初心者向けの山

  • 乗鞍岳

    標高 3026 m

    • 長野
    • 岐阜

    乗鞍岳は長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる日本百名山の一峰。標高2,702mの畳平までエコーラインとスカイラインの車道が通じており、バスでアクセス可能。ここを起点に登山をすれば標高差約320m・1時間30分ほどで山頂に立てる。バスは岐阜県側の平湯かほおのき平、長野県側の乗鞍高原から乗車できる(畳平まではマイカー規制がある)。乗鞍岳は最高峰の剣ヶ峰(標高3,026m)を主峰とし、朝日岳や摩利支天岳、富士見岳など23の山々の総称である。山名の由来は、なだらかな山容が馬の背に鞍を置いたように見えることから。畳平からのコースは危険箇所も少なく初心者でも歩けるコースだが、天候急変時の怖さは高山ならでは。備えは万全にして登山に臨みたい。日帰り登山者が大半だが、肩ノ小屋に宿泊してご来光を眺めるのもおすすめ。

  • 北横岳(長野県)

    標高 2480 m

    八ヶ岳は南北に連なる火山群の総称で、夏沢峠を境にして北八ヶ岳と南八ヶ岳と区分けされている。最高峰の赤岳を筆頭に険しい岩稜帯が続く南八ヶ岳に対して、針葉樹の森に池沼が点在する北八ヶ岳と、ひとつの山塊で雰囲気の異なる山を味わえるのが八ヶ岳の魅力。この南北八ヶ岳の両方に「横岳」が存在するため、北八ヶ岳に位置する横岳は北横岳(きたよこだけ)と呼ばれている。冬季でも晴天率が高くて比較的積雪量の少ない八ヶ岳は、雪山登山者も多い。ロープウェイが利用できて、途中に山小屋もある北横岳は、本格的な雪山登山を始める人向けの山としても賑わう。双耳峰の山頂からは、蓼科山や南八ヶ岳の連なりはもちろん、南アルプスに中央アルプス、御嶽山、北アルプス、遠く頸城山塊まで見渡すことができる。原生林に山上の池など森深い北八ヶ岳エリアの要素を味わいながらの、本格的な登山を楽しめる。

  • 大菩薩嶺

    標高 2057 m

    山梨県の甲州市と丹波山村の境界に稜線を延ばす大菩薩連嶺の最高峰。路線バスが走る上日川峠を起点にすれば初級者でも無理なく周回できるため、初めての日本百名山として人気が高い。深田久弥の『日本百名山』では最高点を大菩薩岳として紹介しているが、現在は大菩薩嶺と呼ぶのが一般的だ。この山頂はコメツガ林に覆われて展望が開けないものの、大菩薩嶺と大菩薩峠を結ぶ草原状の稜線は花の多いのびやかな道が続き、富士山を眺めながらの山歩きが楽しい。明治~昭和の小説家、中里介山の未完の大作『大菩薩峠』は、山小屋・介山荘の立つ大菩薩峠でのある事件から始まる時代小説で、峠西側の勝縁荘(建物のみ残る)は中里介山や深田久弥にゆかりのある山荘だ。

  • 美ヶ原(王ヶ頭)

    標高 2034 m

    長野県松本市の南東部に位置する日本百名山の一山。なだらかなピークがいくつかあるだけのほぼ平坦な高原で、最高峰はホテルや電波塔の立つ王ヶ頭だ。高原全体がアルプスや八ヶ岳などの好展望台として知られるが、展望を楽しむのなら40座を超える日本百名山が望めるといわれる王ヶ頭や、高原西端にある王ヶ鼻がおすすめ。詩人・尾崎喜八の『美ヶ原溶岩台地』の詩が刻まれた美ヶ原のシンボル・美しの塔が立つメインコースはほぼ牧場内を歩く道で、レンゲツツジの群生地(例年6月下旬~7月上旬)は見どころのひとつだ。東側登山口には美ヶ原高原美術館や道の駅、西側登山口には自然保護センターなどが立ち、山歩きのエリアというよりは、「高原ハイクが楽しめる観光地」の雰囲気が強い。

  • 入笠山

    標高 1955 m

    入笠山(にゅうかさやま、にゅうがさやま)は、長野県の中西部にある赤石山脈(南アルプス)北端の標高1,955 mの山。 赤石山脈(南アルプス)の最北部にある山で、いわゆる「南アルプス前衛の山」の一つである。ただし南アルプス国立公園の範囲には含まれない。山頂には点名「入笠山」の二等三角点が設置されている。山頂近くまでゴンドラリフトや車道が通じているため、比較的容易に登頂することができる。山頂からはほぼ360度の大展望が広がり、南・中央アルプス・八ヶ岳はもとより富士山や、遠くは北アルプスなども望める。周辺には大阿原湿原や入笠湿原などがあり、これらの湿原に自生する植物を楽しむこともできる。 登山コースは、中央本線の青柳駅またはすずらんの里駅からのコースもあるが、登山者は極めて少なく、沢入登山口からのコースが一般的であり、よく整備されている。植生保護のための動物侵入防止用の柵が設置されている。 この山の北東側の斜面に富士見パノラマリゾートがあり、冬季はスキーやスノーボードを楽しめ、夏季はハイキングやトレッキングだけでなく、日本最大級のマウンテンバイクのダウンヒル (自転車競技)コースやパラグライダー教室の体験もできる。一方西側には牧場が広がり、春から秋にかけて牛が放牧されている。 山頂付近にはJAXAの施設「入笠山光学観測所」が設置されており、スペースデブリと小惑星の探索に使用されている。

