島根の山
安蔵寺山
標高 1263 m
安蔵寺山(あぞうじさん・あぞうじやま)は、島根県益田市、鹿足郡津和野町および同郡吉賀町の境に位置する標高1,263.2メートルの山である。 県境を接しない山としては、島根県最高峰とされる。山体全域が西中国山地国定公園に属する。 山塊は南北に延びる尾根を有し、西中国山地屈指のブナの天然林を誇る。 登山道は津和野町側の奥谷登山口から南へ尾根を縦走するコース、益田市側の伊原谷登山口から山頂へ直登するコース、吉賀町のゴギの郷からのコースがある。近年尾根直下を貫通する安蔵寺トンネルからのコースが出来た。 2019年に「ナラ太郎」の愛称で呼ばれていた樹齢約600年のミズナラの巨木が倒れているのが見つかった。
比婆山(広島県)
標高 1261 m
比婆山連峰は広島県北部と島根県境にあり、烏帽子山、池ノ段、竜王山、吾妻山などを含む1200m級の山々が9座連なる。立烏帽子山の北北西方向、イザナミノミコトの御陵と伝えられる巨石があり、この峰を比婆山(標高1261m)あるいは比婆山御陵と呼ばれている。烏帽子山から比婆山、池ノ段、立烏帽子山の縦走が人気。比婆山山頂はブナの原生林に覆われ展望は望めないが、池ノ段山頂からは360度のパノラマが広がり、比婆山、吾妻山、毛無山、遠く伯耆大山や日本海、東に道後山、西に猿政山、南に竜王山と一望できる。4月から11月までミズバショウ、ヤマツツジはじめ様々な草花がみられ、紅葉は特にすばらしく県内随一のブナの名山。島根県安来市にも比婆山(標高331m)があり、そのどちらにもイザナミノミコトの神話伝説が残る。
吾妻山(島根県)
標高 1238 m
吾妻山は、島根県と広島県北部の境にある、標高1238mの山。広島県側の比婆山連峰と相対している独立峰である。緩やかな稜線が伸び、吾妻山と烏帽子(えぼし)山の間に広がる大膳原(だいぜんばら)から見る山容はなだらかで美しい。この一帯にはイザナギノミコトの伝説が残り、吾妻山という山名の由来は、イザナギノミコトが指呼の間の比婆山に眠るイザナミノミコトを「吾が妻」と追慕されたことによるらしい。また、比婆山連峰の立烏帽子山の北北西方向に、イザナミノミコトの御陵と伝えられる巨石がある。吾妻山は大峠駐車場から登山する人が多く、なだらかな草原の中に池が点在し、草原を囲む尾根を周遊できるハイキングコースもある。ブナ林と春から秋にかけては多くの草花が楽しめる。広島県側の池の原からは整備された道になっており、普段着で登る人も多い。
烏帽子山(広島県庄原市)
標高 1225 m
烏帽子山は、広島県北部と島根県の境にある、標高1225mの山。比婆山連峰の一座である。県民の森公園センターから登る場合、出雲峠を経由して山頂へ。出雲峠にはベンチがあり、さらに進むと桧林に入る。谷から尾根に上がると、見事なブナの巨木が次々と現れ、やがて展望の良い広々とした台地の山頂へたどり着く。山頂には方位盤とベンチがあるので、ゆっくりと休憩しよう。その先に比婆山、立烏帽子山があり、人気の縦走路となっている。立烏帽子山の北北西方向に、イザナミノミコトの御陵と伝えられる巨石があり、時間に余裕があるならぜひ立ち寄ろう。また烏帽子山からは吾妻山(あづまやま・1238m)方面へ縦走することもできる。
小五郎山
標高 1161 m
小五郎山(こごろうさん)は、山口県岩国市錦町宇佐郷にある標高1,161.7mの山である。中国山地西部の冠山山地に属しているこの山は西中国山地の雄として、その名を知られ、中国百名山にも指定されている。 かつては宇佐ヶ岳と呼ばれていたこの山は、小五郎と駿馬にまつわる伝説にちなんで、現在は小五郎山と呼ばれるようになっている。そんな小五郎山は南北に一直線に伸びる稜線を擁し、東西方向にはそれぞれ急峻な山腹と深い谷を以って山深い錦の地に座している。この急峻な山腹と深い谷のうち、山の西側の谷を流れている深谷川は、その昔は山の南麓を流れる川に合流し、吉賀町を経て、高津川となり益田市にて日本海に注ぎ込んでいたのであるが、宇佐川上流が大きく浸食を受けた結果、現在では錦川となって、岩国市内で広島湾に注ぎこんでいる。また、この山は稜線部がクマザサに覆われた山としてもよく知られており、積雪期以外はササの下に付いた細々とした踏み跡を頼りにしつつ、背丈ほどのササを漕いで登らねばならない。しかしながら、雪深くなる積雪期には、クマザサも雪に埋もれるため歩き易くなり、雪山の経験のある者であれば、ハイキング感覚で手軽に登山を楽しむこともできるという。そのようにして、クマザサをかき分けながら登り切った山頂からは鬼ヶ城山、羅漢山、香仙原、安蔵寺山など、山口、島根両県の山々をまるで手中に収めたかのように一望することができる。