投稿日 2020.02.25 更新日 2023.05.23

登る

冬の鈴鹿を楽しむ | 深掘り登山ガイド 鈴鹿 #05

東海地方の登山者に人気の鈴鹿山脈は、南北に60kmも連なる大きな山域です。随所に露出する奇岩や、花の百名山にも選ばれているほど豊かな高山植物など見所も盛りだくさん。その鈴鹿の魅力を中京圏以外の登山者にも広めたいと手を上げてくれたのが地元鈴鹿に住むYAMAPユーザーの山本都紀さん。

今回は、意外にも本格的な雪山が楽しめる鈴鹿山脈の魅力を紹介してくれました。

目次

雪山初心者も楽しめる! 冬の鈴鹿で登って欲しい山ベスト3

鈴鹿山系は標高1,000m少しの低山ですが、冬には雪山体験ができるエリア。名古屋など東海圏からのアクセスも良く、アルプスまで行かずとも本格的な雪歩きができます。また危険な箇所も少ないので、雪山のレベルとしては初中級者でも楽しめる人気の山域なのです。

その中でも、私のお気に入りのお山を3つ挙げてみました。

【竜ヶ岳】白い羊を探しに

いわずと知れた鈴鹿の人気の山、竜ヶ岳。春には白く花を咲かせたツツジ科の落葉樹、シロヤシオの群生が羊の放牧のように笹山の山腹を覆い、秋には紅葉したシロヤシオが赤い羊となって現れ私たち登山者を楽しませてくれます。
そして、冬には雪をまとったシロヤシオの木々が真っ白な羊の群れを演出するのです。

遠足尾根の樹林帯を抜けたら広がる風景。シロヤシオの木が現れる

登山口は宇賀渓キャンプ場。冬季は登山道までの積雪がある場合もあるので、冬用タイヤの装着やチェーンなども準備もお忘れなく! 駐車料金は500円、有料駐車場を利用しない人は入山料として200円を支払います。宇賀渓観光案内所で登山届も提出します。下山届も忘れずに提出してくださいね。

冬も各ルート使えますが、やはり一番のお気に入りは遠足尾根。もくもくと樹林帯を歩き尾根道を抜けると現れる山頂までのビクトリーロード!その絶景は一気にテンションがあがる瞬間なのです。
雪山ということもあり行動時間に心配がある場合は、金山尾根ピストンもおすすめです。

山頂までのビクトリーロード。雪がたっぷりだとここも一面真っ白に

緑の笹原も雪をまとって真っ白な丘に様変わり。急登や危険個所も少なくピッケルは不要です。
雪の状態によって、アイゼン、軽アイゼン、チェーンスパイクなどの装備を準備して使い分けてください。また、なだらかな山頂付近ではワカンやスノーシューハイクも楽しめます。

冬の竜ヶ岳に関連する活動日記


【藤原岳】スノーシューハイクもヤマメシもソリ遊びも

藤原岳は標高1,144m。鈴鹿セブンマウンテンの中では一番北に位置していて春には福寿草やセツブンソウなどの花々が群生する「花の百名山」としても有名です。そしてこの藤原岳は冬も大人気の山なのです。理由は、たっぷり雪遊びが楽しめるから♪

避難小屋までの最後の急登。冬道はひたすら直登です

冬季ルートは大貝戸道がおすすめです。登山口には立派な休憩所がありトイレもあります。駐車場は無料。登山口までのアクセスも積雪は少ないですが、念のためタイヤチェーンなどの冬用装備は必ず準備していきましょう。

雪がたっぷりなコンディションなら登山口からすぐに積雪が現れます。しばらくは樹林帯を進みます。9合目からの急登を登れば展望が開け、無人の避難小屋、藤原山荘まではあと少し。

山頂からテーブルランドと呼ばれる御池岳の広い山頂が見える

山荘は冬季もトイレの使用も可能。また、十分な広さのある山荘は1階と2階が使用でき、風をしのいでヤマメシが楽しめることも人気のポイントです。お鍋など食料を持ち寄ってのランチタイムを楽しみましょう。

本格的なソリを担いで登っている人も多い

山頂直下の斜面では本格的なソリ遊びやヒップソリを楽しむこともできます。童心に返ってついついはしゃいでしまいます。雪の多い年であれば、3月頃には雪歩きと雪の下から顔を出す福寿草の両方を楽しむこともできますよ。

冬の藤原岳に関連する活動日記


【御池岳】憧れの雪のテーブルランドへ

三重県と滋賀県の県境に横たわり石灰岩の山で知られる鈴鹿随一のカルスト地形の山。標高1,247mの御池岳は、南北に約3㎞、東西に数百メートルの平らな台地上の山頂を持つことから「テーブルランド」の名前で親しまれています。
八ヶ岳を思わせる苔むす原生林の森と白い石灰岩のカレンフェルトが点在する広大なテーブルランドで知られる御池岳の本当の魅力は冬にあると言われています。
東西南北に広がる山頂がスノーシューハイク天国へとその姿を変えるんです

霧氷にびっしり覆われたオオイタヤメイゲツ

冬季は三重県側の鞍掛峠側からのルートは閉鎖していますので、滋賀県側からのルートを使うことになります。積雪の状態によっては鞍掛橋まで車で入れないため1時間ほどの国道歩きが必要となります。必ず道路状況を確認してくださいね。

まずは鞍掛尾根から鈴北岳を経由して御池岳山頂へと巡ります。条件がそろえば鈴北岳手前の尾根から霧氷が楽しめ、夏なら一面の苔の大地も真っ白な雪の大地へと変貌しています。

鞍掛尾根から鈴北岳へ向かう

そして、御池岳の最大のお楽しみは広大なテーブルランドのスノーシューハイク!御池岳の代名詞でもあるカルスト地形も、大小の池も緑のドリーネも雪におおわれて、どこを歩いても自由自在!ただただ目の前に青い空と白い雪の世界が一面に広がります。ただし、天候により山頂がガスに覆われると広いだけにルートを見失い、道迷いの危険があります。地形に詳しい雪山熟練者と一緒に歩くことをおすすめします。

冬の御池岳に関連する活動日記


積雪期の鈴鹿登山まとめ

もしかすると県外の方に三重県で雪山歩きができるイメージはあまりないかもしれません。しかし、アクセスも比較的よく、スノーシューハイク、ソリ遊び、ヤマメシなど、目的に合わせた雪山をお手軽に楽しめる山域でもあるのです。

とはいえ、やはり「雪山」。きちんとした雪山用の登山靴やアイゼン、防水手袋や防寒着といった雪山装備は必須ですし、天気や周囲の状況に十分注意して入山してください。

鈴鹿の山が白くなっているのを見つけたら、さあ、出かけましょう!

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