投稿日 2021.12.07 更新日 2023.09.26Sponsored

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「寒がりなのに汗っかき」の悩みはこれで解決! 新感覚の厳冬期アウター活用法

雪山経験者なら、「周りは一面の雪景色、でも自分のウェアは汗とムレで不快!」という経験を持っているのでは? そこで今回は、「汗処理のエキスバート」ともいえるブランド、ファイントラックの2つのウェアを紹介し、「汗」と「ムレ」の悩みからオサラバできるアウターウェア活用術を解説します。

目次

寒さ厳しい雪山でこそ、意識すべきは「汗」と「ムレ」

厳冬期の雪山装備といえば、まず寒さ対策が頭に浮かびますが、雪山経験者ならば、少なからず「冬でも意外と汗をかく」ことを実感したことがあるでしょう。雪の中では運動量も増えて、「止まると寒い、動くと暑い」を繰り返すうちに、大量の汗をかくことも少なくありません。

さらに厄介なのは、冬の暑さは「ムレ」を伴うところ。ムレが続くとシェルの中で結露が発生し、衣類を濡らして保温性が低下するという危険も生じます。夏のようにこまめに脱ぎ着もできず、不快感を我慢し、濡れによる冷えに不安をかかえたままでは、ストレスも高まる一方。冬のレイヤリングは、保温性と同時に「いかにムレを逃がしてドライな状態を保つか」が重要です。

技術と経験でムレと戦うハードシェル「エバーブレスアクロ」


冬期の登山やアルパインクライミング、アイスクライミングまでをカバーするフルスペックモデルとして、ファイントラックが提案するのが「エバーブレスアクロ」。独自開発の防水透湿3層生地を使用し、雪山に必要な機能をすべて搭載したハードシェルです。

ファイントラックといえば、「ドライレイヤー」という新ジャンルを生み出した、「汗処理のエキスバート」ともいえるブランド。汗やムレの不快感を解消するための技術とノウハウが、この製品にもたっぷりと詰め込まれています。

ムレをうまく逃がすための3つのアプローチ

1.素材の力でムレを逃がす
素材の核となるのは、独自開発の防水透湿メンブレン「エバーブレス」。高い防水透湿性を備えるのはもちろんのこと、紫外線や水分、熱による劣化が少なく、一般的なメンブレンに比べて、防水透湿性能が長持ちすることがテストで証明されています。

ちなみに、透湿性能は実験で得られる数値で表されますが、性能評価には方法が2つあり、それぞれで数値の出かたに違いがあります。エバーブレスは、より実際の着用感に近い状態で評価される「A‐1法」で10,000g/m2・24hr というトップクラスの数値をマークしていますが、一般的に多く使われるのは、より数値が高く出る「B-1/B-2法」。ある程度の目安にはなっても、単純な数値で製品自体のムレにくさを判断するのは、少し無理があるかもしれません。

2.表面加工の知恵でムレを逃がす
残念ながら現時点では、どんな状況でも衣服内のムレをまったく感じないという防水透湿製品は存在しません。条件によっては、使用中に透湿性が低下して、ムレの排出が発生量に追いつかないことがあるからです。

その大きな原因は、裏地が濡れることで表面に薄い水の膜ができること。蒸気を通すための穴がふさがれて、排出の効率が大きく下がってしまうのです。

これを防ぐために、ファイントラックがたどり着いたのが、シェルの裏地に撥水加工を施すという手段。こうすれば、水分が表面に張りつくような状態にならないため、蒸気の通り道がふさがれることもありません。持続する透湿性が確保でき、ムレを最小限に抑えることができます。

本来であれば、体にかいた汗は、ベースレイヤーに吸い上げられ、ミッドレイヤーの間を通ってシェルの内側にたどり着くまでの間に、すべて蒸気になっているのが理想。ところが、シェルの透湿能力を超えた量の汗をかいたり、ベースレイヤーやミッドレイヤーの拡散性や通気性が充分でなかったりすると、蒸気になりきらなかった汗が、水の状態のまま衣類の中に残るというわけ。素材の透湿性では追いつかない部分を、それ以外の方法でいかに補うかが、快適性への近道でしょう。

