2986m地点から眺める北アルプス御一行様。美。 戻る 次へ

立山の写真

2024.04.20(土) 10:12

2986m地点から眺める北アルプス御一行様。美。

この写真を含む活動日記

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654 m

立山

立山・雄山・浄土山 (富山)

2024.04.20(土) 日帰り

#登頂した山 雄山-大汝山 今年も立山黒部アルペンルートが開通!毎年開通からGWまで混雑必至の人気を誇る観光ルートですが、「雪深く美しい立山を間近で見たい」という想いを胸に訪問のチャンスを伺っておりました。GW前の週末は最初で最後。天気予報を睨みながら「今年は無理かな」と諦めかけていた木曜日の夜……なんと20日土曜日・好天の情報が!すぐさまチケット予約サイトを確認すると、なんとなんと7時台に2人分の空席が!というわけで、志を同じくする友人とともに雪の立山を体感してきました! 今回は、富山県側の立山駅より、ケーブルカーとバスを乗り継いで室堂平を目指すルートを選択。7時30分のケーブルカーを予約していたので7時前に立山駅に到着したのですが、第1駐車場は既に満車、第2駐車場は我々がブービーでした。予約があるからと油断せず、余裕をもった到着をオススメします。GW検討中の方は特に! さて、本日の立山連峰は予報どおりの快晴!バスの中から見える北アルプスがあまりにも美しく、室堂平に着いた時点で既にハイになっていましたが……いざ眼前に登るべき頂を見据えて登り始めると、さらにテンションが上がってしまいます。適度に締まった歩きやすい雪道をざくざくと登り進め、あっという間に一ノ越に到着!これまで何度も山行を共にしている友人に若干ヒかれるほど、元気いっぱいでした。天気が良いってイイですね! アイゼンに不調が生じている友人と相談し、雄山登頂は単独で先行することに。ここでトレッキングポールをザックに収め、仕入れてきたピッケル様を実戦投入!使い方確認ではなく本格的に活用するのは初めてでしたが、一ノ越からの急登とは相性抜群です!多少風が強くとも体勢を崩されることなく、安定したペースで登り進めることができました。山頂付近までほぼノンストップで登っていたところ、立ち止まっていた方から「そこに雷鳥がいるよ」と教えていただいて急停止。初めて見る真っ白な雷鳥に存分に癒され……そのままの勢いで雄山登頂を達成!実に快調でした。 さて、実は私、2年前に1度雄山に登頂しております。時期としては6月の閑散期、曇り空で眺望も良くはなかったため、いずれリベンジをと考えていたのですが……最大の心残りは、「立山連峰の最高峰・大汝山に行かなかったこと」です。当時の私は今よりさらに山の知識がなく、立山の最高地点を雄山だと思っていたのでした。大汝山方面を眺めると、数名の方がこちらに向かって歩いてきています。先行の方がいる!しかも天候は快晴で体力は充分!ということで、是非とも今日こそ最高峰へと心を決め、大汝山に歩を進めることに。ここからが、今回の山行の本番でした。 雄山山頂直下の急な崖が最初の難所。露出する岩場に足をかけ慎重に下っていきます。一歩踏み外すと滑落の危険はありますが、アイゼンの刃を岩場に滑らせないよう慎重に足を下ろせば、そこまで危険ではありません。最も危険なポイントは、その後ふたつほどの岩場を乗り越えた後にありました。岩場の高低差があるためトラバースせざるを得ないのですが……ここの斜面の雪質が、表面は硬く、しかし温められて崩れやすいという不安定な状態です。斜面に取り付き、小刻みなカニ歩きでゆっくり進んでいったのですが……ふとした弾みで右足を置いていた斜面が崩れ、右半身をピッケルだけで支える羽目になり、正直血の気が引きました。今シーズンの雪山山行で、「踏み抜いたら落ちるかも」という怖さは多々味わってきましたが、実際に足場が崩れたときの恐怖感は比べものになりませんね。慣れた方々がテンポよく進んでいても、対面でこちらの通過を待っている方がいても、なかなか先に足が伸ばせません。最終的には、露出している岩場に手をかけつつ、ピッケルを駆使してなんとか危険エリアを通過し、大汝山の頂に辿り着くことができたのですが……いや、怖かった!当然の如くその先の周回ルートは諦め、まっすぐ雄山山頂に帰還。目標を達成した喜びと無事に戻った安堵からくる脱力感の回復を待ちつつ、数杯の白湯を飲み干し、心を落ち着けてから下山しました。 雄山-大汝山の区間にかけた時間は、40分程度でした。しかし、今年の雪山シーズンを締め括る上で、最も得難い経験ができた時間だったように思います。来シーズン、どのような練習を重ね、経験していくか。しっかりと考える良いきっかけになりましたね。もっと精進せねば!そんな気持ちで、記念すべき初の3,000m峰活動日記を書き記しております。 最後に装備についてですが、この時期の立山では、手元にピッケル、足元は爪先のあるアイゼンをオススメします。特に雄山以北のルートでは両方が「必須」です。トレッキングポールやらチェーンスパイクではお話になりません。短時間でアタックできるとはいえ、3,000m峰を決して甘く見てはいけません。釈迦に説法とは思いますが、ぜひ気を引き締めて山行を楽しんでくださいませ。