投稿日 2020.09.09 更新日 2020.09.24

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榛名山 | 上毛三山の一座。自然と名湯・伊香保を堪能する

榛名山はカルデラ湖である榛名湖を外輪山が取り囲んだ群馬の人気スポット。登山者だけでなく多くの観光客を集めます。周辺には伊香保温泉に榛名神社などがあるので、オススメ登山ルートと一緒に紹介します。

目次

群馬県のほぼ中央、利根川をはさんで赤城山と対峙する活火山が榛名山。妙義山、赤城山とともに「上毛三山」と呼ばれ、1年を通じて数多くの登山者や観光客がやってくる群馬の人気スポットです。赤城山と同様、カルデラ湖である榛名湖を外輪山が取り囲み、ロープウェイを利用すれば、登山経験のない人でも榛名富士の山頂に立つことができます。

火山だけあって温泉も多く、湖畔の榛名湖温泉は登山後に汗を流すのに最適。また、東麓にある伊香保温泉は、草津温泉などとともに群馬が誇る全国屈指の名湯です。南麓には、強力なパワースポットとして近年、人気急上昇の榛名神社もあり、ぜひ1泊して登山と観光をセットで満喫したいエリアです。

落葉広葉樹の森に包まれ、新緑・紅葉の美しさは格別

榛名山の名は総称。カルデラ中央の溶岩ドームである榛名富士(1,391m)と榛名湖を中心に、最高峰の掃部ヶ岳(かもんがだけ・1,449m)や天目山(1,303m)、相馬山(1,411m)など10を優に超える外輪山、そしてユウスゲ咲く沼ノ原湿原(ゆうすげの道)で構成されています。これら外輪山は自然林に包まれ、年間を通じて広葉樹林ならではの美しさを見せてくれます。

なかでも新緑時や紅葉時の彩りは必見で、一度歩けばファンになること間違いなしでしょう。各外輪山にはそれぞれに楽しいコースが作られていますが、せっかくなので最高峰の掃部ヶ岳へ。山頂から峠に下り、湖畔へと戻るコースを紹介します。

【榛名山】標高1,449m(掃部ヶ岳)

きみさんの活動日記より/硯岩からの榛名湖と榛名富士、外輪山

DATA
グレード:初級 
日程:日帰り 
歩行時間:5時間 
歩行距離:9.6km
累積標高差:登り880m・下り880m 
登山適期:4月上旬~11月下旬
アクセス/JR上越新幹線・高崎線高崎駅から群馬バスで榛名湖バス停へ(1時間25分)。マイカーは関越道渋川伊香保I.C.から国道17号、県道35・33・28号等経由で榛名湖畔へ(約23㎞)。数箇所ある高崎市営の無料駐車場を利用。

【榛名山オススメ登山コース】展望広がる自然林の尾根を歩き、杖の神峠から湖畔へ


榛名山最高峰の掃部ヶ岳へは、県道28号上の掃部ヶ岳・硯岩登山口から硯岩を経由するコースと、榛名湖畔の宿記念公園からの最短コースがあり、両者を組み合わせれば2時間半弱で周回できます。時間にゆとりがあれば、掃部ヶ岳から西に進んで杖の神峠や杏ヶ岳まで足を延ばせば、より充実した登山となるでしょう。初心者でも充分登れる山ですが、途中の木段が歩きづらくなっていたり道が笹でかぶっている箇所は要注意です。

じんたさんの活動日記より/好展望の硯岩の上でひと休み

榛名湖バス停から徒歩15分ほどで、榛名林間学校榛名湖荘脇の登山口へ。ここから榛名湖風致探勝林の中をゆるやかに登り始めます。やがて、掃部ヶ岳(左)と硯岩(右)を分ける稜線上の分岐に。ここはいったん右へと100mほど登り、展望の優れた硯岩へ向かいます。榛名山随一の展望地ともいわれる岩上からは、榛名湖や榛名富士、相馬山などの外輪山、沼ノ原湿原といった山域の全貌が見渡せます。ただし絶壁なので端には近づかないように。

台北walkerさんの活動日記より/木段は土の流出により歩きづらくなっている

去りがたい展望地から分岐へと戻り、尾根伝いに登っていきます。登山道の両側はクマザサに覆われ、ミズナラやカエデの森は新緑の頃、ため息が出るほどの輝きを見せてくれます。春ならあちこちにオオカメノキ(ムシカリ)の白くかわいらしい花が。