3.デザインと仕様でムレを逃がす

それでもムレを感じたら、少しの手間を惜しまずに、ベンチレーションで内部の熱を一気に換気するのがもっとも有効で早い方法です。

一般的なベンチレーションは、汗をかきやすい脇下に設けられることが多いですが、バックパックのショルダーハーネスで押さえられて、一番熱のこもりやすい胸や背中が換気しにくく、行動中に開閉しにくいことなどが難点。その点、ハンドポケットと平行するように、体の前面から脇腹あたりまでに配置されたスタイルは、扱いやすく換気も効率的で、問題を見事にクリアしてくれます。

もうひとつのユニークなアイディアが、ブレスベンチレーター。エバーブレスアクアのフードは、顔周りをしっかりとカバーするのが特徴ですが、鼻や口のまわりが呼気で濡れてしまうと不快な思いをしなければならず、衣類の内部に自ら湿った空気を送り込むことにもなってしまいます。

それを解消するのが、襟の内側に設けられた穴。これが通気口となって呼気を外へ送り出し、濡れや結露を大幅に抑えることができるのです。ファスナーをすべて閉じるとちょうど口のあたりにくる設計で、内側はニット素材で肌触りもストレスなし。表側には形を自在に変えられる芯材が内蔵されていて、通気量を手軽に調節可能。一度使ったら、その効果に驚くに違いありません。

着心地のための工夫にも妥協なし!


素材のエバーブレスは、優れた透湿性に加えて、驚くほどのストレッチ性を備えるのが特徴。メンブレンの表には2wayのストレッチ素材を、裏にはしなやかなニット素材を張り合わせた3層構造が、従来のハードシェルにありがちな、ゴワゴワとした硬さやハリ感とはまったく違う次元の着心地を現実のものにしました。

メイン生地の表地は織物ですが、ブラックの部分は同じ防水透湿素材をニット(編み物)に仕立てたもの。耐久性に優れコシのある織物、ストレッチ性や通気性が高く手触りもソフトなニットと、元の素材は同じでも、それぞれに特徴の違いが表れます。ハシゴを掴んだりアックスを振ったりする動きや、ヘルメットの上からフードを被って頭を動かす状況を考えれば、どこにどの生地が向いているかは、容易に想像ができるでしょう。

ほかにも、グローブの着脱時などでも冷気や雪が入り込むのを防ぐ袖口のストレッチカフや、ジャケットのずり上がりを防ぐパウダーハーネスなど、ユニークなアイディアも満載。厳しい環境に身を置くために必要なものもがすべて用意されています。

(左)袖口の隙間を作らないストレッチカフ (右)パウダーハーネスは装着しないときは隠れる仕様

保温しながら、ムレを上手に逃がすアウターシェル。この1着があれば、「汗かきだから、寒がりだから」とあきらめることも、「雪山は多少つらいのが当たり前」などと強がる必要もなさそうです。

派手さはなくても出番の多さは一番の実力派「フロウラップフーディ」


本格的なハードシェルを着るほどではないけれど、ある程度のプロテクション性が欲しいのなら、もう少し気軽に使える「フロウラップフーディ」がおすすめ。もちろん、汗とムレ対策と着心地のよさに妥協はありません。

防水透湿メンブレンに、表と裏で異なるニット素材を張り合わせた、少し薄手の3層生地。軽くしなやかな手触りと、シェルらしい強さも感じるきめ細やかな素材感で、ヨコ220%:タテ143%という、驚異的なストレッチ性を備えます。

背中や袖はパターンを工夫し、さらに動きやすさを追求したデザイン。程よくフィットするコンパクトなシルエットでも、動きづらさを感じることはまったくないでしょう。

シェルやレインウェアよりも軽くソフトで、ウインドシェルよりも安心感があり、フリースやソフトシェルよりも、ライトでコンパクト。何に分類されるのかだとか、何かに似ているだとかが頭に浮かばない、独特の存在感があります。

シーム処理はしていないので完全防水ではありませんが、素材は防水透湿素材で、防風性や耐水性、透湿性もしっかりと確保。土砂降りの雨に1枚では無理でも、雪や多少の雨なら、余裕でクリアする撥水性も備えます。

