投稿日 2021.03.02 更新日 2021.03.04

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登山で遭難「死ぬ」より最悪なケースとは?

みなさんもご存知の通り、登山は常に危険と隣合わせのアクティビティです。どんな場合でも、「必ず生きて帰ってくる」ために、さまざまな準備をして登山に臨む必要があります。ですが、仮に遭難して運悪く生きて帰ることができなかったとしても、何よりも避けなければならないことがたったひとつ。大切な人や家族のためにも、最悪の事態を避けるための方法を紹介します。

目次

登山で命を落としてしまっても、絶対に「◯◯◯◯」になってはいけない

単刀直入にお伝えします。

あなたがもし登山中に遭難してしまい、運悪く生きて帰ることができなかったとして、どんなことがあっても絶対に「行方不明」にだけはならないでください。

登山に危険はつきものです。みなさんも常日頃から万が一の事態を見越して、さまざまな準備をして登山に臨んでいることでしょう。でも、もし命を落としてしまった場合を想定した「発見されるための準備」はできていますか?

つい目を背けてしまいたくなるデリケートな話題かもしれませんが、少しだけ落ち着いて現実を見つめてみましょう。

たとえばあなたが緊張が続く岩場をトラバースしている最中に、手を滑らせて滑落してしまったとします。奈落の底に吸い込まれてしまったら助かる見込みが低いのは当然ですが、もし300mも落ちた場合、そこは捜索隊の人たちが立ち入ることのできない断崖絶壁かもしれません。

見渡す限りが山ばかりの場所では、人工物が一切存在しないすばらしい絶景を眺めることができるでしょう。ですが、それほど山深い山域で道に迷って山奥で遭難してしまえば、捜索すべき範囲が広すぎてなかなか発見されず、そのまま捜索が打ち切られてしまうこともあります。

雪山を登っていて、予期せぬ大雪崩に巻き込まれてしまったらどうしますか? 大量の雪の中に埋まり、どこまで流されてしまったかまったく検討がつかなくなることも。

このように、遭難してしまった場合は命を落とすだけでなく、「行方不明になってそのまま見つからない」という可能性もあるのです。

なぜ行方不明になってはいけないの?「見つからない」ことで発生するリスクと損害

もしもあなたが遭難して行方不明になってしまった場合に発生しうるリスクは、大きく分けて3つあります。

①あなたの最期に会えなかった人々の悲しみは計り知れない

大切な家族や友人が亡くなってしまったとき、残された人はただそれだけでも悲しいのに、最後に遺体に会うこともできない悲しみには計り知れないものがあります。行方不明になってしまうと、残された人の時間は止まったまま。あなたの亡骸(なきがら)が帰宅して初めて、周りの人は前に進むことができるのです。

これまでに何度かご遺族の方のお話を聞く機会がありましたが、多くの方は「せめて見つかってくれてよかった」とおっしゃいます。もしこれが行方不明のままだったら、その悲しみは想像を絶するものになっていたでしょう。

②「死亡」ではなく「失踪」扱いとなり、家族に負担がかかる

「失踪」と聞くと「忽然(こつぜん)といなくなってしまった人」のことをイメージするかもしれませんが、遭難して行方不明になった場合も「失踪」という扱いになります。失踪者になってしまったら、あなたが死亡認定されるまでの間、家族は生命保険の保険金や住宅ローンの債務弁済を受け取ることができません。

失踪者が死亡認定されるのは、なんと7年後。あなたの家族は7年間もの間、あなたに会えない悲しみだけでなく、経済的な負担まで強いられてしまう可能性があります。

また、あなたが所属している会社でも「退職」ではなく「無断欠勤による解雇」となってしまい、家族は見舞金はおろか退職金すらも受け取ることができないケースも多々あります。これは決して大げさな話ではなく、現実に起こり得る話なのです。