へるにゃんさんの活動日記より/榛名山最高点・掃部ヶ岳山頂

掃部ヶ岳への登りは木段の道が続きますが、降雨により土が流れ出して段差が崩れ、歩きづらくなっています。その際は脇につけられた道をたどりましょう。スリップしないよう注意しながら高度を上げ、榛名湖畔の宿記念公園からの道を合わせれば、ほどなく掃部ヶ岳の山頂。ここからは南側の眺めが広がっています。

gontaさんの活動日記より/鷲ノ巣山~杏ヶ岳間に咲くレンゲショウマ


gontaさんの活動日記より/樹林の中の杏ヶ岳山頂

ひと休みしたら、南西へと杏ヶ岳(李が嶽。すもうがたけ・すもんがたけ・すももがたけ)方面に続く登山道を一気に下り、地蔵岩、掃部ヶ岳西峰から稜線を小さくアップダウンしながら標高を落としていきます。耳岩、杖の神の頭を過ぎて一気に下降すれば、舗装された林道が横切る杖の神峠。ここからそのまま下ってもいいのですが、もし8月中~下旬だったら南の尾根筋にある杏ヶ岳(1,292m)に足を延ばしてみましょう(往復1時間40分ほど)。淡紫色に咲くレンゲショウマにきっと出会えるはずです。

なぁさんの活動日記より/杖の神峠からの林道歩き

杖の神峠に戻ったら、掃部ヶ岳の南側斜面に造られた林道を西へと下っていきます。森に包まれた道は3㎞ほど。湖畔までのんびりいきましょう。湖畔に近づいたら、榛名湖畔の宿記念公園方面へと左に入れば大きく時間短縮できます。

最後に近年、榛名山エリアでの熊出没が増えています。平日の単独行では鈴などの熊除け対策をとること、夕方~夜間、早朝の歩行は避けるようにしましょう。

榛名山 | その他のコース

榛名山の外輪山にはそれぞれに登山コースがありますが、オススメは天神峠バス停をスタートして天神峠~氷室山~天目山~七曲峠~松之沢峠~磨墨峠~相馬山と南側の外輪山を縦走し、沼ノ原湿原(ゆうすげの道)を経由して周回するコース。ほぼすべてが自然林に囲まれ、新緑と紅葉の頃は絶品です。コースタイムは約4時間30分。相馬山には鉄バシゴやクサリ場があるので、ここを割愛すれば1時間ほど短縮できます。なお急な天気悪化の際は、七曲峠、松之沢峠、磨墨峠が短時間でエスケープ可能です。

榛名富士山頂からの眺め(左奥は赤城山)

ロープウェイを使わずに榛名富士に登るコースも森好きにはオススメです。歩行時間は、出発点のビジターセンターから山頂まで40~50分と短時間ですが、それほど傾斜の強くない落葉広葉樹の森歩きが堪能できます。

榛名山のとっておきの観光情報 | 温泉・グルメ・文化・歴史

榛名山と赤城山は標高こそ違うものの、火山としての成り立ちもカルデラ湖を中心とした地形もそのスケール感もよく似た山域といえます。歴史・文化やいで湯、グルメ…、赤城山エリアと比べてみるのも楽しそう。

【温泉編】伊香保温泉の象徴、石段街にある日帰り温泉施設

平成15年にリニューアルオープンした石段の湯*

■伊香保温泉 石段の湯
365段の石段を中心に温泉街が広がる伊香保温泉は、草津温泉と並び群馬県、いや日本を代表する名湯の一つ。石段の94段目にある「石段の湯」は、昭和50(1975)年創業の日帰り温泉施設(男女別内風呂)。伊香保温泉の源泉は古くからある黄金の湯と近年発見された白銀の湯の2種類で、「石段の湯」は黄金の湯。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉で、子宝の湯とも呼ばれています。

【グルメ編】伊香保名物の手打ちうどんと温泉まんじゅう

コシの強さとのど越しのよさが魅力の水沢うどん*

■水沢うどん
香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどんなどとともに日本三大うどんの一つと数えられることもある伊香保町水沢の手打ちうどん。五徳山水澤寺付近で参拝客向けに提供したのが始まりとされています。榛名山麓の良質の水と小麦粉、塩だけを用いて打つ麺は、若干細めで強いコシと透明感が特徴。のど越しの良さを堪能できる冷たいざるうどんがおすすめで、つけ汁はしょうゆだれやゴマだれなど。群馬県内の土産店やスーパーではパック詰めの冷蔵生麺や乾麺を販売しています。

100%国産食材を使用し、無添加で作るこだわりの温泉まんじゅう*

■湯乃花まんじゅう
温泉土産の定番といえば、小ぶりで茶色い温泉まんじゅう。全国の温泉地にありますが、発祥は伊香保温泉といわれています。考案したのは明治43(1910)年創業の勝月堂初代店主、半田勝三氏。伊香保温泉の茶色い湯花をイメージし、皮に黒砂糖を使ったまんじゅうを作り、「湯乃花まんじゅう」の名で売り出しました。創業以来変わらぬ手作りの「湯乃花まんじゅう」は、弾力がありながらも柔らかい皮に甘さ控えめのこしあんがたっぷり詰まった上品な味わいです。

