笠取山~多摩川誕生の地へ~

2023.12.09(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 12
休憩時間
1 時間 1
距離
10.8 km
のぼり / くだり
849 / 847 m
1
1 14
14
39
1 15
50

活動詳細

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2023年12月9日、埼玉県と山梨県の境にある日本三百名山「笠取山(1953m)」に登りました。笠取山は東京湾まで流れる多摩川の最初の一滴が生まれる「水干(みずひ)」と呼ばれるポイントや、多摩川・富士川・荒川の分水嶺(ぶんすいれい)である「小さな分水嶺」というポイント、そして山頂付近からの眺望が楽しめる山です。山頂直下には胸を突くような急登が待ち構えていますが、それ以外は比較的緩やかで、危険箇所もほとんどありません。 今回は、作場平からヤブ沢峠、笠取小屋を経由して笠取山山頂を踏み、多摩川の最初の一滴が生まれる「水干」を観察、笠鳥小屋から一休坂を下って作場平に戻る、コースタイム5時間半ほどの日帰り登山です。 【お知らせ】 登山道の様子やルート詳細の解説動画を公開しました。是非ご覧ください。 ★【徹底解説】笠取山(絶景の山頂と多摩川誕生の地を巡る日帰り登山) 作場平~ヤブ沢~一休坂周回 https://youtu.be/7KzJYgNzoi8 ★ひとり登山チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCMIE12AHq1elXrToA88tqAg 【アクセス】 中央高速の勝沼ICから一般道へ。眺望の良いフルーツラインから国道411号線、一之瀬林道と、どんどん山深くに入っていきます。勝沼ICから自動車で50分ほど走ると、登山口にある作場平駐車場に着きます。東京方面から高速道路を使わずに向かう場合は、国道20号で上野原まで向かい、そこから県道33号、18号、国道411号、一之瀬林道などを1時間半ほど走り続ける方法もあります。 登山口付近までバスなどは通っていないため、マイカーかタクシーでアクセスする必要があります。タクシーの場合、塩山駅から約1万円かかるそうです。 【駐車場情報】 作場平駐車場…無料、約20台駐車可、トイレあり、登山口至近、携帯電波なし(楽天モバイル)、駐車場までダートなし、満車の場合は途中に道端に臨時駐車場あり、登山口脇にも4台分駐車スペースあり 【ルート概要】 ①作場平駐車場~ヤブ沢峠(CT:1時間40分) 作場平駐車場に車を停め、橋を渡ると道沿いに登山口があります。登山口からしばらくは沢沿いの平坦な道。落葉松と檜が植えられた林の中、よく手入れされた道を歩きます。途中、すぐに小さな分岐が現れますが、どちらに進んでもすぐに合流します。やがて、小さな沢を渡る橋がたびたび現れるようになります。 沢沿いの、ほとんどアップダウンのない道を歩くこと20分、ようやく上り坂が現れます。丸太と敷石で手入れされた緩やかな階段を登っていくと、「一休坂分岐」に到着します。右に進むとやや急登の一休坂経由で笠取小屋へ登る道、直進するとヤブ沢峠経由でなだらかに標高を上げていく道で、どちらもコースタイムはほぼ同じです。今回は、なだらかなヤブ沢峠コースで登り、一休坂コースで下る計画にしました。 ★一休坂のルートは1月31日までの平日、シカの学術捕獲のため通行止めとなります。(https://www.ces-net.jp/okutamavc/wp-content/uploads/2023/11/sikahokaku-tizu.jpg)平日に計画されている方はご注意ください。 