活動データ
タイム
05:53
距離
6.0km
のぼり
503m
くだり
514m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る今回来島のメインイベントである桴海於茂登岳。 順調にいけばウマヌファ岳(馬の鞍岳)も踏もうという予定です。 YAMAP地図ではヤエヤマヤシ群落あたりからのコースがあります。 しかし、石垣のオヤジであり親友であるyoshitakaさんが途中まで経路を把握されていて、その分岐まで案内してくださるということなので、荒川のカンヒザクラ自生地の碑があるパーキング横から登り始めることに。 少し胸騒ぎを抱きながら、パーキング横の階段から登山道に入る。ヤマビルやハブ、ムカデやヤスデ、イノシシなど冬だからといって危険な生物に遭遇しないとは限らない。 ただ気温は20℃前後と低いので、そのようなリスクは少なそうではある。 しかし余り情報がないために、下手をすれば道迷いの危険は大きい。低山だからといっても様々なリスクが想定されるので注意深さが求められる。 ドキドキしながらyoshitakaさんの案内で歩く。早速想定外のリスク、イノシシ捕獲用の罠にyoshitakaさんがハマってしまった。 手で外すことができ、怪我をするようなものではなかったが、気分的に歩きづらくなる。 その後いくつかの罠を回避しながら、分岐点に辿り着く。 沢の方へおりる直進ルートと、さらに登って行く左ルート。 案内してくださったyoshitakaさんは体力的に自信が無いとのことで、周囲の森を探検してくるとのことで、ここでお別れ。下山するまで定期的に連絡を取りながら進むことに。 さあここから単独での山行き全くの未知の世界。こまめにテープが巻かれていて、なんとか行けそうな感じ。 順調に歩いていると、何となく重要そうな分岐点。 看板はない。 迷ったが真っ直ぐなルートをとる。 しかし少し行くと下りになっていて、テープはあるが何となく道が荒れているような気がして不安になり、先ほどの分岐まで戻り、誘導ロープが張られていて道が良い左ルートに軌道修正。 渡渉したり藪漕ぎしたり岩を潜りながらもテープはあった。その先にたどり着いたのは足がすくむような露岩の展望ポイント。 おそらく余り知られていない絶景に出会えたことに喜びが込み上げる。於茂登岳から川平、米原方面が高い位置から一望できる。しかし強風で撮影しながら立っているとふらついて落ちてしまいそうで恐い。 yoshitakaさんに電話して、素晴らしい景色に出会えたことと、順調にいっていることを伝えた。 ここから山頂に道は続いているはずだと思い込んでいた。 しかし、少しテープを追いかけながら進むが、テープを見失ってしまった。リュウキュウチクとアダンとイバラの薮をかき分けながら進まなければならなくなる。 足元が見えない。 GPSを頼りに山頂の方向へひたすら藪漕ぎかなり進んできてしまったので、引き返すこともできず薮をかき分ける。岩の周りはアダンが足の踏み場もないほど茎が張り巡らされている。 "あきらめたらアカン"と心の中で呟きながら藪を漕ぐ。時折身体やザックに柔軟なリュウキュウチクやアダンやツルが絡みつき前進が困難になる。 無駄な力を使って疲労を増し加えないように丁寧に束縛を解く。 下の方で拾った木の枝を杖にして、藪をかき分け、山頂の方向を見失わないようにGPSで見ながら、藪の密度の比較的濃くない方向を選んで進みます。 谷が見えたのでそこに下りればどこかの道に当たるかもしれないし、比較的進みやすくなるのではないかと判断して、やっとの思いで下りてみる。 しかしその希望は打ち砕かれた。 谷には巨岩がゴロゴロで、まともに通ることができる道は無いようだ。岩の隙間から下を覗き込むと3、4メートル下に水の流れを確認。そこまで下りてしまうともう上がれなさそう。転落のリスクもあるので岩を渡りながらもう一度尾根を目指す。 拾った杖があって良かった。 あとで軌跡を見て気づいたが、そのままもう少し下っていれば、道があったようだ。 相変わらずひたすらの藪漕ぎにだんだんと疲労の色が濃くなってゆく。 "いや、あきらめてはいけない"と自分を奮い立たせながら進む。 "遭難なんかしてたまるか" 心配や迷惑をかけてしまう。あきらめるわけにはいかない。 藪をかき分け、アダンが蔓延っていない岩の上で、リュウキュウチクに囲まれ、まったく視界が閉ざされながら水とおにぎりを食べて少し休憩。yoshitakaさんに電話をかけてみるが、繋がらない。岩の上に立つと左斜め前に桴海於茂登岳のピーク、右後方にはウマヌファ岳。 "あそこまで藪漕ぎでは行かれへんなぁ…" ここで、登頂をあきらめる決意をする。 ヤマレコでヤシ林からの軌跡をダウンロードしていたその方の軌跡に合流するため、少し傾斜のきつい谷を下りた。 するとそこにあった細い木に赤と黄色のテープが巻いてあった。 何とも言えない安堵感に包まれる。 ここを左にいけば山頂。右に行けば下山ルート。 そこから山頂を目指す気力は無かったので、迷うことなく下山ルートへ。 ずっとテープがある。 "ありがたい" 狭い道だが藪漕ぎよりは数十倍マシである。 少し行くとウマヌファ岳とヤシ林下山ルートの分岐の沢。 次に来た時は問題なく二つのピークを登頂できるだろう。 人を待たせていることもあって、迷わず下山。 ここからは迷うこともなく、知花食堂前までたどり着き、yoshitakaさんと連絡をとりピックアップしていただいた。 壮絶な藪漕ぎで登頂はあきらめ、目的は遂げられなかった。しかし、大袈裟かもしれないが無事に下山できたことで、すべてをポジティブに受け入れることができる。 まず体力や精神力が鍛えられた。また貴重な教訓も学べた。 あきらめずに忍耐して歩き続けること、慎みをもって登頂をあきらめること。 とても印象深い山行きとなりました。
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