日本三百名山

  • 野口五郎岳

    標高 2924 m

    • 富山

    長野県と富山県の県境に延びる人気コース、裏銀座縦走路の前半部に位置する。そのユニークな山名は、長野県大町市の野口集落と“ゴーロ(大きな石や岩の堆積地)”の当て字である“五郎”を組み合わせたものといわれる。なだらかなスタイルを持ち、裏銀座縦走路のなかでは目立たない存在だが、コース中の山々の標高でみれば槍ヶ岳に次いで鷲羽岳とともに2番目の高さ。山頂の西側には五郎池が佇むカール地形も見ることができる。また、裏銀座縦走路を歩く登山者はたいてい、初日の烏帽子小屋のあとは野口五郎岳を越えて水晶小屋あたりまで足を延ばすが、山頂北側にある野口五郎小屋に泊まるスケジュールもおすすめだ。昔ながらの山小屋の雰囲気を味わえるだけでなく、混雑を多少なりとも避けることができる。

  • 三俣蓮華岳

    標高 2841 m

    三俣の名のとおり、岐阜・長野・富山3県の県境にそびえる日本三百名山。烏帽子岳から槍ヶ岳に向かう裏銀座コース、そして近年、西銀座ダイヤモンドコースと呼ばれるようになった折立から太郎山、黒部五郎岳を経て槍ヶ岳に向かうコースの交点でもある。多くの登山者はそのまま槍ヶ岳をめざすことになるが、この山の南部にある双六小屋からは、槍・穂高連峰の岐阜県側登山基地である新穂高温泉や人気の百名山、笠ヶ岳方面に進むこともできる。三俣蓮華岳は高山植物の多い山としても知られ、南東面にあるカールには広大なお花畑が広がる。そこから双六小屋へと続く山腹の道も花がいっぱいだ。ただし、この道を歩くと双六岳の山頂を踏めないことになるので注意したい。

  • アサヨ峰

    標高 2799 m

    アサヨ峰(アサヨみね)は、赤石山脈の甲斐駒ヶ岳と鳳凰山とを結ぶ早川尾根上にある山である。標高は2,799m。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳といった南アルプス北部の山々を好位置で展望することができる。 山名の由来は、「朝早くから日が当たる山」という意味と言われている。 北沢峠からのルートと広河原からのルートがある。前者には仙水峠を経て、もしくは直登で栗沢山へ登り早川尾根を縦走するルートであり、後者は広河原峠に登り、これもまた早川尾根を伝うルートである。麓や車の通じる所から直接登る登山道はない。

  • 蓮華岳

    標高 2798 m

    蓮華岳(れんげだけ)は、飛騨山脈北部、富山県中新川郡立山町と長野県大町市とにまたがる標高2,799 mの山。日本で66番目に高い山。針ノ木峠を挟んで針ノ木岳の東側に対峙している。 東西に長い頂稜は、濃飛流紋岩型の溶結凝灰岩からなる。山頂の西には若一王子神社の奥宮があり、山頂には二等三角点(点名が「蓮華岳」、標高2,798.73 m、1902年(明治35年)に選点)が設置されている山頂付近の砂礫地の斜面には、コマクサ、アオノツガザクラなどの高山植物が自生している。針ノ木峠までの後立山連峰の南側に位置し、麓の大町市から眺めると円錐形のどっしりとした山容である。蓮華岳の山域を含む飛騨山脈の主要な山域は、1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園の指定を受けた。日本山岳会により日本三百名山の一つに選定されている。針ノ木岳と蓮華岳が大町市を代表する山として「信州ふるさと120山」の一つに選定されている。別称が、烏帽子岳と北針ノ木岳。周辺との山並みを蓮の花に見立てその中心の山であることが山名の由来であると見られている。

  • 唐松岳

    標高 2695 m

    長野県と富山県の県境・北アルプス後立山連峰の中央部に位置する山。標高は2,696m。山頂から東に八方尾根が伸び、その麓には国内規模の規模を誇る八方尾根スキー場がある。山頂へは、その八方尾根がメインコースとなる。スキー場のゴンドラやリフトを利用して、標高1,840m地点の八方池山荘へ。途中の八方池までは快適な稜線散策、その先は本格的な登山道になるが、難しい岩場はない。大展望の山頂から北に白馬岳、南に五竜岳があるが、そこに至るルートは岩稜帯が続き、特に白馬岳へは不帰ノ嶮を越える必要がある。可憐な高山植物は7月上旬〜8月中旬にかけて、紅葉は9月下旬〜10月中旬にかけて楽しめる。山頂南直下に唐松岳頂上山荘が建っている。

