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おすすめ登山テント5選|人気登山用品店店長が最新テント事情を徹底解説!
「最新の軽量テントの耐久性は?」「やっぱりみんなが使っている定番がいいの?」。初心者ならその悩みもなおさらです。そこで、購入の決め手となる「テントの形・価格・仕様・重量」について徹底解説! アドバイスをいただいたのは、国内最大級の売り場と品揃えを誇る登山用品店「Alpen Mountains(アルペンマウンテンズ)」一社店(いっしゃてん)の廣瀬店長。登山テントに詳しいプロが、山で確実に使えるテント5選とともに紹介します。いつもお店にいるからこそ語れる「ユーザー目線」のアドバイスは必見です。
はじめようテント泊|登山テントの選び方、おすすめアイテム、活用アイデア #03/シリーズ一覧はこちら
目次
登山テントを選ぶ上で押さえておきたい代表的な形状
登山テント購入の際、まず把握しておくべきことは「テントの形状」について。形状を把握しておけば、おのずと選ぶ範囲も限定され、自分にぴったりのテントが見つけやすくなります。それでは、形状にはどの様なものがあるのか?早速、廣瀬店長にお伺いしてみましょう。
廣瀬:テントは、大きく分けて3タイプに分類できます。特徴を把握し、自分の登山スタイルに合わせて、どういったものが向いているのかを考えることが重要ですね。また、テント本体にポールを設置するだけで内部のスペースが確保できるドームタイプの様な「自立型」と、テント本体にガイラインを設置することで、内部のスペースが確保できるワンポールタイプの様な「非自立型」があります。その点も選ぶ上で気にすると良いでしょう。
<ドームタイプ>
廣瀬:基本的には2本のフレームを使ったクロス構造で、フレームをセットすることにより自立します。簡単に設営できる最もベーシックな形状のテントと言えるでしょう。対候性(耐風性、耐水性など)に優れ、テント内の空間も広いため、居住性が良いのも特徴です。テント泊初心者から上級者まで、最も扱いやすく人気のタイプです。
<ワンポールタイプ>
廣瀬:1本のポールとガイライン、ペグを使い、室内空間を作るタイプ。自立式ではありません。専用ポール以外に、トレッキングポールなどを使用しての設営も可能な為、装備を軽量化できるのがメリットです。本体はフロアレスのもの(インナーテントがなく、テント内部に地面が露出しているもの)も多くあります。グループ登山の際に大きめのものを持参し、ミーティングスペース(宴会テント)として使用する方もいらっしゃいます。
<超軽量ULタイプ>
廣瀬:軽量コンパクトを追及したファストパッキングに適したタイプです。モノポール(1本のフレーム)を使用したタイプではカミナモノポール2などが代表的。「ツェルトでは居住性がイマイチ」「テントが欲しいけど、とにかく軽いものを探している」といった方や、テント泊に慣れている方に人気です。「休む」という用途に特化し、極限まで室内空間を狭く、高さも低くしたしたモデルなどもありますね。
ダブルウォールとシングルウォール、対応シーズンについて
テントの主要な形状を把握した次は、主だった仕様についても抑えておくことも重要です。続いては、よく耳にする「ダブルウォールとシングルウォール」、そして「対応シーズン」について、お聞きしてみました。
<ダブルウォールとシングルウォール>
廣瀬:まずは、ダブルウォールとシングルウォールの違いについて説明していきましょう。それぞれ、軽さや快適性などに違いがあるので、メリットとデメリットを把握しておくことをオススメします。
ダブルウォールは、通気性・透湿性に優れた生地で作られたインナーテントと、耐水性に優れたフライシートからなる2重構造のもの。本体となるインナーテントに透湿性があるため、蒸れ・結露をしにくく、快適なのがメリットです。降雨時はフライシートが内部への水の侵入を防いでくれます。また、前室が設けられているのも特徴で、登山靴や荷物の置き場として利用可能です。一方で、2重構造だからこその重さと設置の煩わしさを感じる方もいらっしゃいます。
一方シングルウォールは、防水透湿性のある素材で作られた1重構造。ダブルウォールに比べ、軽量で設営が簡単なメリットがあります。ただし、防水と透湿を両立させたるため、ダブルウォールに比べて蒸れやすく、結露しやすいというデメリットも。また、前室がないものも多く、居住スペース内に荷物を収納しなくてはなりません。一部テントでは、シングルウォールに前室をつくるため、別売のパーツなどを利用している方もいらっしゃいますね。
<対応シーズン>
廣瀬:登山テントには「3シーズン」モデルと「ウインターモデル」があります。3シーズンとは、春〜秋のことで、大半のテントはこのタイプ。通気性・透湿性に優れ、暑い時期でも快適に過ごせる様に工夫されています。一方でウインターモデルは、気密性を重視しており、保温性に優れているのが特徴です。
また、「レインフライ」と「スノーフライ」の2種類のフライシートを販売しているタイプもあり、使い分けによって、年間使用が可能となっています。
商品によってはスノーフライや内張りなどのオプションが販売されており、通年にわたって使えるものもある。写真はfinetrackカミナドームとそのオプション品。左から、スノーフライ・本体(3シーズン用のレインフライ装着)・内張り
コスパ? 重量? 登山テント選び、みんなは何を重要視している?