一休坂分岐を過ぎて沢を高巻きしながら進むと、再び沢を橋で渡りながら歩く道になります。沢の水音と野鳥の鳴き声を楽しみながらのんびり歩く道です。再び現れる一休坂へ繋がる道への分岐を通過し、迷いやすい分岐(写真参照)に注意しながら山腹を斜めに登れば、稜線上のヤブ沢峠に到着します。登山口からここまで、急な傾斜や危険箇所はありません。 ②ヤブ沢峠~笠取小屋~笠取山(CT:1時間15分) ヤブ沢峠には車も通れる広い砂利道が稜線に沿って走っています。ここから笠取小屋まではこの砂利道を25分ほど歩きます。アップダウンのほとんどない、なだらかな道です。宿泊もできる笠取小屋はテント場や水場、公衆トイレもあり、小屋の前の広場からは大菩薩嶺を眺めることができます。 笠取小屋から先、木が敷かれた歩きやすい道を歩いていくと、小さな分岐が現れます。左に進むと眺望が楽しめる雁峠を経由して古礼山や水晶山、遠く甲武信ヶ岳などまで続く縦走路に繋がります。分岐を直進し明るい草原を行くと、ちょっとした丘「小さな分水嶺」があります。この丘の中心には石標が立てられていて、この丘を中心に、降った雨が多摩川、荒川、富士川と別れることが分かるようになっています。また、富士山や南アルプス、国師ヶ岳などを眺めることもできます。そして、進む方向にはかなりの急傾斜でそびえ立つ笠取山山頂部が見えます。 小さな分水嶺を過ぎ、水干方面への分岐を過ぎて、小さなピークを越えると、ついに笠取山山頂へ続く急登が始まります。これまでなだらかだった分、急傾斜を標高差100m以上直登するこの道は体に堪えます。徐々にきつくなる傾斜を登り切ると、笠取山山頂部に到着します。本当の山頂はここから少し先へ進んだ所にありますが、このピークが最も眺望を楽しめるポイントです。東には奥多摩や秩父の名峰が並び、南には富士山、西に目をやると乾徳山や国師ヶ岳の向こうに、南アルプスが見えます。 展望ポイントからさらに奥へ、シャクナゲに囲まれた険しい岩稜を進むと、笠取山山頂1953mに到着します。三角点のある山頂からは秩父と富士山方面の眺めが楽しめます。 ③笠取山~水干・多摩川源流~笠取小屋(CT:1時間20分) 笠取山山頂からさらに岩稜を進みます。足元が切れ落ちた箇所もあるため注意が必要な区間です。最後にピークを越えた直後、分かりにくい分岐が現れます。そのまま稜線を直進すると黒槐山や唐松尾山へ続く道ですが、ここで右の「水干」のプレートがある方へ下っていきます。やがて十字路になっている分岐に辿り着きます。左は唐松尾山方面、正面はシラベ尾根方面、そして右に300m進むと水干です。 水干には水が湧いていないことが多いですが、さらに少し進んだ所にある道標から「水場道」方面に左折し、つづら折りの道を50mほど下ると、多摩川の水が湧き出すポイントに行くことができます。ここで生まれた水が東京湾まで138㎞旅すると思うと、なかなか感慨深いものがあります。ちなみにこの水場から急な階段を元の分岐まで戻ると思うとうんざりしますが、途中にある道を左折して進むと、それほど急登を上ることなく元の道に戻ることができます。多摩川の最初の一滴に手を触れてみることをお勧めします。 水干から山腹を巻く道を進んで行くと小さな分水嶺付近に戻りますので、そこからは来た道を歩き笠取小屋へ戻ります。 ④笠取小屋~一休坂~作場平駐車場(CT:1時間30分) 笠取小屋の前を奥へ進むと、分岐の道標があります。左はシラベ尾根方面、右は一休坂経由で作場平に下る道です。ここから数10m下ると水場があり、さらに下っていくと沢沿いの道になります。葉の落ちた落葉松の林の中、清らかな沢に沿って歩く気持ちの良い道です。