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シリーズ最強の防水性|ミレー「ティフォン ウォーム ネクスト」が新登場
ミレーのレインウェア、「ティフォン」といえば、しなやかでソフトな着心地に定評があります。この秋、シリーズ最強の防水性を備えた「ティフォン ウォーム ネクスト」が登場しました。その背景には、最近の気候変動に対応した登山ウェアの進化があるようです。耐水圧が高く保温性も備えた最新レインウェアの実力を取材しました。
目次
気候変動に対応した登山ウェアの進化
今年の夏は、山でも暑い日が続きましたが、急な土砂降りの雨に悩まされた人も多いのではないでしょうか。気象庁のデータによると、近年、1日の雨量が100mm以上になる大雨の日が増えているそうです。その背景には温暖化の影響があるといわれていますが、登山ウェアもこのような気候変動に対応する進化が求められています。
そこで、ミレーではレインウェア「ティフォン ウォーム」の防水力を強化。生地の耐水圧を20,000mmから30,000mmにアップグレードし、起毛地を裏に張り合わせることで、寒い時期の冷たい雨や雪からも身体を守ってくれるスペックを備えました。それでは、リニューアルされた「ティフォン ウォーム ネクスト」の詳細な機能について、詳しく紹介しましょう!
特徴①/今シーズンから、耐水圧を1.5倍に強化
一般的な登山用レインウェアに必要とされる耐水圧は20,000mmといわれています。従来の「ティフォン ウォーム ストレッチ」も、この基準をクリアするものでしたが、近年の気候変動を考慮して生地の見直しを検討。耐水圧を30,000mmと1.5倍に引き上げることで、より雨や雪に強いウェアへと進化しました。
また、表面に施された撥水加工との相乗効果によって、みぞれや強い雨などの厳しい環境でも快適に行動できます。
特徴②/ソフトシェルのようなしなやかな着心地
ティフォンシリーズの最大の特徴である「しなやかでソフトな着心地」は、”ネクスト”に進化しても健在。レインウェアにありがちなゴワゴワ感を感じないため、ストレスフリーで身体を動かし続けることができます。
登山者の中には「レインウェアを着ると、体が突っ張るような感じがして動きづらい」という方も多いですが、「ティフォン ウォーム ネクスト」なら、そんな心配は無用。さらに人間工学に基づいたカッティングが施されているので、ウェアがどんな動きにも追従します。
特徴③/透湿性は、一般的なレインウェアの約2倍
一般的に登山用ウェアに必要な透湿性は、10,000~20,000g/㎡/24h以上と言われています。
しかし、ティフォン ウォーム ネクストシリーズの透湿性は、なんと40,000g/㎡/24h。
これは、極薄(マイクロ単位)の防水透湿メンブレンを採用することで実現したもの。さらに、左右のポケットはベンチレーション(換気)機能を兼ねているので、ウェア内のムレを瞬時に逃がしてくれ、雨の日登山の憂鬱とも無縁です。
特徴④/裏起毛によって保温性をアップ
「ティフォン ウォーム ネクスト」は、裏地に弾力性のある起毛トリコットを採用。これによって、ウェア内にデッドエア(空気の層)を作ることで冬でも寒さからしっかりと身体を守ってくれます。しかも肌触りが柔らかなので、Tシャツの上から着用してもサラリとした着心地を実現。あらゆる冬のアウトドアアクティビティを快適に楽しむことができます。
特徴⑤/使い勝手を考えた細部へのこだわり
フードやジッパーなどウェアの細部に至るまで、フィールドでの使いやすさを考えて設計されているのも、「ティフォン ウォーム ネクスト」の特徴のひとつです。
アクティビティによって使い分け可能な2種類のパンツもリリース
今シーズンは、これまで紹介してきた「ウェア」だけでなく、「ティフォン ウォーム ネクスト」の生地を使った「パンツ」として、秋冬のハイキング向きの「ティフォン ウォーム ネクスト ストレッチ トレック パンツ」と雪山登山向きの「ティフォン ウォーム ネクスト ストレッチ パンツ」の2アイテムがリリース。
生地のしなやかさ、耐水圧30,000mmと透湿性は40,000g/㎡/24hという基本性能は同じですが、山行スタイルによって、より適したアイテムを選べます。
山岳ガイド・杉本龍郎さんに聞く「ティフォンウォームネクストの賢い使い方」
――まずは、「ティフォン ウォーム ネクスト」を着たときの印象はいかがでしょうか?