通常このくらいの厚さや柔らかい素材を使ったものは、ディティールは簡易的なものが多いように思いますが、立体的なフードはアジャスターで調整可能。チェストポケットは大型で収納力もたっぷり。裾のドローコードやストレッチパネルでフィット感を高めた袖口は、レイヤリングのしやすさを意識したものでしょう。

もっとも特徴的なのはこのベンチレーション。このようなライト感覚のシェルに、これほど本格的なベンチレーションを備える製品は多くありません。

薄手のつくりですが、ウインドシェルのように風を防ぐだけでなく、断熱性もあって保温着としても充分効果的。汗やムレのストレスを感じることなく、着たまま温度コントロールが可能。ソフトシェルが対抗馬になりそうですが、同じ保温性や耐候性を考えると、圧倒的に薄くてコンパクトなところや、防風性、汗処理能力の高さは、ソフトシェルの弱点をカバーすることになりそう。

気温が低い時には着たままで、暑くなったらベンチレーションを開けて、1日中脱がずに着続けることができます。冷え込む夜には着たままシュラフに入ることもできて、脱ぐタイミングを見つけられないほど。

目を引く商品でも、探して見つけるタイプのものでもないけれど、持っていたら結局こればかり着ることになるはず。一目ぼれはしないけれど、一度手にしたら長く深く付き合えるのは確実です。

厳冬期レイヤリングの新提案。「シェルonシェル」が着心地を制す

これまで、「止まると寒い、動くと暑い」を解消するためには、汗やムレに対して素材やデザインなど、多方向からのアプローチが必要なことを解説してきましたが、そのベースには、基本中の基本でもある、レイヤリングの重要性があります。どれだけ優れたシェルを身に着けていても、レイヤリングの基本から外れたアイテムが1枚加わるだけで、衣類内の環境は急激に悪化します。

ここからは、そんな「レイヤリングに関する悩み」に一石を投じる新たな解決策をご紹介します。それは、シェルにシェルを重ねるという使い方

極寒の雪山で突然の吹雪に見舞われたり、予定外の深雪ラッセルを余儀なくされたりしたとき、行動中にシェルの中に雪が入り込んで、ミッドレイヤーを濡らす可能性はゼロではありません。濡れに強いインサレーションやフリースであっても、襟や袖口などからわずかに入り込んだ雪による不快感は免れないでしょう。

しかし、アウターシェルの下にもう1枚、アウターとして使われることが多いファイントラックの「フロウラップ」を着てみるとどうでしょうか?

アウターからどれだけ雪が入りこんでも、「フロウラップ」の撥水性が水を寄せ付けず、快適な状態を保つことができるはず。悪天候時以外でも、休憩時にシェルを脱いで雪の上に座ったときや、バックカントリーでの大転倒、深雪のラッセルなど、たくさんのシーンが思い浮かびます。

濡れ対策だけでなく、シェルを重ねることによる保温性アップも有効。2枚の間に二重サッシのような断熱性が生まれ、外気との温度差で結露が発生するのを大幅に抑えることができます。

「シェルonシェル」の着用時のイメージ図。降雨時は防水性を高め、降雪時は保温性を高める

メリットは理解できても、普通シェルを2枚重ねたら、ゴワゴワと動きにくく、逆にストレスが増えそうですが、「フロウラップ」なら、シェルonシェルの快適性だけを利用することが可能。気軽に着られるしなやかな着心地と、シェルの防水透湿性があってこそのテクニックです。

保温性が上がるのと引き換えに、ムレも増大するのが気になりますが、汗とムレを知り尽くしたファイントラックにかかれば、そんな心配も無用。どんなアウターシェルとも組み合わせることが可能ですが、「エバーブレスアクロ」と「フロウラップ」の最強コンビなら、行動中休むことなくムレを排出し続けてくれます。また、2枚のシェルのベンチレーションを両方開ければ、フリースやインサレーションではできない積極的な換気で、すぐに快適な状態を取り戻すことができます。

厳冬期の寒さと濡れ、汗やムレのストレスをひとまとめに解決する「シェルonシェル」のスタイル。フロウラップの実力が、いかんなく発揮される瞬間に立ち会いましょう。

原稿:小川郁代
撮影:中村英史
協力:ファイントラック