ミヤマハンノキの実 戻る 次へ

2021_07 楽古岳(メナシュンベツ川コース)の写真

2021.07.23(金) 09:08

ミヤマハンノキの実

この写真を含む活動日記

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06:09

9.2 km

1181 m

2021_07 楽古岳(メナシュンベツ川コース)

楽古岳 (北海道)

2021.07.23(金) 日帰り

直行が愛した山、楽古岳。 以前から登りたいと思っていたが今年の5月にアポイ岳から見た楽古岳のトンガリを見て、より強く登行意欲が湧いて来た。 まゆさん企画山行でコイカクに登る予定をしていたが、日程の間違いで参加できなくなり急遽ポカンと予定が空いてしまった。 マッシーさんに楽古岳のお誘いを掛けると予定空いてるとのこと、よし行くぞ!と計画を立てる。 【記録・メモ】 ■早朝行動開始の為、マッシーさんと相談して前泊する。山荘の状況がわからないのでテン泊の用意をする。 ■7月22日、出張先から直行でマッシーさんにピックアップしてもらう。マッシーさんビジネススタイルで登場、なんか申し訳なく恐縮する。 ■登山口となる楽古山荘に向かって車で林道を走っていると山荘の2kmほど手前に「工事により立ち入り禁止」の看板が立っている。事前にインターネットで確認したが特にそのような記載は無かった。 ■祝日だから工事も休みと想定、鎖やロープが張っているわけではなく通行可能だったので山荘まで車で入る。 ■山荘は貸し切り状態で、山荘の記帳ノートを見るとしばらく利用されていない雰囲気。 ■床一面に転がる虫の死骸を履き掃除し寝床を確保。夕飯をとり雑談の後早めに就寝する。 ■7月23日、登山当日の天気は晴れ、シェラフを畳み5:00に小屋を出る。 ■登山ボックスの登山届に記載する際に履歴をみると7月20日記載があり、最近も登山者があったことになんかホッとする。 ■15分ほど川沿いの道を歩いて河原歩きとなる。 ■6回ほど渡渉を繰り返すことになるが川の水量は少なく飛び石も適所にあり登山靴で楽に渡渉可能、進路も適所にマーキングとピンテが付いており迷ことは無い。 ■6:08、河原歩きが終わり尾根に取り付く。 ■いきなり急登と登山者が少ないのか笹被りがひどい。 ■笹にクモの巣が張っており、油断すると顔にクモの巣が付く、しかも朝露でズボンが濡れ不快な気持ちでの登りとなる。 ■前回芦別岳でペース配分ミスをしてこむら返りで苦しんだ事を教訓に無理のない休憩と小刻みな水分とミネラルの補給を心掛ける。 ■しばらく笹とクモの巣の格闘が続くがC1150mで這松が多くなり笹は少なくなる。 ■この辺に来ると見晴らしも良くなり尖った山頂を視界に捉えることができる。 ■登りやすくなったが急登は変わらない。森林限界で遮る木も無く直接陽の光を浴びて暑い。 ■目指す稜線が視界に入っている。目標物が見えると登る気力も湧いてくる。 ■急登を登り切り8:05に這松が茂る稜線に出る。 ■這松漕ぎになるかと思ったが稜線は踏み跡がしっかりしており歩きやすかった。 ■稜線からマッシーさんに先頭行ってもらう。 ■振り返るとどっしりとした山容の十勝岳が聳えている、佇まいが立派な山だ。 ■近隣の山並みを眺めながら気持ちの良い稜線歩きを楽しむ。 ■小楽古岳(1365m峰)に続く稜線が美しい。 ■最後の急登を登り8:28山頂に出る。ぐるり360°のパノラマだった。 ■山頂には個性的なデザインの山頂標識が立っており、とんがったイメージから狭い山頂をイメージしていたが、意外と広々としていた。 ■古い山頂標識も残っており好きな感じの看板だ。 ■山頂標識の裏側にはアイヌと思われる二人の人物が彫り込まれている。想像だが楽古岳は古い地図でオムシャヌプリと呼ばれており、そこから双子をイメージした彫り物をしたのではないかと推測する。 ■可憐なオオイワツメクサを眺めながら貸し切りの山頂でおにぎりをパクつき、まったりする。 ■山頂は風も無くちょうど良い気温でいつまでも居れるぐらいの居心地の良さだった。 ■名残惜しいが9:05下山に入る。 ■下山も引き続きマッシーさんに先頭を行ってもらう、トレラン気質なのでスピードに乗るとドンドン下ってしまいそうなので適当な所で止まって欲しい旨を伝える。 ■稜線まではマッシーさんの姿は見えていたが這松帯を抜けるあたりから姿が見えなくなり、徐々に熊鈴の音も聞こえなくなった。 ■そのうち追いつくだろうと思っていただが、なかなか追い付かない。 ■ちょっと不安になってきてホイッスルを吹くも反応無し、尾根沿いなので迷うことは無いルートだが少し不安になってくる。 ■結局追いついたのは、もう直ぐで河原というところだった。話を聞くとアブとハチに追いかけられて止ると刺されそうで、ここまで下ってしまったとのことだった。 ■ここまでノンストップで追いかけてきたので下りだが汗を掻いて疲れた。二人で河原まで下りて休憩する。 ■川で顔を洗うとさっぱりした。 ■休憩後もサクサク下って計画より大幅に早く11:24登山口に着く。 ■山荘に向かう途中から重機の音が聞こえてくる。休みと思った工事が行われていた。 ■現場監督と思われる人に「工事につき立ち入り禁止って看板あったの見えなかった!」と注意を受ける。 ■「工事終わるまで通れないからね」と怒られる。 ■まいったなぁと思いながら仕方なく車で待機していると、現場監督と思われる男性がこっちに来いと手で合図している、実は優しい現場監督さんだったようで何とか通過できるよう重機を誘導してくれた。 ■お詫びと感謝のお礼を言って工事現場を通過する。おかげで無事林道を抜けることができた。 【後記】 下山後は温泉で汗を流し、昼食で立ち寄った三石の「漁」で食べた定食が予想以上に美味しく、「珍しいのが上がった」と言ってサービスで出してくれたゲンゲの煮つけもプルプルした触感で美味だった。 店を出た後、マッシーさんと顔を合わせて「当たりでしたね」とニヤリとした。 心もお腹も満たされて帰路に就いた山旅だった。 この山行の後、中札内にある坂本直行記念館に行き直行直筆の楽古岳の絵を観て来た。 登山家ならではの視点と素朴だが開拓民として自然と接してきたからこその自然への畏敬の気持ちが伝わる絵だった。 彼の書く山の絵を眺めていて、また登りたい山が出来てしまった。 直行の絵は山の絵も良いが児童書「サイロ」に寄稿した表紙絵や挿絵も心温まるほっこりした絵で素晴らしい。 眺めているだけで小さい頃の楽しい思い出を蘇らせてくれた。