さて、ここまでテントの代表的な形状と仕様について見てきましたが、購入時に気になる点はやっぱり「どんな登山テントが人気で、周りのみんなは何を基準に選んでいるのか」ではないでしょうか? ここからは廣瀬店長に「タイプ」「サイズ」「重量」「シーズン」「価格帯」について、最近のトレンドをお聞きしたいと思います。
ご自身でもスノーボードやバックカントリースキー、登山を趣味にするなど守備範囲は多岐にわたる廣瀬店長
【タイプ】「ドームタイプ・自立式・ダブルウォール」がダントツ人気
廣瀬:テントには、ここまでで紹介してきた様に大別して3つの形状がありますが、お客様のニーズは圧倒的にドームタイプに集中しています。具体的には、ダブルウォールの自立式が人気です。今市場に出回っているテントを見ると、ドームタイプのダブルウォールが大半。この理由は、ドームタイプが日本の山に最も適しているためです。一番ベーシックで安心して快適に使えるタイプを多くのお客様が選ばれているのだと思います。
ダブルウォールタイプはメインテントとフライシートの間を風が通るため、高温多湿の日本の気候に向いている。写真はNEMO ATOM2P
【サイズ】「1人用テント」への注目が上昇傾向
廣瀬:サイズについては、最近ちょっと流れが変わってきているのかな?という印象です。以前は2人用を買われる方が非常に多かったのですが、最近は、1人用を買われる方も少しづつ増えてきていますね。
これは、コロナウイルスの感染拡大が一因かと思います。ソロ登山が増えていることもありますが、グループで登っても、テントはそれぞれというスタイルが潮流になってきている様です。2人用を購入して広めに1人で使用する方も多くいらっしゃいます。
【重量】「2kg以下」へのニーズが圧倒的
廣瀬:テントを選ばれる上で、やはり多くのお客様が気にされるのは重さです。2kgが判断の目安になっている様です。一方で、シングルウォールのテントや、超軽量のテントを探しているお客様は、ツウな方。主にUL系の登山やトレイルランニングをされる方が選ばれています。
【シーズン】「3シーズンモデル」にニーズが集中
廣瀬:シーズンについては、やはり冬山をやられるお客様はごく少数。大半のお客様は、3シーズンのタイプを選ばれます。
【価格】相場は「5〜6万円台」
廣瀬:主に初心者の方が求められるのは、5〜6万円台が相場です。特にデザインやブランドのこだわりがあったり、機能性を追求されるお客様は、もちろんそれ以上の価格帯の物を購入される場合もあります。
YAMAP・Alpen MountainsのSHOPスタッフが推薦! 後悔しない登山テント5選
それでは、いよいよ廣瀬店長とYAMAPがオススメする登山テントについて紹介していきたいと思います。今回は、廣瀬店長オススメのテントが3つに、YAMAPが運営する「YAMAP STORE」がオススメするテント2つを加え、計5つのテントをご紹介。初心者にオススメのものから、デザインにこだわったもの、とにかく軽いものなど、その特徴は様々。きっと、気になる一品が見つかるはずです。
※価格は、Alpenグループ公式オンラインストア(ATOM2P/Mountain Shot2/TANI2)、もしくはYAMAP STORE(カミナドーム2/カミナモノポール2)に掲載されている公開時点のものとなります。あらかじめご了承ください。
<廣瀬店長オススメ>
価格と機能を兼ね備えたコスパ◎のエントリーモデル「NEMO ATOM 2P」
【収容人数】最大2名
【重量】1.58kg(インナーテント・ポール・フライシート・収納袋・ガイライン・ペグ含む)
【タイプ】ダブルウォール
【シーズン】3シーズン
【価格】¥43,450(税込)
廣瀬:軽さ、居住性、設営のしやすさ、耐久性、価格。全てのバランスが良くファーストテントに最適。私の在籍するお店でも一番人気のモデルです。また、インナーテントの前面下部と背面上部の2箇所にメッシュパネルがあるため効率的に空気循環ができ、熱がこもりにくいのも特徴。インナーテント出入り口が長辺側にとってあるので、広く開閉できるのも魅力ですね。
また、台形の前室はスペースも広く、荷物や靴がおけるので居住スペースを圧迫しません。前室上部にはベンチレーションがあるので、雨天時の調理でも換気がとりやすく、湯気が籠りにくいのも嬉しいポイントです。
<廣瀬店長オススメ>
出入り口が2箇所あり、デザインも秀逸! 「THE NORTH FACE Mountain Shot 2」
【収容人数】最大2名
【重量】1.59kg(インナーテント・ポール・フライシート・収納袋・ガイライン・ペグ・フットプリント含む)
【タイプ】ダブルウォール
【シーズン】3シーズン
【価格】¥61,600(税込)
廣瀬:左右両側に出入り口があるため、2人使用時にはとても便利。それぞれの出入り口に前室があるのも使いやすい設計だと思います。また、出入り口が2つあるだけに、風通しの良さは抜群です。
一般的なクロスポールに加え、ルーフポールを採用した3ポールフレーム構造で上部の空間が広くとれるため、圧迫感が少ないのも特徴。また、このモデルはフットプリントがセットでついてくるのも嬉しいところです。ノースフェイスらしいデザインも秀逸。黄色で目立つし、2つの出入り口を広げたときの形も珍しく、人と違うものを求めている方にはオススメですね。
