山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために
山梨・鳥取

山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために

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山岳医療を広めたい

自然特化の支援サービス「YAMAP FUNDING」は2025年7月22日で終了いたしました。
今後は

YAMAPふるさと納税をご活用ください。
また応援コメントの表示も終了しましたのでご了承ください。

支援総額
1,065,640
目標金額 900,000円
118%
支援者
6,807
残り
終了

支援に関する質問は

ヘルプセンターをご確認ください。

このプロジェクトの概要

  • 医療物資や備品、活動費の調達に苦慮している2つの山岳医療団体を支援します
  • 山岳医療を広めたい!プロジェクト(任意団体)が、本プロジェクトを実施します
  • クレジットカード(一口:300円〜)または8,000 DOMO(日本円で80円相当)で本プロジェクトを支援できます

活動報告

ご支援のお礼

2023.11.2

はじめに

山岳遭難事故を想定した救助技術習得訓練に向かう、「山岳医療を広めたい!プロジェクト」代表の湯本。

皆さん、こんにちは。「山岳医療を広めたい!プロジェクト」の代表を務めております、日本登山医学会DiMM認定/国際山岳看護師の湯本 智子(ゆもと ともこ)と申します。この度は本プロジェクトに関心をお持ちいただき、ありがとうございます。

「山岳医療を広めたい!プロジェクト」は、山岳で活動する医療従事者を経済的に支援するとともに、山中におけるケガや病気を防ぐための情報を登山者の皆さんへ発信しています。

「山岳医療を広めたい!プロジェクト」のロゴ。

私が山岳医療に携わりたいと強く思うようになった大きなきっかけは、2016年夏に初めて医療ボランティアとして参加した、北アルプス双六診療所での出来事でした。

周辺の山域で救助要請があった際、急いで向かった現場で倒れている方を発見。同行の医師と共に応急処置を行い、救助を要請。ヘリコプター搬送へとつながって救助できたことがとても印象深く、山岳医療に携わっていきたいと思いました。

以降、山岳医療の担い手として、遭難捜索、救助、大学医学部や任意団体が運営している山小屋併設の診療所、各地方で登山道のパトロールや登山者への声掛け活動、トレイルランニングレースの救護参加や机上講習、持病のある方のガイドなど、多岐にわたる活動に携わってきました。

「山岳医療」の実態と、その課題について

山岳医療とは、山に精通した医療従事者による、山での傷害事故への対処、登山者の方々へのトラブル予防の啓発活動の実施、山岳医療に関する学術研究などの一連の活動のことを指します。

日本における山岳医療は、登山を愛好する医学生有志が、山小屋で登山者からの病気やケガなどの相談に応じたことがきっかけで始まりました。日本最初の山岳診療所は、1927年(昭和2年)に上高地に開設されました。その5年後には、白馬岳の山頂直下にある白馬山荘にも大学診療所が開設されています。

登山の一般大衆化が進み、高山病などの山特有の病気や捻挫などのケガが増加。この問題に対応するために、山小屋や地元自治体の要請によって、メジャーな山域に山岳診療所が設置されるようになりました。

鳥取県大山山域山岳医療部会による、トレイルランニングレースでの救護活動。

山岳医療活動は、大きく3つに分類されます。

①死亡事故・重大な傷害事故のサポート
 山岳医が警察や救助隊などが重大事故の対応をする際に医学的助言を行う

②自力下山可能な傷害事故のサポート
 山岳診療所がファーストエイドや応急処置などを担う

③非事故案件、予防・啓発活動
 医療パトロールが事故の予防や啓発活動を行う

「山岳医療を広めたい!プロジェクト」は、主に上記②と③を担当する活動団体をバックアップしていきます。

また、私たちが山岳医療活動で最も重要と考えているのは、下記の表の「非事故案件の予防・啓発」の部分にアプローチすることです。

ハインリッヒの法則に基づいた事案と山岳医療の役割。

「非事故案件の予防・啓発」に関する情報や知識を登山者へ届けることで、表の上層にある「自力下山可能な傷害事故」や「死亡事故・重大な傷害事故」への移行を減らすことができると考えています。

