投稿日 2020.06.17 更新日 2020.06.29

楽しむ

アウトドアの達人に学ぶ「山コーヒー」の道具、淹れ方、嗜み方

登山とコーヒーを楽しむ「山コーヒー」の世界へようこそ。雄大な景色を眺めながらのコーヒータイムは、他には代えがたい特別な時間です。苦労してたどり着いた山頂での贅沢な一杯、どうせ飲むなら最高に美味しいコーヒーを飲みたいものですよね。

山で珠玉の一杯を淹れるためには、どのような準備が必要なのでしょうか? 今回はご自身もカフェを経営し、山コーヒーにこだわりをお持ちのアウトドアコーディネーター、小雀陣二さんに、至高の山コーヒーを味わうために揃えたい道具、淹れ方のコツをお聞きしました。

目次

登山とコーヒーの美味しい関係

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見上げるような急登を目の前にすると「何でまたこんな事してるんだ」と登るのが億劫になる。それでも誘われると「お!いいね」と、また懲りずに山に登るし、間が空くと「なんだか、山に行きたい…」と思う。めんどくさがりながら、それでも私は山に惹かれる。

それはひとえに歩く楽しみ、登頂する達成感というような登山の楽しみ以外に、山で食べる美味しい食事。さらに、そこに”魅惑のコーヒー”があるからだと思う。山コーヒーの楽しみ方を知ることは、山での時間をより濃密なものにしてくれるのである。

山でこそコーヒーがおすすめな理由

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アウトドアメーカーを退社後、フリーランスのアウトドアコーディネーターとなり、雑誌などで料理ページを担当することが多くなった。幼い頃から食べることが好きで、友人とのキャンプではいつも食事担当だったことも、遠からず影響しているのかもしれない。

ついには料理好きが高じて、神奈川県の三浦半島の突端にカフェを開いた。はやいものでオープンして7年になる。

そんな仕事柄もあって、「山で何を飲むか?」と聞かれることがある。そういう時、決まって私はコーヒーと答える。一口飲んだ時のほっとする感覚、香りにとても癒される。登山は日常のルーティンのような生活とは違い、体力はもちろんや知力も使い、五感をより活用する。だからこそ、コーヒーを飲んだ時のホッとする感覚がいつもより深い。

朝起きて、仕事の合間に、休憩に。そして山でも飲む。コーヒーは一口飲むと何かを切り替えてくれる、スイッチのような不思議な飲み物だ。

旨いコーヒーを飲むためには「豆へのこだわり」が不可欠だ

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コーヒーを淹れる道具を説明する前に、一番大事なコーヒー豆について触れたい。豆の特徴はそれぞれ違っていて、そこがおもしろい。煎り方から、原産地、品種など選択肢は多岐にわたる。新たな味を発見するためにも、自分の好みを豆屋さんに相談して決めることをおすすめする。コーヒーロースター(豆焙煎屋)も増えたので選び放題。山行のたびに毎回豆を変えて楽しむのもいい。
 
個人的なコーヒー豆の好みとしては、甘みと苦味が感じられ、酸味が抑えられたコーヒーが一番気に入っている。自分の店では、友人のロースターと相談し、コロンビア産のメサデサントス農園の、甘みがあり爽やかな酸味のある豆を深煎りしたフレンチローストと、コスタリカ産のドンパブロ・ベジャビスタ農園の果実味が感じられる芳香な香りと甘み、酸味と苦味が抑えられている中煎りをブレンドして提供している。

コーヒーの味に関しては、最近ワインと比べられることがある。同じ果実から作られているため、香り、甘み、苦味、酸味など比べるポイントが同じだからだ。ワインには詳しくないが、赤ワインのカベルネ・ソーヴィニヨンという品種が好きで、この特徴は好みのコーヒーにも近い。

コーヒーの選択肢は膨大であり、奥深さはひとくちには語れないのだ。

持参必至の「登山用コーヒーミル」

また、(読者諸賢は、すでにご存知だと思うが)コーヒーは淹れる直前に挽いた方が、豆本来の鮮度や香りを楽しむことができるので、豆を挽くコーヒーミルも持参したい。

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私も使っており、これから山コーヒーを始めたいと思っている方にお勧めしたいのが、ジャパンポーレックス社の「コーヒーミル・Ⅱミニ」だ。丁寧に作られたこだわりのセラミック刃が気に入っている。セラミック製の歯は、酸化せず、豆に余計な匂いが付かない。さらに豆を挽きやすい。登山用のミルの購入を検討している様なら、少々値が張るが、ぜひともセラミック性をご検討いただきたい。

豆の保存と持ち運びにはこのアイテムがおすすめ

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気に入ったこだわりの豆は、自宅では必ず密閉容器に入れ、常温の陽の当たらない場所で保管したい。豆はどんどんと酸化していき、味が落ちてしまうからだ。2週間以上保管するなら密閉し冷蔵庫へ。それ以上なら冷凍庫という選択肢もあるが、正直なところおすすめはしない。なるべく新鮮なうちに飲んでしまうのがベストだ。

豆を山に持ち運ぶ時は、ジッパー付きの袋が軽量でいい。こだわる時は、より気分が上がるGoStakという筒型のクリアケースに入れている。密閉度が高く、強度もあり、安心して豆を持ち運ぶことができる。

一押し「ペーパードリップ方式」の淹れ方、必要アイテムは?

淹れ方
至高のコーヒーを淹れるためには、紙のフィルターでコーヒー粉を漉す「ペーパードリップ方式」がおすすめだ。抽出の仕方によって味わいに違いが出るのがおもしろい。山行での後片付けも、ジッパー付きの袋にまとめておくと捨てやすい。

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クッカー
湯を沸かすポットやクッカーは、すでにお持ちのもので基本的には問題はない。しかしコーヒーが淹れやすいように細くゆっくり注げる口があると尚よい。最近はアウトドア用のコーヒーポット(ケトル)のようなグッズもあるので、さがしてみよう。

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ドリッパー
コーヒードリッパーは、軽いものからユニークな形のものまで、各社素材もいろいろある。見た目のデザインや素材感、使うカップの大きさなどに合わせて選ぶといい。

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カップ
コーヒーを飲むカップは、素材や重量、デザインなど好みのものを探すのも楽しい。中空チタン製のダブルウォール式マグカップは保温力が高くまた軽量性もあるので、最後まで熱い状態でコーヒーを楽しむことができる。参考にしてもらいつつも、自分のお気に入りのマグカップで飲むコーヒーが一番格別なのは間違いはない。

至福の一杯を生む、山コーヒー必須道具まとめ

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今一度、ここで山でコーヒーを淹れるために必要な道具をまとめてみよう。

・コーヒー豆
・コーヒーミル
・クッカー(もしくはケトル)
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・バーナー
・ガス缶
・マグカップ

正直、コーヒーのためだけに持ち運ぶ荷物が増えるのは悩ましい。ここに挙げただけでも、それなりにかさばるので、山行に持っていくべきか迷うところだ。

だが、至高の一杯を飲むために、多少の重量は目をつむることも必要なのである。

豆ではなく粉にすれば、より荷物はコンパクトになるし、さらに軽量にしたいのであれば、インスタントコーヒーという選択肢もある。どこまでこだわるかは本人次第だ。自分の体力と計画にあった荷物で登山に向かって欲しい。

今回は、至福の一杯のために必要な道具やコーヒー豆について話をしたが、楽しみ方も様々で奥が深いのがコーヒーの世界。次回は、ドリップ編。実際に至高のコーヒーの淹れ方を紹介したいと思うので、ぜひとも楽しみにして欲しい。

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