投稿日 2024.07.19 更新日 2024.08.01

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子どもたちに、地球とつながるきっかけを|YAMAP初の自然教育プログラムを深掘り

「地球とつながるよろこび。」をパーパスに掲げるヤマップが、2013年の創業から抱き続けてきたひとつの夢。それは、『未来を担うこどもたちに自然体験を届けること』。コロナ禍によって一度は中断してしまったYAMAPの自然学校プロジェクトが今年、再び動き出します。

その名も「YAMAP KIDS CAMP(ヤマップ・キッズ・キャンプ)」。記念すべき初回は、ヤマップのお膝元九州の長崎県・雲仙で開催。YAMAP専属ガイド・ひげ隊長の監修のもとに企画された、大自然を全身で感じるアクティビティプログラムをお届けします。

本記事では、YAMAPが自然学校に込める想いや、雲仙で開催される第1回プログラムの詳細を深掘りしていきます。

目次

こどもたちに、地球とつながるきっかけを届けたい

デジタルデバイスや都市生活が一般化された現代では、子どもたちの自然との接点がますます減少しています。人間は幼い頃に全身を使ってあらゆることを体験し、五感を通して抽象的な概念を学びながらゆっくりと知性を育みます。しかし、それらの経験がないがしろにされてしまっている現実があるのです。

地球の豊かな自然は、大人も子どもも等しく、重要な学びの場であり、感性や思考力を育む源です。しかし、自然に触れ感覚を磨くことは、先の長い人生を歩んでいくためにも、「こども時代」に経験することがより重要だとYAMAPは考えています。

YAMAP KIDS CAMPでは、形式的な学びよりも直感的な学びを重視します。そのため、プログラムに座学はありません。フィールドの豊かな自然に、頭ではなく、からだを使って対峙してほしいのです。

土の匂い、風の音、葉のざわめき──

これらは全て、子どもたちの心に生涯にわたって刻まれる大切な経験。自然の中に身を置くだけで、こどもたちは十分多くのことを学んでいます。

例えば、けがをしない身体の使い方や、冒険に必要な探究心や協調性、根気強さ。このような大切なことは、すべて、自然が教えてくれます。ガイドである大人たちが教えるものではありません。

わたしたちが届けたいのは、自然との上手な関わり方。こどもたちが自然と友だちになるためのお手伝いをさせていただくことが、YAMAP KIDS CAMPの使命だと考えています。

地域で育成したインタープリターと共創する自然体験

YAMAP KIDS CAMPの最大の特徴は、開催地のフィールドを活かした「その土地ならでは」の自然体験。20年以上のガイド経験を持つひげ隊長と現地のインタープリター(自然解説員)が、画一的ではない本格的な「アウトドア体験」をお届けします。

YAMAPでは2019年より、自治体と共同で「YAMAP認定インタープリター養成講座」を実施しています。インタープリターとは、里山や街を案内しながら地域の自然や文化の魅力を人々に伝える案内役のこと。

これまで各地で育成されてきた認定インタープリターは、のべ40名ほど。YAMAP KIDS CAMPは全国のインタープリターと共創し、地域の自然や文化を活かしたプログラムを組んでいくことが大きな特徴です。

第1回開催地・雲仙でのテーマは「活火山」

第1回の開催地である雲仙温泉は、長崎県・雲仙岳の中腹にある温泉街です。世界一新しい山である「平成新山」や、火山ガスの噴気を間近で見ることができる「雲仙地獄」などがあり、火山活動の変遷やパワーをダイレクトに感じられるスポットが集まった貴重なエリア。

そんな雲仙を舞台に行われるYAMAP KIDS CAMPは、「活火山」をテーマにした豊富なプログラムをご用意しました。

【1日目】雲仙地獄を探検・絹笠山プチハイク

1日目は福岡集合班と諫早集合班に分かれて、公共交通機関を使って雲仙温泉まで移動します。到着したら、みんなで自己紹介をして、まずはお昼ご飯。

そのあとは、雲仙・天草国立公園の自然に触れるこどもパークレンジャー体験を行います。活火山の象徴でもある「雲仙地獄」をめぐりながら、火山活動のふしぎを五感で体験してもらうプログラム。長崎大学の学生ボランティアが企画と実施に携わっています。

地の底から吹き出す蒸気と熱気を体感できる「雲仙地獄」

3~4人のチームに分かれてクイズに挑戦し、自然のふしぎを解明しながら仲間たちとの距離もグッと縮める内容に仕上がっています。無事に課題をクリアすれば、思い出になる景品もゲットできるかも?