【文化・歴史編】歴史に彩られた観音堂と木の温もり感じるこけし工房を訪ねる

釈迦三尊蔵、六地蔵尊、千手観音の3種類の御朱印がいただける*

■水澤観音
水沢山東麓にある五徳山水澤寺は、「水澤観音」の名で親しまれる天台宗の寺院で、坂東三十三ヶ所の十六番札所となっています。現在の観音堂(市重要文化財)は天明7(1787)年の再建で、近世建築特有の華麗さと中世建築様式の面影を残す五間堂です。本尊の十一面千手観世音菩薩は平安時代末期に造られた木造で、国司高野辺家成公の三女で高光中将の妻、伊香保姫のご持仏であったと伝わっています。七難即滅七福即生(あまたの災難は消滅し多くの福に転じる)のご利益があるとか。

東北の伝統こけしに対して近代こけしと呼ばれる*


絵付け体験でオリジナルのこけし作りにチャレンジ!*

■卯三郎こけし
榛名山東麓に開けた榛東(しんとう)村には「卯三郎こけし」の工房があります。昭和25(1950)年から制作を始めた創業者の岡本卯三郎は、ろくろ技術に加えて特殊機械の技法を取り入れ、筆による絵付に彫刻や焼き絵を融合させた技法を開拓。クリやケヤキの美しい木目に着目し、加工法に取り組みました。現在も初代からの匠の技を伝承している「卯三郎こけし」は、おかっぱ頭に円みを帯びた胴体など、こけしの形状にとらわれない自由さが特徴で、そのデザイン性が海外でも高く評価されています。工房では製作行程の見学や絵付け体験ができます。

【教えて、榛名山の魅力!】榛名観光協会の小林信彦さんに聞く「榛名山の遊び方」

榛名湖バス停近くで食事処・お土産店「大蔵坊こばやし」を経営する小林信彦さんは、榛名観光協会の中心メンバーであり、榛名公園ビジターセンターの運営にも携わる榛名山の達人。湖畔に暮らす小林さんならではの視点から榛名山の魅力を語っていただきました。

-登山者にとって榛名山の魅力はどんなところにありますか
小林:ここはカルデラ地形になっていて、登山の対象は数多くの外輪山や側火山になりますが、榛名湖を囲む同じエリアにありながら、鉄バシゴやクサリのある相馬山、広葉樹の美しい森を登る掃部ヶ岳など、それぞれが異なった顔を持っていていくつもの楽しみ方があることでしょうか。東京から100㎞とそう遠くないうえに、いろいろなタイプの山があるので、新品の登山用具を試すためにやってくる登山者も多いですよ。
-さまざまな目的の登山者が遊べる山ということですね

小林:たとえば、ここは積雪がそれほど多くないので、雪山を体験してみたいという方にもオススメです。どのコースを歩いても、榛名湖が常に間近に見えているので、雪の降る厳しい季節でも安心感は高いですね。安心感でいうと、榛名山はトイレの数も自慢です。湖畔を中心に10カ所あるうえに、各コースから短時間で下れるので、女性登山者も比較的安心です。トイレのお陰かどうか、榛名山には山ガールが多いですね。

-榛名湖というとワカサギですか
小林:食べるということですとワカサギ定食はもちろん自慢ですが、最近の榛名湖畔の飲食店のブームはカツカレー。各店がそれぞれに工夫を凝らしていますので、ぜひ一度、食べてみてください。カツカレーではないのですが、私の店ではオリジナルの「メンコロ」(メンチ+コロッケ)を販売していますので、小腹の空いたときやおやつにご試食いただければうれしいです。

-登山後に立ち寄りするとしたら
小林:まずは、何といっても榛名神社ですね。パワースポットとして人気ですが、巨岩や巨木、本殿の荘厳さにはとにかく圧倒されます。早めに下山し、時間に余裕を持って寄り道したい場所です。ちなみに私の店の「大蔵坊」の名も、かつて参道で営んでいた宿坊の名をそのまま使っているものです。

1400年を越える歴史を持つ榛名神社*


山城さんの活動日記より/沼ノ原湿原に咲くユウスゲ

温泉では東麓に名湯・伊香保温泉がありますが、すぐに汗を流せる湖畔の榛名湖温泉もオススメ。ユウスゲやレンゲツツジ、マツムシソウなどが咲く「ゆうすげの道(沼ノ原湿原)」の木道散策も楽しいですよ。

*=画像提供「ググっとぐんま」(群馬県観光物産国際協会)
協力:群馬県観光物産国際協会

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