<廣瀬店長オススメ>
妥協しない登山者用! 高性能テント「NEMO TANI 2P」
【収容人数】最大2名
【重量】1.18kg(インナーテント・ポール・フライシート・収納袋・ガイライン・ペグ含む)
【タイプ】ダブルウォール
【シーズン】3シーズン
【価格】¥63,800(税込)
廣瀬:とにかく軽いし使いやすい。軽量性、携帯性、居住性、設営のしやすさなど全ての面で優れており、妥協をしたくない3シーズン対応テントをお探しの方におすすめです。優れたベンチレーション機能を搭載しており、夏場の暑さや蒸れの中でも快適な住空間を作ることができます。海外メーカーではあるんですが日本の山岳環境に合わせて設計しているとのこと。
ただし、軽量性を高めるということは、生地が薄くなるということ。テントの取り扱いに慣れた方にオススメしたいモデルです。
<YAMAP STOREオススメ>
タフさと軽さと快適性を兼ね備えた国産テント「finetrack カミナドーム 2」
【収容人数】最大2名
【重量】1.46kg(インナーテント・ポール・フライシート・収納袋・ガイライン・ペグ含む)
【タイプ】ダブルウォール
【シーズン】オールシーズン(冬季用のスノーフライは別売)
【価格】¥68,200(税込)
YAMAP STORE:国内アウトドアブランド「finetrack」が優れた繊維技術を注ぎ込み、作り上げた最高傑作です。軽量なテントは耐久性が強くないものも多いのですが、このモデルはテンションがかかるポイントを超高強力ポリエチレンテープで補強しているため、強度が大きく向上しています。
また、スノーフライが別売で用意されているため、オプションとして買い揃えれば、1年間にわたって活用できる点も魅力的。丈夫で軽く、年間を通してヘビーユースできるため、山好きのニーズに応えてくれる一級品です。
<YAMAP STOREオススメ>
驚異の超軽量990g!ハードユースのモノポールテント「finetrack カミナモノポール 2」
【収容人数:最大2名
【重量】0.99kg(本体・ポール・収納袋・ガイライン・ペグ含む)
【タイプ】シングルウォール
【シーズン】オールシーズン
【価格】¥53,900(税込)
YAMAP STORE:これまでなかった新しい発想で作られた超軽量テントです。極限まで軽くするため、使用するポールは1本のみの非自立式でシングルウォール。しかしながら、独自の構造により、クロスポール構造のドームタイプと遜色ない室内空間を作ることに成功しています。しかも、シングルウォールにも関わらず、前室が備わっている点も大きな特徴。
1kgを切る超軽量のシングルウォールかつモノポールながら、ダブルウォール・クロスポールに近しい快適性を担保できている注目のモデルと言えます。普通のテントに不満がある上級者の方にぜひ使って頂きたいモデルです。
Alpen mountainsなら「試せる」「相談できる」「楽しめる」
Alpen mountains一社店の店頭にあるクライミングウォール。クライミングシューズなどのテストも可能
「実際にテントを買う前に一度、実物を確認したい」「購入時に使い方を店員さんに教えて欲しい」という方も多いかと思います。そんな時にオススメしたいのが、Alpen mountainsのショップ。
廣瀬店長が在籍している一社店は、愛知県名古屋市にあり、280ブランド、5万点のアイテム数を誇ります。テントのみならず、マットや登山靴、ウェアなど様々なギアを試用できるので、ぜひとも訪れたいところ。スタッフさんも多種多様で経験豊富なギアマニアの方から、登山歴数十年のベテラン、登山ガイドの有資格者まで在籍しており、親身になって相談に乗ってくれるとのことです。
常時10種類のテントが陳列されており、室内空間や天井の高さなどを実際に体感することができる
また、最近では「Alpen Group公式オンラインストア」で購入した商品を店頭で受け取れるサービスも開始したとのこと。「オンラインで購入して店頭で使用法を教えてもらう」といった使い方もできそうです。
Alpen mountainsは一社店の他、東京都練馬区関町の「練馬関町店」が現在営業しています。また、全国各地のAlpenグループ系列店でも登山道具の購入やスタッフへの相談、オンラインストア購入商品の店頭受け取りは実施可能です。ぜひ、お近くの店舗に出かけてみてはいかがでしょうか?
Alpen Outdoors/Mountains各店の情報はこちらから
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YAMAP MAGAZINE 編集部
登山アプリYAMAP運営のWebメディア「YAMAP MAGAZINE」編集部。365日、寝ても覚めても山のことばかり。日帰り登山にテント泊縦走、雪山、クライミング、トレラン…山や自然を楽しむアウトドア・アクティビティを日々堪能しつつ、その魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと奮闘中。
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