杉本さん:めちゃくちゃ暖かいですね。もともと裏起毛のレインウェアは少ないと思うのですが、これは画期的ですね。レインウェアなんですが、秋冬のシェルのように使うことができますし、透湿性も高いのでアクティブサーマルレイヤーとも組み合わせやすい。レインウェア以外の使い方もできるのは、大きなポイントだと思います。
(*アクティブサーマルレイヤーについての記事はこちら)
――実際に杉本さんは、どのようなシチュエーションで使うことが多いですか?
杉本さん:秋の終わりから冬にかけての寒い季節。雨の予報のときは必ず「ティフォン ウォーム」を持っていきます。例えば、11月の南アルプス白根三山の縦走で、天気予報が雨のときなどですね。
初日に稜線の小屋まで上がって、2日目に稜線歩き、3日目に下山となりますが、2日目の3,000m級の稜線歩きで雨が降ったときは、本当に重宝しますよ。10月中旬の北アルプス前穂北尾根でも着たことがあります。上高地から横尾で雨が降ることもありますし、降らなくても防寒着として十分使えます。
――「ティフォン ウォーム ネクスト」は、最近の気候変動に対応するために耐水圧を30,000mmにアップさせました。
杉本さん:今年も北アルプスでは2月に雨が降って、3月に雪が戻ってくる感じでした。寒い季節でも雨が降るときは、雪用のハードシェルだと染みてきちゃうので、「ティフォン ウォーム ネクスト」のような保温性のあるレインウェアの方が快適に歩けるはずです。
――「ティフォン ウォーム ネクスト」は、「着心地がすごくしなやかだ」っていう声が多いんですが、いかがですか?
杉本さん:僕も本当にそう思います。レインウェア特有の突っ張り感やゴワゴワ感が全くありません。まるで、ウィンドブレーカーを着ている感覚で歩くことができますね。
――「ティフォン ウォーム ネクスト」を買うか、裏起毛のない「ティフォン」を買うか迷っている人にアドバイスはありますか?
杉本さん:レインウェアの買い替えを考えていて、雪山にも挑戦してみたいと思う人は、「ティフォン ウォーム ネクスト」がおすすめです。ただ、夏しか山に登らないのであれば、裏起毛なしの「ティフォン」の方がいいでしょう。
雪山というとハードシェルというイメージがありますが、豪雪が降るところじゃなければ、「ティフォン ウォーム ネクスト」の方がコストパフォーマンスを考えてもお得だと思います。例えば、八ヶ岳の北横岳とか入笠山とか、残雪期の谷川岳なんかでしたら十分に対応できますよ。
――登山ショップのスタッフに聞くと「ティフォンは、パンツが履きやすい」という声が多かったのですが、杉本さんはいかがですか?
杉本さん:触ってみるとわかるんですけど、すごくしなやかなんですよ。
レインウェアのパンツは、「ゴワゴワ感があって膝が曲げづらいので履きたくない」という人も多いと思うのですが、「ティフォン ウォーム」は、そういった感覚になりません。いい意味で、レインウェアっぽくないんです。
とくに「ティフォン ウォーム ネクスト ストレッチ トレック パンツ」の方は、レインウェアというよりも防水性のあるパンツとして、インナーの上から直接履いてOKです。履き心地が抜群なので、家を出る時に履いてそのまま登ることもできます。
――「ティフォン ウォーム ネクスト ストレッチ パンツ」は、いかがですか?
杉本さん:こちらは、オーバーパンツとして使うタイプですね。ゲイターがついているのでシューズの中に雨や雪が入ってこないというのが嬉しいポイントです。
通常のレインパンツは、しっかりとシューズをカバーしないと水が浸入することがありますが、そんな心配はありません。また、ウエスト部分をスキーウェアみたいにベルクロで調整できるのも便利。レインパンツってサイズ選びが意外と難しいのですが、裾の長さを自分に合うものにしたら、ウエストのサイズはそれほど気にしなくて済むのも使いやすいと思います。
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今シーズン耐水圧が向上し、さらにアップグレードした「ティフォン ウォーム ネクスト」はいかがだったでしょうか。登山者の間でも話題のティフォンシリーズ、ぜひショップで試着して、これまでのレインウェアにはないしなやかな着心地を体感してみてください。
原稿:大関直樹
撮影:小山幸彦(STUH)
協力:杉本龍郎、ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン
フリーライター
大関直樹
小中学校はボーイスカウト、高校はワンダーフォゲル部で自然に親しむ。好きなものは、タバコとお酒と競輪。最近は、山頂で一服すると周りの目が厳しいので肩身が狭いのが悩み。「みなさんが山で嫌な思いをしないように風下でこっそり吸いますので、許してください」
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