<基本情報> ・アクセス 瀧尾神社、ナビだと少し分かりにくいかも…2つの駐車スペースに10数台くらい。 あまりクルマは来ません。すれ違い注意! ・ルート 1700m以下は、ササによる荒廃がまた進んでいる。マークを確認して進んでください。 雪は一日で状況が変化するので確定的な事は言えませんが、非使に少雪です。 ・小屋 快適 ・水 女峰の冷水、生きてます。 詳しい活動内容は写真と共にご覧ください。
<1日目、笹薮と雪の無い山> 瀧尾神社に車を止め、いつもの道を登る。「暖冬だけど、十年に一度の寒波(ワケ分からない!)」の中の登山が始まる。
殺生禁断碑の直ぐ上、もうササ被りが始まる。
チラリと女峰山、あれ?雪がない?
足元にルートはあるが、全くのササ被り。私の軌跡が登り下りでふらついているのは、歩きやすい所を辿っているだけでそうなつてしまうから。 霧降高原ルートが人気なので、覚悟はしていたが…。ここまで荒れているとは。
さすがに、男体山には雪がある。だったら女峰山も大丈夫と思ってしまう。 この先はササの背丈は小さくなるが、ルート自体が不明瞭になる。
笹の原を抜けると、ササの間にわずかに雪があるだけの落葉松金剛…暖かいのに冷や汗をかきそう。小屋の雪が少ないかも?
12月下旬とは信じ難い独標の姿!正にあっけにとられる光景。
そのくせ、七つ滝はガッチリ凍っている!
雲龍瀑も丸ごと氷の塊!頭を抱えそうになる。ここがこうなら、標高2150mの水場(その名も"女峰の冷水")は駄目では…と思い込んでしまう。
ある12月、あまりのラッセルの深さに負け、シャベルで雪を慣らしてここにテント張った事がある、のに!
田母沢のコルから上の樹林、申し訳程度の新雪があるのみ。アイゼン不要。
あまりの雪の少なさに、ちょっと混乱してくる。まるで11月の初雪の頃のようだ。 そう、雪山を始めたときに、女峰山には11月末から4月初めまで、6ヶ月連続で登ったことがある。 つまり、一つの山域の初冬から春までを経験した。あれは物凄く勉強になった! 本やネットのでは得ようのない経験だった。
?マークが頭の中に一杯で見た竜巻山山頂。
女峰山、思わず『ゲゲッ!』と言ってしまった。夏山じゃないか!
但し、樹林の中には嫌らしく雪がある。滑るがアイゼン履かない。
もの凄く脆いガレ場、アイゼン履こうかと思うくらい。
「我がこと終われり」とへたり込みそうな、雪のない小屋。 時間はたっぷりある、荷物を置いてとにかく山頂へ!
−20℃のテント泊想定の荷物、もちろんスノーシャベルもある。 でも、冬山では耐寒と非常時対応装備に"持ち過ぎ"は無い。
頂上へ、5cm位の雪しか無い。 アタックザックにアイゼンとゲイターを入れて登る…なんとも間抜けな格好に苦笑い。
頂上樹林の入口。普通の年ならここでラッセルに苦しむのだが…
快晴、風も弱い。絶好の1dayアタック日和だ! でも少ない雪の上に、どの方向からも踏み跡がない。
12月下旬の女峰山にアイゼン無しで登れてしまった!驚きだ。 −3.5℃、風弱く晴れているので寒くはない。 パット見、稜線にもほとんど雪が見えない。ま、見た目だけを流石に信じないが…。
白根山だけはこの雪深さで、快晴の中ここだけ今も雪が降っている! 日本海からさえぎるもの無く、寒風を受けるので、この山の冬の危険度は一桁違う!
赤薙方面、踏み跡なし!好天なのにもったいない。
上から見たがれ場、とても下り辛い。
下の水場は凍っていると思い込んで、仕方無くかき集めた雪。一見キレイだが、がれ場から舞い上がったホコリが入った濁った水になる。さすがの私も煮沸して飲む。 生水はもしかしてと、用心で持って来た水道水1リッターのみ。
すぐ風邪を引く弱い子のスマホは二重のケーシングの中、ログに専念してもらっている。写真はカメラ(*)頼り。 (*)coolpix B500 マクロ〜光学40倍、単三電池駆動(つまり、どこでも電池が買える!)、Bluetooth(高速画像転送用)、Wi-Fi(高画質転送用)装備で低消費電力!もうこんなカメラはどこも生産していない。便利なのに… ネットでやっと見つけた。
まだ、小屋の中はプラスの温度。夕焼け、晴れているのに雪が降り出す。予想通り寒気の流入か始まった。 こうゆう時は全く雲がなくても雪になる。
<2日目、ダイヤモンドダスト日和> 一気に小屋の中も−5℃まで冷え込む。まだまだ余裕! ロウソクとJETBoil、レトロと最先端。ても、火はあるだけで安心感がある。 靴下を3重、手袋を二重にし、カイロをそれぞれに忍ばせる。
街の灯は見えるが、星は見えない。どこからともなく、絶え間なく細かな粉雪が舞い降りてくるが、積もってはいない。今度はアイゼンとゲイターを装着して登る。
! 一夜にして別の山のようになった女峰山山頂。小屋との標高差はたったの200m余りなのに…。僅かの時間や標高差でこうも違う。冬山の怖さ。
−11.5℃、文句なしに寒い。
先に進む、薄い雪の岩場を突破すると、灌木帯に入る。とたんに、20センチのラッセル!ほらね、と変な納得をする。
ヤセ尾根の左右を乗り越しながらたどる。見た目は怖いけど大丈夫!