③救助隊の捜索費用は見つからなくても発生する

遭難してしまったあなたを探すために、警察や消防・自治体、民間の救助隊が出動します。民間のヘリが出動した場合は莫大な救助費用がかかるのはもちろんのこと、徒歩で捜索に出た場合も、日当や食事代などの費用が発生します。もしあなたを発見することができなかった場合でもそれは同じ。レスキュー費用を負担する登山保険に加入していても、行方不明のままでは保険金が下りることはありません。

行方不明にならないためにできること

では、あなたが行方不明にならず発見されるために、どのような準備をしておけばよいのでしょうか。

登山計画を家族や友人に共有しておく

安全登山の第一歩は、登山計画を立てること。そして立てた登山計画は、家族に必ず伝えておきましょう。もしくは登山のことをよく知っている友人・知人でもよいでしょう。

「おかしいな、予定ではもう下山しているはずなのにまだ連絡がない」と、最初に気付いて警察に通報するのは家族(もしくは緊急連絡先に設定した方)なのです。逆に言えば、その方が気付かなければ通報が遅れ、捜索の開始が遅れてしまう可能性が高くなります。

救助隊は、入山・下山予定の登山口、通過予定のルートなど、遭難者が立てた登山計画をもとに、どこで遭難したのか当たりをつけて捜索を開始します。出発前に「◯◯山に行ってくる」と家族に伝えるだけでは、情報がまったく足りないのです。

無料で使える「みまもり機能」を使用して、登山中の位置情報と下山の完了を家族に通知する

YAMAPの「みまもり機能」は、登山中の現在地を家族や友人・YAMAPのサーバーに送信することができるサービス。ご家族や警察からYAMAPに問い合わせがあった場合に最新の位置情報を調べて遭難捜索の手がかりとして警察にお伝えすることもできます。

みまもり機能をオンにしておけば、もし遭難が発生した場合にも遭難者が登山ルートのどの位置まで進んでいたのかがわかり、捜索範囲を絞ることが可能に。いざというときの大きな手がかりとなるのです。

YAMAPやみまもり機能の位置情報によって実際に救助へとつながったケースも複数あります。YAMAPユーザーなら誰でも無料で使うことができるので、登山の際にはみまもり機能をオンにするのを忘れずに。

※YAMAPプレミアムに加入すると、登山者の位置情報をLINEアプリでお知らせする「みまもり機能 LINE通知」を使うことができます。LINE通知なら通知を見逃す機会も減るので、待っている家族も、よりあなたの安全を確認しやすくなるというメリットがあります。

参考:鳥取・大山 遭難事故の記録|突然の吹雪・ホワイトアウトに見舞われた登山者を救った話

もしも生還できたときのために

もし遭難してしまっても、無事に生きて帰ってくることができたら万々歳。でもヘリや救助隊が出動していたら、数十万〜数百万円の捜索費用が発生する可能性もあります。そんなときのために、YAMAPでは登山保険への加入をおすすめしています。

YAMAP登山保険は、レスキュー時にかかる費用のほかに、ケガによる入院・通院の費用を補償するプランもあります。申込みはスマホのみ、たった5分で完結。翌日の登山から適用されるので、前夜の準備中に保険に加入できているかを確認しておくとよいでしょう。

万全の準備で、必ず生きて家に帰ろう

「行方不明にならないように」と何度もお伝えしましたが、大前提はやはり無事に生きて帰ること。低山や難易度の低い山だからといって準備を怠らず、どんなときでも万が一のことを考え、万全の体勢で登山に臨みましょう。

「登山は自己責任」と唱える方もいらっしゃいますが、どんな事態に陥っても自力で解決・脱出できるなどということは、著名な登山家であっても絶対にありえません。救助に関わってくださる方々をはじめ、あなたの家族や大切な人にも大きな負担をかけることになるのです。正しく山を恐れたうえで、めいっぱい楽しんでくださいね。

トップ画像:とっぽさんの活動日記より

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