  • 剣山

    標高 1955 m

    剣山は、徳島県美馬市、三好市、那賀郡那賀町の境にある標高1,955mの山。徳島県の最高峰であり、西日本でも同じ四国(愛媛県)の石鎚山に次ぐ第二の高峰だ。山名の印象とは異なる女性的な山容で、山頂部は木道が敷かれた「平家の馬場」と呼ばれる広い笹原になっている。山頂からは徳島県第二の高峰・次郎笈(じろうぎゅう)、遠く石鎚山を望むこともできる。登山コースは複数あり、代表的な登山口は劔神社が建つ北面の見ノ越。ここを起点に登山リフトを利用すれば、1時間ほどで山頂に立てる。危険箇所も少なく、子ども連れでも無理なく登ることができる。7~8月にかけて、宮尾登美子の小説『天涯の花』で紹介されたキレンゲショウマの黄色い花が見られる。

  • 一切経山

    標高 1949 m

    福島県北部、吾妻連峰・吾妻火山群に属する活火山。山名の由来として、平安中期の武将、安部貞任(空海などの僧という説もある)が聖典である一切経をこの山に埋めたという説がよく知られている。活火山ゆえに、浄土平から山頂へと続くメインコースのある南面一帯は岩礫だらけで味気ないが、山頂から見おろす瑠璃色の五色沼は感動的だ。魔女の瞳、吾妻の瞳とも呼ばれるその絶景は、コース下部にある酸ガ平湿原・鎌沼とともに一切経山の魅力を高めている。なお、2020年3月現在、噴火警戒レベルこそ1に下がっているものの、大穴火口からの火山ガス噴出などの影響でメインコースは通行できない。山頂に立ちたい場合は、北東面にある高湯温泉側の不動沢登山口から家形山中腹を経由することになる。

  • 霧ヶ峰

    標高 1924 m

    諏訪湖の北東に位置する日本百名山・霧ヶ峰の最高峰。山頂からは八ヶ岳や南・北・中央アルプスなどのパノラマが広がる。観光道路のビーナスラインが高原の南側を通っているため、マイカーでのアプローチも容易だ。霧ヶ峰には八島ヶ原、車山、踊場の3つの大きな湿原があり、いずれも「霧ヶ峰湿原植物群落」として国の天然記念物に指定されている。この湿原を中心にした一帯は、初夏のレンゲツツジに始まり、夏のニッコウキスゲ、ワタスゲ、秋のヤナギランなどの花に彩られ、多くのハイカーたちで賑わう。とはいえ、車山を起点とした霧ヶ峰一周は予想外に時間がかかる。スタートが遅いときや人数が多い場合は、短縮コースを事前に把握しておこう。日没の早い秋は特に大切なことだ。

  • 茶臼岳(那須岳)

    標高 1915 m

    茶臼岳(ちゃうすだけ)は日本百名山に選定されている那須岳(なすだけ)の一座で、栃木県那須郡那須町に位置する標高1915mの山である。北側に連なる朝日岳(1896m)・三本槍岳(1916m)とあわせて那須三山と呼ばれ、さらに南月山(1776m)黒尾谷岳(1589m)を加えて、那須五岳とも呼ばれる。東麓には今なお噴煙を上げる噴気孔があり、山頂周辺も火口跡の凹部が残る、荒涼としたガレ場が広がっている。詳細は那須岳を参照。
 https://yamap.com/mountains/95

  • 八幡平

    標高 1613 m

    岩手県と秋田県の県境に位置する、その名のとおりのなだらかな山。古代の噴火の影響で火口湖や小さなピークが点在し、夏の花の時期は何とも美しい景観を見せる。県境の登山口から山頂までの標高差はわずか70mほどで、歩行時間は約30分。日本百名山のなかで最も楽に山頂に立てる山のひとつだ。平らな山であり、針葉樹に包まれていることもあって展望はそうそう期待できないが、八幡平三大展望地と呼ばれる山頂東側の源太森、茶臼岳、南側の畚岳(もっこだけ)からは近接する岩手山などの大きな眺めが広がる。また、近年話題となっているのが、山頂近くにある鏡池の雪解け時のみに見られる「八幡平ドラゴンアイ」だ。池水と残雪がつくる巨大な目の玉を見られる時期は5月中旬~6月中旬。