鎖場を越えて専女山山頂。
新雪と藪(灌木)の取り合わせは最悪!チョット油断するとこのザマ!変な所を踏み抜いて、転げ落ちてアバラにヒビが入ったことも…(まぁ、アバラ骨は一本くらいなら、ヒビか入っても、行動に支障が無いのも確認できたのは収穫だった。) 他の人のログでも、新雪の藪を歩いているのを見ると心配になる。
雪は粉雪から針のような細かな物になり、帝釈山ではダイヤモンドダストになる。 ゴメン、写真には写せなかった。
ダイヤモンドダストに煙る山頂…。
この日の最低、−12.5℃。
少し降ると、また粉雪になる。雨だと色々対応しないといけないが。雪は何もしなくてもいいのが良い。
今回は完全にノートレース、うさぎの足跡を追う。
…ま、色々あるのよ。
富士見峠、林道方向。5センチ位、どんどん降り積もる。
もちろん先に進む。小真名子山へ。
ただでさえ厄介な大岩の上に新雪、「しょうがないなぁ」と苦く笑って登る。
冷たい日が昇る。マイナス二桁の気温。
天使の梯子、天に召されるワケには行かない!
小真名子山東斜面、上部。雪が深くなる。
難所、確保・確保で登る。
斜面最上部から下を見る。余り眺めていると、引き込まれそうになるのでカメラに任せる。
着いた!吹雪の小真名子山 ここで私からYAMAPのみんなに大切なお知らせがあります
MERRY X'mas! I hope you have fun! そして… フォロワーの皆んな 今年もありがとう! 感謝、感謝、大感謝です!
突然晴れる。
女峰山〜帝釈山の吊尾根が見える。 その場にいる私もあきれる、天気の変わりよう。
私の好きな山は、次に登る山。大真名子山に向かう。 しかし、本当に雪が少ない。
鷹の巣、地面が見える!信じられない。
クリスマスシュトーレンはこれを模したお菓子らしい…食べたこと無いけど…。
冬は多雪地域で、必ずラッセルで苦しむ大真名子山北斜面。楽々登れる! これなら、厳冬期(*)日光五山縦走も可能だ。もうやらないけど。 (*)明確な定義は無いが、冬至〜立春位が目安だと思う。
大真名子山山頂部はさすがに雪深く、倒木も多い。
ほぼ一晩でできた雪景色(昨日の写真と比べてください)。 爽快な眺め!
しっかり雪深い。深くはないがラッセル続く。
山頂部の最後の急登、ラッセル深い。苦しい!
大真名子山山頂、あの頭に100均のサンタ帽子被せたい! 気温は上がって−8℃位、でも濡れた手袋で金属を触ると、
こうゆうふうに一瞬で凍り着く、素手で触ると皮膚が剥がれる。
やっかいな大真名子山の南の下り…のはずだが、顔に当たったり足をすくったりする木の枝がない!整備していただいたようだ。
あの笹藪も刈り払われている!! ありがとう!
林道をひたすら戻る。「やっぱり、大真名子山はデカイなあ」と感心する長さ。
また、雪が降り出す。今度は本降りだ。
大真名子山が見えなくなってくる。
スマホのカバーに舞い降りた雪の一瞬の美。
味気ない名前の橋を4つ渡る。
馬立、女峰山への分岐。
笹薮に埋もれ、今は滅多に登山者が通らない寂光ルートとの合流点、荒沢出合い。
荒沢出合いから上の登山道はまだ現役、急登を往く。
高度を上げると雪深くなる。本当は膝までのラッセルがこの時季当たり前。
な、なんと"女峰の冷水"が流れている!−8℃! 伏流水の強さをなめていました。昨日汲んでいれば、あんな"ピー"な水飲まなくて済んだのに…。 とても美味しい水!できるだけ飲んで、汲む。 勿論、少し残して持って帰って、コーヒー淹れました。美味なり。
あと一つボトルを持っていけば、今夜の水の心配は要らなかったのに… さすがに、もう一度降りるのはキツイので、新雪を集めて今夜の水を作る。 小屋の中は昨日より8℃以上低い−5℃くらい。水気のあるものは目をなすして、はっと気づくと凍っている。
吹雪の避難小屋、名探偵は居ないので死なないだろう。
<3日目、最後のご褒美> 朝は小屋内−8.2℃、外は−12.2℃。ラジオは大寒波と顕著な大雪の情報、『そうそう、こんな時に山に登っちゃだめだよ』と聴く。 脱皮途中で諦めたサナギの様に寝袋に半身入れて朝のルーチン。
じっとしていてもどんどん寒くなるだけ。食べるもの食べたらさっさと出発。 二日前とは別の季節のようなルートを降る。
急斜面を上から見る。新雪だけは大盛り大サービスだ。
モチロン、こんな時間に出たのには理由がある。それは…
このため!
去年も見たが、まさか今年も見られるとは思わなかった名画のような男体山。
赤に染まる独標。
では良いお年を! 今回はここまで ありがとう!