  • 爺ヶ岳

    標高 2670 m

    朝日岳、白馬岳方面から針ノ木峠方面へと続く後立山連峰の南部に位置する。南峰、北峰、中央峰の3つの峰からなり、最高点は中央峰の2670m。三角点も中央峰にある。春には、種蒔きをするお爺さんの雪形が現われ、この雪形が山名の由来といわれる。北の稜線続きに人気の鹿島槍ヶ岳があるため、爺ヶ岳は通過ポイントと思われがちだが、広大なお花畑や山頂からのパノラマはすばらしく、この山だけをめざす登山も大いに価値がある。山頂北側の赤岩尾根からのアプローチも可能だが、通常は南面の扇沢から柏原新道を登って山頂をめざす。柏原新道を登りきった稜線上にはお花畑に囲まれた有人の種池小屋が立ち、周囲の山々をオレンジに染める朝焼け・夕焼けはみごとだ。

  • 越百山

    標高 2614 m

    越百山(こすもやま)は、長野県上伊那郡飯島町と木曽郡大桑村にまたがる標高2,614 mの山。北には南駒ヶ岳、南は奥念丈岳へと続く木曽山脈(中央アルプス)南部の主稜線上にある。別名が越百岳(こすもだけ)。 周辺の木曽山脈の山域は1951年(昭和26年)11月22日に長野県の中央アルプス県立自然公園(後の中央アルプス国定公園)に指定された。山頂の南にある南越百山(標高2,569 m)から北側が高山帯で、その南側が亜高山帯となる。稜線一帯は領家変成帯に属し灰白色の伊奈川粗粒花崗閃緑岩で構成されている。山頂には、大きな花崗岩の岩と三等三角点(点名「越百」)がある。山頂付近は風化した砂礫地の森林限界で、アオノツガザクラ、イワツメクサ、トウヤクリンドウ、ヒメウスユキソウなどの高山植物が見られる。その下部では針葉樹林にダケカンバなどが混じり、林底にはクマザサや亜高山植物が分布している。ハイマツに覆われた山の上部はならだかな山容である。山頂は見晴らしが良く、東に赤石山脈(南アルプス)とその稜線越しに富士山、周辺の中央アルプスの山々、西に白山、御嶽山、乗鞍岳、穂高岳などを望むことができる。日本三百名山および信州百名山のひとつに選定されている。

  • 国師ヶ岳(国師岳)

    標高 2591 m

    国師岳(こくしだけ)は山梨県山梨市と長野県南佐久郡川上村の境界にある標高2,592 mの山である。国師ヶ岳(こくしがたけ)とも呼ばれる。 奥秩父山塊の主脈にある山の一つで、花の百名山や山梨百名山に選ばれている。山頂には一等三角点が設置されている。また、山名の由来は夢窓疎石の偉業に対して地元民が付けたといわれている。 登るには、大弛峠から入るのが最も容易。道中の展望台「夢の庭園」では眺望が開ける。途中には前国師岳と呼ばれるピークがある。他には甲武信ヶ岳方面から縦走することもできる。近辺に窪平温泉がある。

  • 奥茶臼山

    標高 2473 m

    奥茶臼山(おくちゃうすやま)は、長野県飯田市と下伊那郡大鹿村にまたがる赤石山脈(南アルプス)の標高2,474 mの山。山頂には二等三角点が設置されていて、山頂部は大鹿村に位置する。 山域がシラビソ、コメツガなどの亜高山帯針葉樹林の国有林となっている。山域は南アルプス国立公園の指定区域外である。日本山岳会により日本三百名山の一つに選定されている。別称が、上沢山、中山日向。江戸時代には、キダル前山と呼ばれていた。北麓の釜沢では東斜面に朝日が当らず、昼ごろに日が当たるころから「お昼山」と呼ばれている。1343年(興国4年)から約30年後醍醐天皇の宗良親王が北山麓の大河原城に滞在した。麓から林道が頂上近くまで延びるにつれて、国有林の伐採が進み、ニホンジカなどが生息している。伊勢湾台風により倒木の被害を受けたが、天然更新が進み、樹林下ではオサバグサ、マイヅルソウ、コケ類などが自生している。

  • 鉢盛山(長野県東筑摩郡朝日村)

    標高 2447 m

    鉢盛山(はちもりやま)は、長野県西部の松本地域と木曽地域との境界にある標高2,447mの山。 松本市、朝日村、木祖村にまたがる木曽川の源流部の山。松本盆地南西部の朝日村の住民にとってはシンボル的な存在となっていて、鉢に盛り付けをしたような丸いどっしりとした山容である。松本盆地南部ではかつて、鉢盛山から北の山を西山と呼んだ。江戸時代には「八盛山」と呼ばれていた。雨乞いの信仰の山として、神事が1949年(昭和24年)まで麓の村民らにより行われていた。麓の松本盆地には、「鉢盛山に雲がかると雨」という天気占いの言い伝えがある。春先には「鉢盛颪」とよばれる地方風が塩尻市街地に向かって吹く。日本三百名山に選定されている。