パークレンジャー体験のあとは、キャンプ場に移動してチームで協力してテントを設営。二度の夜を明かす自分たちだけの秘密基地を完成させます。

白雲の池キャンプ場のメインエリアである芝生広場を貸切。画像中央のサークルでは焚き火も行います

標高700mに位置する「雲仙白雲の池キャンプ場」は、夏でも涼しく過ごすことができます。白雲の池は、かつては放牧されていた牛や馬の水飲み場であった歴史的な背景があり、避暑地として雲仙を訪れた外国人向けに天幕(タープ)を用いてホテルを構えたことで「グランピング」誕生の地とも呼ばれる場所です。

テントを建てたあとは、白雲の池キャンプ場から直接アクセスできる絹笠山(879m)へプチハイクに。往復1時間程度のライトな山ですが、豊かな植生があり、さまざまな生き物が生息しています。

山野草に目がないインタープリターと一緒に山に入ることで、身近な自然に目を向け、ふしぎを探す楽しさを感じていただけるでしょう。

1日目の温泉は、大正8年(1919年)に開館した共同浴場「小地獄温泉」。探検したばかりの雲仙地獄の地熱によって温められた温泉です。自然の恵みを活用したお風呂は毎日温度が異なるのだとか。入浴体験からも、地球の営みを感じることができます。

【2日目】メインプログラム・普賢岳トレッキング

2日目は早起きをして、島原半島を形成する標高1,483mの普賢岳にトレッキングに出かけます。1990年に起きた約200年ぶりの噴火によって、山頂の横に世界で一番新しい山「平成新山」が形成された普賢岳。数万年前にできた山から、たった30年前にできたばかりの山まで、変化のある植生を観察できます。

普賢岳山頂からの写真。奥に見えるのが平成新山

当日は、普賢岳の火山の変遷を、目で見て、手で触り、足で感じることのできるコースを歩きます。五感をフルに活用して、自然のなかに潜むたくさんの遊びとふしぎを探しに行きましょう!耳をすませば、山に住む動物にも出会えるかも?下山後にはひげ隊長から、とっておきのご褒美を用意しています!

トレッキングの後は疲れた身体の汗を流すべく、雲仙最古の共同浴場「だんきゅう風呂」へ。雲仙地獄から直接引いた源泉で一日の疲れを癒しましょう。

お風呂に入っている間に地熱を利用した蒸し釜で温泉たまごをつくります。高温の蒸気が噴き出る釜に生卵を入れて数分。取り出すと中までしっかり火が入り、硫黄の香りの漂う温泉卵が完成します。

自然の力を利用した調理方法を体験することはもちろん、地熱の仕組みについても考えてみるチャンス。雲仙ならではの火山の恵みを存分に味わえるアクティビティです。

キャンプ場に戻ったら、焚き火の時間です。キャンプ場内にある落ち葉や枝を活用して、自分たちの力で火を起こしてみましょう。

火が起こせたら、その火をつかってカレー作りにトライ。自然の中で食べる、自分たちで作ったごはんは何よりのごちそうです!

【3日目】大自然を楽しむアクティビティに挑戦

3日目は自然とつながるアクティビティ2種目を白雲の池キャンプ場で実施します。

ひとつめは、白雲の池をフィールドにしたパックラフト。アラスカ発祥のアクティビティで、探検家やハンターたちが川や湖を越えるために利用し始めたことから生まれた「持ち運べるふね」です。

ひげ隊長は若い頃にアラスカ・ユーコンで、40日間をかけて700kmの川下りをした経験もあるのだとか。ふねは未来のこどもたちの大冒険の相棒かもしれません。

白雲の池は、1日目に登った絹笠山からやってきた山水によってできた池。山と池や川の関係を知り、自然のおおきなつながりを遊びながら学ぶことのできるプログラムです。

もうひとつのアクティビティは、ツリークライミング。子ども時代に一度はあこがれ、挑戦する木登り。スリルと高揚感、そして達成感を与えてくれる、原始的な遊びです。しかしながら、現代では安全面のリスクから挑戦の機会は少なくなっているのではないでしょうか。

本アクティビティは、木登りというルーツがもつ要素はそのままに、本格的なクライミングギアを使うことで安全面に配慮した新しいプログラム。

チームでの協力が必要不可欠なクライミングの要素も盛り込まれています。2泊3日で培った仲間との絆を活かし、垂直移動の大冒険に挑戦しましょう!

最終日のお昼ご飯は、雲仙の豊かな自然環境で育った豚肉を使った名産品「雲仙ハム」を使ったホットサンド。みんなでホットサンドメーカーを使って調理にもチャレンジします。ホットサンドを食べながら、仲間たちと自然のなかで過ごした3日間の振り返りも実施。大人になっても忘れない、宝物のような経験を持っておうちへ帰りましょう!

