赤く染まる農鳥岳
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夏の思い出…白峰三山縦走の写真

2021.08.28(土) 18:08

赤く染まる農鳥岳

この写真を含む活動日記

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16:50

25.2 km

2777 m

夏の思い出…白峰三山縦走

北岳・間ノ岳・農鳥岳 (山梨, 長野)

2021.08.28(土) 2 DAYS

白峰三山(南アルプス北岳、間ノ岳、農鳥岳)を縦走してきました!最高の天気の中、ずっと目標にしていた山行を達成できて、そしてそこでは素晴らしい景色と出会いがあって、僕の大切な夏の思い出になりました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー □山行目的 農鳥オヤジに会うこと!は半分冗談で、白峰三山を縦走出来たら多分自分の壁を1つ超えられるんだろうなと思って、ずっと目標にしてました。2800m登り、3500m下り、総コースタイム18時間、標高3000m越えでの長時間の稜線歩き、エスケープルートなし巻道なし、岩場ザレ場渡歩のフルセット、怖いオヤジ、めちゃくちゃくさいトイレ。土日の行程なら、有人小屋がある縦走路の中ではかなりの難易度だと思います。何度も延期してやっとつかんだ山行チャンス。今しかないと思い、ソロで行ってきました。 □山行ルート 駐車場 奈良田駐車場 GoogleMapの位置から少し手前です。間違ってます。MAX350台、無料。 1日目 奈良田〜広河原登山口までバス 1250円 広河原〜肩の小屋〜北岳〜間ノ岳〜農鳥小屋 2日目 農鳥小屋〜西農鳥岳〜農鳥岳〜大門沢小屋〜駐車場 めっちゃキツイです。行かれるなら覚悟を決めて下さい。2泊3日の行程をおすすめします。 □テン場 尾根沿いのテン場ですがめっちゃ広い。風を遮られるところは数か所あり。ベグ打てない(代わりに岩豊富)。冷えたビールの販売なし。水場は往復30分ほど(以下に位置情報記載)。景色は富士山や間ノ岳、赤石や荒川三山が見えてサイコー。1人1000円 □感想 多分、これ以上の山行はこの人生で数回味わえるかどうかと思えるくらいサイコーの山行でした。気持ちを込めてこの思い出を書き残します。 ・苦しかった山登りとその後の達成感 前日までは正直自信満々でした。甘く見ていました。まず広河原〜北岳までがめちゃくちゃキツイ。全然辿り着かないです。過去1番キツかった四国の瓶ヶ森の登りよりキツかった。しかも北岳から先は補給ポイントがないので水はフル充填して、食料も満載状態(多分ザックは17キロくらい)。でも北岳は序の口で、その先の間ノ岳がもっと辛いです。過去1番キツかった針ノ木岳〜種池山荘の稜線歩きよりキツかった。偽ピークにも山頂ポールがたっててどれが間ノ岳なんだと…。多分3週間くらいまともに身体を動かしていないのもあったかもしれないです。でも小屋に着いてみれば2時間くらいコースタイムまけてなんとかクリア。2日目は急坂の登りと2500mの下りでしたが体調が良く、予定通りに下山しました(最後のコンクリート歩きで足裏は逝きました)。 要は瓶ヶ森の登りと針ノ木の稜線歩きと池山尾根の激下りを足して1.2倍掛けした感じです。しかしこれを終えた達成感は何にも変えがたいものがあります。自分の身体はムキムキになったわけじゃないけど、確実に力がついてるんだと思えました。それは体力だけでなく、計画力やその日の危機管理含めてです。時期的にもう行けないかもですが、読売新道も後立山全山縦走も行けるかなと思えるくらい自信が着きました。来年仕切り直しが辛いなぁ!でも、この山行を達成出来たのは、道中での出会いがあったからです。 ・道中での出会い〜お姉さんとおじさん〜 私が北岳に登り、だめだったら引き返そうと思いながら間ノ岳の方へ足を踏み出したとき、ついさっき写真をとってあげたソロのお姉さんが間ノ岳の方へ躊躇なく向かい始めました。見るからに可愛げな女性で日帰り装備で大丈夫かなと思いましたが話を聞くと、農鳥小屋に小屋泊の予定のこと。負けられないという気持ち2割と下心8割で、一緒に稜線歩きを開始。これが歩き出すとめちゃくちゃ早い。さっきは余計なお世話だったなと思いつつ、私よりも早いので気持ちが吹っ切れました。半ば着いていく形で農鳥小屋に到着です! 道中、先行者におじさんがいて、我々が登っているときピークからひょっこり顔を出し、我々を確認するや否やすぐに次のピークに向かっていて、その様子が毎回滑稽で2人でケラケラと笑っていました。テン場に着いて話を聞いてみるとやはり我々を意識していたようで意気投合し、奇しくもソロ3名で酒盛りを開始(15mくらい離れてます)。詳細は省きますがめっちゃ楽しかった。山での一期一会ほど良いものはないですよね。 コロナ禍でだめなんだろうけど、農鳥小屋まで辿り着けるなら感染してないと判断しました。 体力のレベルが同じくらいで且つ、気の合うパートナーって中々巡り会えないですよね。それが3人も集まるなんて。下山は一緒に行動させて頂きましたが多分ソロだったら泣いてました。最後に連絡先を交換してお別れしました。本当にありがとうございました🙏(私は今、お姉さんのことで頭がいっぱいです笑) ・白峰三山を縦走した人にしか味わえないもの 山の景色は素晴らしいですが、苦しんで歩き抜いた先に見える景色は、達成感と相まって言葉を失う程美しいです。だから簡単に登れちゃう山はあまり好きではないです。北岳、間ノ岳、富士山、赤石、荒川三山、カイコマセンジョー、何もかも美しくてぼーっとしてました。しかも、こんな晴天なのに人が少ない笑。これはここまで歩いてきた人だけに味わえる特権です。白峰三山は今までで間違いなく1番の山でした。 景色に加えてここだけの特典は農鳥オヤジに会えることです。14時半に到着して褒めてもらえると思いましたが開口1番に説教されました。一方で同行したお姉さんは気に入られて新品の手ぬぐいを貰ってました。ただのセクハラ親父じゃねえか。「あまり変なことして怒らせるんじゃねえぞ」が口癖のようでなぜか嫌われてしまいました…。まぁ、オヤジが引退する前に会えたからオッケーってことで笑。 以上、僕の思い出を忘れたくなくて書きなぐりました。そろそろ夏山もおしまい。次の山は何を僕にくれるんだろうか。楽しみで仕方ありません。