小さな橋を渡ると道は沢を離れ、尾根の上を下り続ける道になります。標高差200m近く下り続けると、登るときに通過した「一休坂分岐」に到着します。そこからは登りで通った沢沿いの道を歩き、駐車場に戻ります。 【感想】 笠取山は秩父の奥地に位置し、大菩薩嶺や国師ヶ岳、甲武信ヶ岳などの有名な山に囲まれているため、それほど存在感の強い山ではありませんが、すばらしい山です。水音に囲まれながら歩ける沢沿いの道、多摩川の最初の一滴に出会える場所、そして山頂からの絶景など、短いコースタイムの中に見所が沢山詰まっています。山頂直下の急登以外は道がなだらかで、道標や登山道がとてもよく手入れされていて歩きやすいため、初心者の方にもおすすめできる山です。

和名倉山・笠取山・東仙波 土曜朝、多くの車で賑わう作場平駐車場(無料、20台、トイレあり)
土曜朝、多くの車で賑わう作場平駐車場(無料、20台、トイレあり)
和名倉山・笠取山・東仙波 登山口脇にも駐車スペースあり(4台程)
登山口脇にも駐車スペースあり(4台程)
和名倉山・笠取山・東仙波 林道沿いの登山口から登山開始
林道沿いの登山口から登山開始
和名倉山・笠取山・東仙波 落葉松、檜に囲まれた沢沿いの道を行く。
落葉松、檜に囲まれた沢沿いの道を行く。
和名倉山・笠取山・東仙波 小さな分岐あり。すぐ先で合流する。
小さな分岐あり。すぐ先で合流する。
和名倉山・笠取山・東仙波 何度も沢を渡って進む。橋がちゃんと整備されているので足は濡れない。
何度も沢を渡って進む。橋がちゃんと整備されているので足は濡れない。
和名倉山・笠取山・東仙波 一休坂分岐。帰りはここに出てくる予定。
一休坂分岐。帰りはここに出てくる予定。
和名倉山・笠取山・東仙波 沢沿いの道が続く。
沢沿いの道が続く。
和名倉山・笠取山・東仙波 沢の水が凍っていた。
沢の水が凍っていた。
和名倉山・笠取山・東仙波 再び一休坂への分岐が現れる。
再び一休坂への分岐が現れる。
和名倉山・笠取山・東仙波 葉が落ちた森の中を流れる沢。この水も多摩川に流れていく。
葉が落ちた森の中を流れる沢。この水も多摩川に流れていく。
和名倉山・笠取山・東仙波 桟道や橋を渡っていく。
桟道や橋を渡っていく。
和名倉山・笠取山・東仙波 迷いやすいポイント。右にも古い木道が見えるので進みたくなるが、尾根に登る。
迷いやすいポイント。右にも古い木道が見えるので進みたくなるが、尾根に登る。
和名倉山・笠取山・東仙波 迷いやすいポイントその2。沢に沿って木道が見えるが、折り返すように尾根に取り付くのが正解。
迷いやすいポイントその2。沢に沿って木道が見えるが、折り返すように尾根に取り付くのが正解。
和名倉山・笠取山・東仙波 壊れた橋。脇を歩いて渡る。
壊れた橋。脇を歩いて渡る。
和名倉山・笠取山・東仙波 車道が通るヤブ沢峠
車道が通るヤブ沢峠
和名倉山・笠取山・東仙波 広い砂利道を進んでいく
広い砂利道を進んでいく
和名倉山・笠取山・東仙波 笠取小屋
笠取小屋
和名倉山・笠取山・東仙波 笠取小屋前から大菩薩嶺が見える
笠取小屋前から大菩薩嶺が見える
和名倉山・笠取山・東仙波 笠取小屋付近、シカの群れがいた。増えすぎたため捕獲されているそう。
笠取小屋付近、シカの群れがいた。増えすぎたため捕獲されているそう。
和名倉山・笠取山・東仙波 きれいな公衆トイレあり。
きれいな公衆トイレあり。
和名倉山・笠取山・東仙波 雁峠への分岐。左へ進めば古礼山や甲武信ヶ岳などへの縦走路
雁峠への分岐。左へ進めば古礼山や甲武信ヶ岳などへの縦走路
和名倉山・笠取山・東仙波 左の丘が小さな分水嶺。
左の丘が小さな分水嶺。
和名倉山・笠取山・東仙波 小さな分水嶺。進む先には笠取山山頂が見える。
