投稿日 2021.11.24 更新日 2021.11.24

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「重たい」は幻想だ! 登山に缶詰を持っていくべき3つの理由

「缶詰は美味しいけど、登山に持っていくのは重たい…」。そういった印象から、缶詰を敬遠してフリーズドライを山に持っていく方も多いかと思います。しかし、それは大いなる過ちだったのです! 今回は、缶詰を愛し、缶詰のために生きる缶詰博士こと、黒川勇人氏が計算を駆使して、「登山で缶詰は重たいのか?」を検証、その誤った先入観に鋭く切り込みます。

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目次

缶詰はかつて山ごはんの王道だった

缶にちは! 家呑みのおつまみが登山の行動食になってる缶詰博士・黒川勇人です。今日は、なぜ僕が登山にも缶詰を持っていくのか、その理由を書こうと思う。

初めてテント泊の登山をしたのは中学生の時で、1979年のこと。その時の食料は、米、ニューコンビーフとクジラ大和煮の缶詰、レトルトの中華丼とインスタントラーメンだった。当時、登山ショップにはフリーズドライ食品も揃っていたけど、高価なので買えなかった。大人の登山者も似たようなもので、ごはんは飯盒炊さんかアルファ化米、おかずは缶詰というのがデフォルトでありました。

今はフリーズドライの価格もこなれてきたし、種類も豊富。もはや「重たい缶詰の出番はなさそう」なんて思うかもしれないけど、いえいえ! そんなことはないんですぞ! 

缶詰の重量を徹底検証

牛肉の大和煮などに使われるT2合缶の重量は42グラムだ

まずは重量を考察する。缶詰に対するマイナスイメージは「重たい」というのがほとんどだけど、中には汁気も含んだ食べ物がぎっしり詰まっている。ある程度の重さがあって当然なのであります。

そこで、容器(缶だけ)の重さがどのくらいあるのか計ってみた。牛肉の大和煮が入っていた缶(T2号缶。サバ缶などにも使われる)は、中身を抜いて測ったところ、42グラムだった。

中身を抜く前は233グラムあったから、牛肉の大和煮は191グラム入っていたことになる。ご飯のおかずにするなら、一般的には2食分の量になる。

イワシのトマト煮が入っていた缶。30グラム

次に、イワシのトマト煮が入っていた缶(O120L缶)を計ってみたら、30グラムだった。この缶詰は、中身を抜く前が126グラムだったので、イワシとトマトソースが96グラム入っていたことになる。これもおかずにするなら2食分の量だ。

シリコン製の密封容器

ちなみに、最近お気に入りのシリコン製密封容器「スタッシャー」の重さを計ってみたら、容量293.5ミリリットルの「スナックSサイズ」で60グラムだった。

密封容器には「ジップロック」など、さらに軽量のものもあるけど、リサイクルや丈夫さを考慮するなら、こういった寿命の長いものを選びたいと思う。

そう考えると、缶が30〜40グラム程度というのは、決して重くない。

フリーズドライの容器。わずか6グラム!

一方、フリーズドライの親子丼が入っている包装(ラミネートフィルムとプラカップ)を計ったら、わずか6グラムだった。フリーズドライ自体の重さは26グラムあり(実測)、包装と中身を合わせても32グラムと、非常に軽い。

だが、しかし! このフリーズドライを食べるには、湯100ミリリットルを加える必要がある。包装、中身、湯を合わせると132グラムになるわけだ。2食分が入ったイワシのトマト煮缶(缶と中身を合わせて126グラム)より6グラム重い。

「缶詰は重たい」というのは、実は幻想なのであります。

むしろ、缶詰の問題は体積

缶詰は食べ終えたあともかさばる

じゃあ缶詰のデメリットは何なのかというと、体積であります。T2号缶なら直径8.5cm、高さが4.5cmある。2缶も持てば、リュックの中でけっこうなスペースを占めてしまう。そしてこのスペースは、食べ終えたあとも変わらない。フリーズドライの容器のように、小さく畳むことが出来ないからだ。

だが、このスペースは工夫ひとつで有効活用できる。ゴミ箱にするのであります。特にコーヒーのかすやティーバッグ、生ゴミ類を空き缶に入れて密封すれば、パッキングの時にぎゅうぎゅう押しても水分がにじみ出る心配がない。

また、缶はリサイクルできるのもいいところ。日本では空き缶(アルミ缶・スチール缶)のリサイクル率が90%を超え、とても高い。SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、缶は理想的な容器なのだ。

そして、中身の種類が他の加工食品に比べて圧倒的に多いという利点もある。肉、魚介、野菜にスイーツ、パンがあるし、アヒージョやパテなど、世界の料理が味わえる。

本格スイーツも缶詰で味わえる

そんなこんなで、登山に缶詰を持っていくべき3つの理由をまとめると

1,缶詰は、他の食材と比較して重くない
2,缶詰はSDGsである
3,缶詰はあらゆる料理が揃う

となる。みなさんも、まずはお気に入りの缶詰をひとつ持って、山に行きませんか?

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