「自力下山可能な傷害事故」に対しては、ファーストエイドや初期治療、市中の医療機関への連携を行っている任意団体もあります。傷害の程度を適切に分類し、必要に応じて処置を行ったり、下山のアドバイスをしたりすることで、「死亡事故・重大な傷害事故」を減らすことに努めています。

搬送を要する状況になった場合でも、救助隊と接触するまでの間の状態チェックをすることで、スムーズに医療機関に引き継ぐこともできます。

鳥取県大山山域山岳医療部会のパトロール活動中のメンバーが、疲労で自力下山が困難になった登山者をサポートする様子。
コロナ禍以降、全国の山岳遭難発生件数は右肩上がりとなり、2022年には過去最多を更新。 (参照:警察庁|令和4年における山岳遭難の概況)

近年は、多方面から遭難防止対策の声が上がっています。山岳地特有の医学的知見を登山者の方々に届けることで、山中での事故やケガを未然に防ぐことも期待されています。

2010年代後半から、遭難防止やファーストエイドの観点から登山者に対して登山口での声掛け活動や、登山道パトロール、山小屋内における医療的レクチャー(熱中症や虫刺され対策などの講話)を行うという新しい山岳医療を提供する機会が増えてきました。このような山岳医療活動に興味を持つ医師・看護師を始めとした医療従事者は多く存在しています。

しかしながら、医大や自治体から山岳医療に充てられる予算は少なく、現場で必要な活動費、医療物資は十分に確保できておりません。

現在、山岳医療活動のほとんどは、医療従事者が自己負担するボランティア活動で成り立っており、各自が仕事の都合をつけ、自己の余暇を使って参加しているのが現実です。

山岳医療パトロール実行委員会による山小屋内レクチャーの様子。山小屋に併設された診療所では、登山者の応急手当や、登山の継続・中断のアドバイスなども行っている。

これまでは、医療国家資格を有し、専門知識を駆使して山岳医療活動を行うことを、個人の善意や自己犠牲の精神であることが当然と考えられ、報酬が介在することが不適切であるという風潮さえありました。

私たちは、このような状況で医療者が継続して活動していくには限界があると憂慮し、本プロジェクトを通して、多くの山岳医療に携わる医療従事者が、活動を持続できるための経済的基盤や体制を構築したいと考えました。

今回のプロジェクトで支援を予定しているのは、運営資金の調達に苦慮している2つの山岳医療団体です。

支援を予定している、山岳医療団体の紹介

今回のプロジェクトで支援を予定している、山岳医療活動に従事する2つの団体「山岳医療パトロール(山梨県)」「大山山域山岳医療部会(鳥取県)」をご紹介いたします。

※現時点でプロジェクトにご賛同いただいている団体であり、今後変動する可能性があります。変動した場合は都度お知らせいたします。

山岳医療パトロール(山梨県北杜市)

山岳医療パトロール実行委員会代表:稲田 真さん(医師・医学博士 日本登山医学会DiMM認定/旧国際山岳医)

「より安全に、そして安心して登山を楽しんでもらいたい」という想いから、2017年より山岳医療パトロールの活動をスタートしました。

山岳医療パトロールには、日本登山医学会の認定を取得した医師、看護師、理学療法士、救急救命士を中心とした、多くの医療従事者が活動しています。現在は、山梨県北杜市と業務委託契約を結び、警察や企業と協力しながら、登山道での声かけ、山小屋でのミニレクチャーを通じた啓発活動、登山関連傷病リスクの調査等を実施しています。

その活動目的は、傷病者の発生を未然に防ぐことです。しかし、万が一傷病者が発生した場合には、医療的アドバイスを提供することも視野に入れて活動しております。これらの活動が登山者の安全と安心に繋がることを期待しています。

≫ HP|山岳医療パトロール

≫ Instagram|山岳医療パトロール

≫ Facebook|山岳医療パトロール

山梨県北杜市の尾白川渓谷登山口にて。 山岳医療パトロール実行委員会の活動の一つである登山口での声かけ活動は、登山届提出の促し、脱水予防のためのアドバイスやチラシ配布などをするとともに、登山者の様子の観察も行う。この活動は、警察、自治体、企業と協力しながら実施している。
八ヶ岳、青年小屋~権現岳間の登山道で行うパトロールの様子。

大山山域山岳医療部会(鳥取県西伯郡大山町)