経験豊かなスタッフ陣がこどもたちをお迎えします

「YAMAP KIDS CAMP in 雲仙」でこどもたちをお迎えするのは、自然とのつながりを楽しく育んでくれる最高の現地インタープリターとスタッフたち。こどもたちが雲仙の自然を存分に味わえるよう、万全の準備をしてお待ちしています。

ひげ隊長(前田 央輝)|YAMAP専属ガイド

担当アクティビティ:普賢岳トレッキング・運営全般
1972年、鹿児島県生まれ。「YAMAP」専属アウトドアガイド。23歳の時にアメリカ・アラスカのユーコン川の流れる原野を旅し「この自然の素晴らしさを子どもたちにも伝えたい」と子ども自然学校のひげ校長を志す。YouTube「ひげチャンネル」を企画運営する傍ら全国でインタープリター養成講座を開催し「自然の翻訳者」となる次世代ガイドを育てる活動にも力を注ぐ。

いっちー(市来 勇人)|YAMAP認定インタープリター

担当アクティビティ:絹笠山ハイキング・普賢岳トレッキング・パックラフト
1983年生まれ福岡出身。2005年に雲仙温泉に移住し、2016年ゲストハウスとガイド事業を開業。雲仙を中心に「自然と人をつなぐインタープリター」としてガイド事業を行っており、年間登山回数は100回を超える。登山だけでなく、JR九州主催の「ななつ星」など幅広くガイドとしても活躍。また、日本だけでなく世界の自然環境についても伝えるため、今年ニュージーランドのトレイル700kmを単独で踏破。
島原半島世界ユネスコジオパーク 認定ガイド・野外救命救急資格WMAJ WAFA保持

がんこちゃん(加藤 奈保子)|YAMAP認定インタープリター

担当アクティビティ:絹笠山ハイキング・普賢岳トレッキング・ツリークライミング
千葉出身。2001年から群馬県水上でパラグライダーとカヌーのインストラクターとして活躍。パラグライダーは、日本はもちろん世界をフィールドに空を飛んでおり、20年以上の豊富なアウトドア経験はガイドとして定評がある。2023年より雲仙温泉へ拠点を移し、雲仙観光局に所属しガイドとしてツリークライムのプログラムを開発。
島原半島世界ユネスコジオパーク 認定ガイド・JPAインストラクター証・JPAタンデムパイロット証・JPAパラシュートリガー・JPAレスキューレベル2

とよよ(豊島 七海)|YAMAPコミュニティディレクター・イベントプランナー

担当アクティビティ:絹笠山ハイキング・普賢岳トレッキング・運営全般
1998年生まれ、神奈川県育ち。アウトドアショップの販売員や商品企画、ブランド運営を経てYAMAPにジョイン。豊かな自然やアウトドア文化の魅力を伝えるべくYAMAPにてイベント企画実行やコンテンツ制作を行う。2024年よりひげ隊長とYAMAP自然教育チームとして活動中。
野外救命救急資格WMAJ WAFA保持

YAMAP KIDS CAMP in 雲仙 プログラム詳細

日時 :
2024年8月20日(火)~8月22日(木) 2泊3日

場所 :
雲仙白雲の池キャンプ場(長崎県雲仙市小浜町雲仙)

集合 :
福岡(博多駅)または長崎(諫早駅)
※現地までスタッフが送り迎えの引率を行います

参加対象 :
小学4年生〜中学3年生(定員12名)
※お子様のみで参加いただくツアーとなります

そのほかの詳細は、お申し込みページをご確認ください。

必要な持ちものは、下記のボタンリンク(PDF)よりご確認いただけます。

▼このプログラムの内容に関するご質問はこちら
YAMAP KIDS CAMP 運営事務局
メールアドレス:experience@yamap.co.jp

こどもたちに最高の夏をプレゼントしませんか?

自然の中での冒険や発見は、自分自身の小さな世界を広げ、地球全体とのつながりを感じることができる貴重な機会です。そして自然経験こそが、こどもたちの心を豊かにし、心身ともに健康なからだとバランスのよい感性を育んでくれると、YAMAPは信じています。

教科書やYouTubeがあれば、多くの情報を得ることのできるこの時代だからこそ、自分の眼で観に行ったり、自分の足で歩いたりして得られるものの価値は計り知れません。YAMAPがおくる自然体験プログラムが、未来あるこどもたちの一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど幸せなことはありません。

皆さまのご参加を、運営スタッフ一同心よりお待ちしております。

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