小さな分水嶺。進む先には笠取山山頂が見える。
和名倉山・笠取山・東仙波 小さな分水嶺から振り返ると、気持ちの良い草原と、乾徳山、国師ヶ岳が見える
小さな分水嶺から振り返ると、気持ちの良い草原と、乾徳山、国師ヶ岳が見える
和名倉山・笠取山・東仙波 いよいよ山頂への急登が迫ってきた。物凄い傾斜の道が見える。
いよいよ山頂への急登が迫ってきた。物凄い傾斜の道が見える。
和名倉山・笠取山・東仙波 胸を突くような急登が続く。
胸を突くような急登が続く。
和名倉山・笠取山・東仙波 急登を登り切った頂上。絶景が広がる。
急登を登り切った頂上。絶景が広がる。
和名倉山・笠取山・東仙波 頂上から眺める富士山
頂上から眺める富士山
和名倉山・笠取山・東仙波 頂上から眺める南アルプスや秩父の名峰
頂上から眺める南アルプスや秩父の名峰
和名倉山・笠取山・東仙波 頂上から眺める奥秩父の山々
頂上から眺める奥秩父の山々
和名倉山・笠取山・東仙波 登ってきた道を見下ろす。なかなかの高度感
登ってきた道を見下ろす。なかなかの高度感
和名倉山・笠取山・東仙波 山頂を目指して岩稜を進む
山頂を目指して岩稜を進む
和名倉山・笠取山・東仙波 笠取山山頂到着
笠取山山頂到着
和名倉山・笠取山・東仙波 岩稜の先に現れる分かりにくい分岐。ここを右に下っていく
岩稜の先に現れる分かりにくい分岐。ここを右に下っていく
和名倉山・笠取山・東仙波 十字路に到着。水干方面に進む。
十字路に到着。水干方面に進む。
和名倉山・笠取山・東仙波 水干到着。水は湧いていなかった。
水干到着。水は湧いていなかった。
和名倉山・笠取山・東仙波 水干のすぐ先の分岐を「水場道」方面に下っていくと、多摩川の最初の一滴に触れることができる。
水干のすぐ先の分岐を「水場道」方面に下っていくと、多摩川の最初の一滴に触れることができる。
和名倉山・笠取山・東仙波 多摩川誕生の地を発見。とても冷たく清らかな水だ。
多摩川誕生の地を発見。とても冷たく清らかな水だ。
和名倉山・笠取山・東仙波 ここで生まれた多摩川が138㎞流れて東京湾に出る。
ここで生まれた多摩川が138㎞流れて東京湾に出る。
和名倉山・笠取山・東仙波 この分岐を左に進めば、水干付近の道に楽に戻れる。
この分岐を左に進めば、水干付近の道に楽に戻れる。
和名倉山・笠取山・東仙波 水干の道に戻ってきた。笠取小屋を目指して進む
水干の道に戻ってきた。笠取小屋を目指して進む
和名倉山・笠取山・東仙波 1922年に東京市の市議団一行が視察で訪れた時の写真だそう。
1922年に東京市の市議団一行が視察で訪れた時の写真だそう。
和名倉山・笠取山・東仙波 笠取小屋に戻ってきた。この奥の分岐を右に下る。
笠取小屋に戻ってきた。この奥の分岐を右に下る。
和名倉山・笠取山・東仙波 笠取小屋直下にある水場。水量豊富だ。
笠取小屋直下にある水場。水量豊富だ。
和名倉山・笠取山・東仙波 気持ちの良い沢沿いの道を下っていく
気持ちの良い沢沿いの道を下っていく
和名倉山・笠取山・東仙波 一休坂コース。尾根の上をひたすら下っていく
一休坂コース。尾根の上をひたすら下っていく
和名倉山・笠取山・東仙波 一休坂の途中にある分岐を通過
一休坂の途中にある分岐を通過
和名倉山・笠取山・東仙波 登山口脇の駐車スペースも満車だった。臨時駐車場にも車があった。人気の登山口だ。
登山口脇の駐車スペースも満車だった。臨時駐車場にも車があった。人気の登山口だ。
和名倉山・笠取山・東仙波 一之瀬林道の大栗展望台から眺める。笠取山も見えた
一之瀬林道の大栗展望台から眺める。笠取山も見えた

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