大峯奥駈道登山練行
大峯奥駈道 その1(吉野~山上ヶ岳)
(奈良)
2024.05.23(木)
4 DAYS
吉野から本宮へ、大峯奥駈道を逆峯で巡ってきました。
今回は3泊4日、1日目と2日目は小屋泊、3日目はテント泊の予定。
僧侶としての登山練行の為、白衣に鈴懸(袴のみ)、小野塚五条、引敷、貝の緒、頭襟に錫杖に念珠という出立ち。ただし足元は歩き慣れたビボベアフット。
ザックは40リットル。ベースウェイト6キロで水2リットルと食料含めて10.5キロ。
食料は予備含めて9食分と行動食、合計12000キロカロリー。
できるだけ精進に努めるべく、朝食はグラノーラにドライフルーツとスキムミルクを追加したものを用意。昼食は尾西の赤飯。夕食はフリーズドライの野菜カレー。あとはコーンスープとココアと大好きなコーヒー屋さんのドリップコーヒーを用意。
行動食はマグオンのジェルやらブラックサンダーやら羊羹やら飴ちゃんやら数種類を飽きないよう用意。
メインは素焼きのミックスナッツにトレイルバーを細切れにして追加し、ドライフルーツ(レモン)と柿の種を足したモノ(毎回行動食に柿の種を入れてしまうが、正直水分を奪われて余計に喉が渇くので水場の少ない奥駈のような登山道では失敗でした)
初日は09:00に自宅を出発。吉野駅に14:00着。準備をして14:15スタート。
4時間歩いて二蔵宿にて小屋泊。水場は小屋から往復10分ほどで確保。小屋は貸切で快適に休めました。
2日目は02:00起床、お湯を沸かしてコーヒーとグラノーラで朝食を取り、昼食にするため尾西の赤飯に少し多めに水を入れてザックにしまい、いざ出発!
真っ暗な中をひたすら進み、大天井岳を過ぎて五番関の女人結界門へ。お勤めを済ませて大峰山寺へ。
この日のゴールは釈迦ヶ岳を越えてすぐの深仙宿。予定行動時間は15時間。道中無心で進む為読経しながら歩きます。
予定通り、洞川小屋、大峰の行場、大峰山寺を超え小笹宿へ。ここは水場が豊富なのでたっぷり2リットル補給。荷物を整理していると、小屋の中で休憩していた奥駈中のハイカーさんが登場。youtuberの方らしく、これも何かの縁と普段は断るのに顔出しOKでインタビューを受ける。正直とっても恥ずかしい……。
その後、大普賢岳やら七曜岳やらを登って降りての繰り返し、行者還小屋で昼休憩し、弁天の森ででっかい青大将にびっくりして、14:00前に弥山に到着。
14:20に八経ヶ岳。18:15に2日目のラスボス釈迦ヶ岳に到着。そして、何とか予定通り18:40に深仙宿にたどり着けました。
途中、鳥の水がわずかに出ていたので取水しましたが、水質が悪いのか浄水器を通しても生臭さが消えず、もったいないが深仙の水場で総入れ替え。深仙の水はめちゃくちゃ美味しい!!
2日目の夜は私と他2名の登山者で登山談義に花を咲かせ21:00過ぎに就寝。
3日目02:00に起床するも風が強く03:30まで待って出発。
ここから南奥駈道に入りさらに道が険しくなっていく。
諸先輩方に聞いていた通り細かなアップダウンを繰り返すハードな道行き。
前半は天狗の稽古場など歩きやすい道もあるが進むに従って狭い樹林帯や鎖場の連続を進まされる。まさに修行の道。
この日は雲ひとつない晴天。持経宿で水を補給するも暑さのお陰でみるみる消費していく。行仙岳山頂で昼休憩し、残り500ミリ。倶利伽羅岳の下りで親切なハイカーさんにこの先枯れている水場が多いと聞いていたので行仙宿の水場で2リットル補給(降り登り往復40分)
これで本日のゴール玉置神社まで大丈夫!
行けども行けども近づかない笠捨山を13:30に通過。鎖場の連続、槍ヶ岳と地蔵岳を必死になって登って下り、蜘蛛の口を過ぎて舗装道路と合流した時の安心感!!やっとここまできた!!
18:13ようやく玉置山へ到着!
感慨に浸る間も無く玉置神社でお勤めさせていただき、自動販売機の誘惑を振り切って本日の野営地である玉置辻へ。
日没までに辿り着けるはずが、大事な錫杖を神社の手水場へ忘れてきたことに下山途中で気づき慌てて取りに走る!(ザックを置いたら割と普通に走れることに驚く笑)
結局18:59の日没には間に合わず、19:06にゴール。
前日と同じ食事を取り、21:00に就寝。
4日目は02:00に起床。流石に体が重い。
今日は10:15の本宮発のバスに間に合えばいいので割と時間に余裕がある。荷物の整理をし朝ごはんを食べ、入念にストレッチしてから03:40に出発。
大森山、五大尊岳を順調に進むも、本宮から玉置神社へ向かう20人ほどの奥駈行中の団体さんに遭遇。しばらく進むとその団体さんから遅れていた1人の新客(初心者)さんがダウンしたらしく、声かけして寄り添うことに。
少しして同行の方が来られたようなので先に進むことにする。
その後も重い足を上げて進み続け、ついに09:40熊野川の川縁に到着。
しっかり沐浴して4日分の汗を流し、川を渡り大斎原を経て本宮大社へ。
なんやかんやでバスには間に合いませんでしたが、10:50全てのお勤めを終えました。
4日を通し天候に恵まれ、ほぼ予定通りの行程で、体の不調も無く無事に歩き通せたことは本当に有難いことでした。
ただし、廻りきれていない靡もあり、悔いが残るのも正直なところです。