大山山域山岳医療部会代表 長谷川 賢也さん。(医師・医学博士 日本登山医学会専門医)

中国地方最高峰の鳥取県の国立公園、伯耆大山(1,729m)にて、主として無雪期に山岳医療パトロール活動をしています。

日本百名山である大山は、年間を通して多数の登山者が訪れます。しかし、救護所・診療所はなく、山岳遭難防止対策協会によるパトロールも積雪期のみでした。

無雪期のパトロール活動が必要であったため、2021年6月より我々が行っています。主な活動内容は、登山道の巡回、声掛け、ファーストエイド、登山案内等です。また、時には救助機関と連携し、救助のお手伝いをすることも。大山の安全登山、遭難事案の減少に役立てば、と思っています。活動内容は、適宜Facebookで発信していますので、 活動に興味のある方は、ご連絡ください。

≫ HP|大山山域山岳医療部会

≫ Facebook|「中国地方最高峰 大山登山情報」

大山山域山岳医療部会の皆さん。

支援金の使い道について

ご紹介した2つの団体は、今まで自治体の給付金や、寄付金等で運営を賄ってきましたが、必要な医療物資をすべて揃えるには至らず、毎年少しずつ資金をやりくりして機材等を増やしています。また、山岳医療従事者の謝金や交通費を十分に賄うまでには至っておりません。

皆様の支援金を活用し、医療物資などの購入資金や山岳医療従事者への謝金とします。

【目標金額:90万円】

  • ・山岳医療従事者への謝金/交通費援助:48万円(支援団体に按分)
  • ・AED 10万円(中古1台)
  • ・トランシーバー:6万円(免許不要なもの 4台)
  • ・ツェルト:4万円(3セット)
  • ・医療物資:4万円
  • ・要救助者用飲用水、栄養ゼリー等:4万5千円
  • ・活動者ユニフォーム(ビブス、ベストなど):3万円(20枚)
  • ・YAMAP FUNDING運営費:9万円
※ 支援物資は、各団体のニーズを聴取しながら最終決定いたします。目標金額を超えるご支援をいただいた場合には、追加の用具購入費用等に使わせていただきたいと考えています。

プロジェクト共同オーナー・望月からの挨拶

山形県・飯豊山(いいでさん)で登山道整備のための資材を運搬する、「山岳医療を広めたい!プロジェクト」共同代表の望月。山岳医療以外にも、山に関連する様々な活動に関わっている。

本プロジェクトの共同代表で、理学療法士の望月 良(もちづき りょう)と申します。日本登山医学会認定山岳医講習を、理学療法士として唯一修了しています。

このたびは、本プロジェクトへご興味をお持ちくださり、ありがとうございます。

私は幼少期から山と触れ合ってきましたが、長年医療とは全く無縁の仕事(システムエンジニア)をしていました。しかし、2011年に山で大ケガを負ったことをきっかけに安全登山の大切さを痛感し、自分自身がこれからできることは何かと熟考した末、理学療法士の職能を身につけ、山を通じてケガや病気の予防と健康に寄与すること、という結論に達しました。

そこで、2015年に日本登山医学会に入会後、社会人学生として仕事をしながら学校へ通い、2020年の国家試験合格を経て理学療法士となりました。それ以来、かつての仕事で得た知識を駆使しながら、多くの医師、看護師とともに山岳医療活動に携わるようになり、現在に至っております。

そんな私たち「山岳医療を広めたい!プロジェクト」の願いはひとつ。

「登山が人々の心身に健康をもたらし続けますように」

山岳医療の周知活動に努めるとともに、皆さんの心身の健康に少しでもお役に立てるよう、各地で活動しております。山中では、写真の通りだいたい赤い格好をしておりますので、お見かけの際はぜひお声がけください!

支援の流れ

  • プロジェクトを支援する(DOMO支援は1回限り)

    クレジットカードによる現金支援(複数回支援可)、または8,000 DOMO(1回限り、日本円で80円相当)にて、「山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために」を支援することができます。

    支援金は、医療物資や備品、山岳医療従事者の活動費用等に充てられます。

  • プロジェクトの活動開始

    2023年8月より、「山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために」がスタートします。

  • 活動報告のお知らせ

    プロジェクトの活動報告を、公式アカウントとYAMAPのダイレクトメッセージにてお知らせいたします。