^_^;) 新鮮な魚にひと塩振って背負子に詰め込み、それを背負ってひたすら鯖街道を歩いたわけです。 早朝に福井県の小浜を出発して、不眠不休で丸々24時間歩き続け、翌朝には京都に到着したといいます。いやはや昔の人はスゴい!これはマジ超人だわ… 根来坂峠から小入谷というほんの短い距離を歩いただけですけど、昔の人のスゴさを実感することができたのは貴重な体験でした☆ みなさんも百里ヶ岳で穏やかな美しい山と歴史を体感してみてはいかがですか?(^-^)/