最短コースで登る乗鞍岳

2023.08.19(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 31
休憩時間
1 時間 4
距離
9.1 km
のぼり / くだり
628 / 624 m
12
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28
17
7
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54
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活動詳細

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2023年8月19日、北アルプス南端に位置する百名山「乗鞍岳(3026m)」に登りました。乗鞍岳は日本に21座ある3000m峰で最も登りやすい山と言われています。それは、麓からバスで標高2700mまで上がることができ、最高峰「剣ヶ峰」だけならば3時間程のコースタイムで往復できるからです。 今回は、午後から天気が崩れる予報だったため、始発のバスを使って早い時間帯に剣ヶ峰へ登り、そのあとに他のピークを経由しながら高山植物を楽しむ計画を立てました。 【お知らせ】 登山道の様子やルート詳細の解説動画を公開しました。ぜひご覧ください。 ★【ルート解説】最短コースで登る乗鞍岳 ~日本一手軽に登れる3000m峰~ https://youtu.be/Q8-IKyEAXqw ★ひとり登山チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCMIE12AHq1elXrToA88tqAg 【登山口までのアクセス】 中央高速を松本ICで下り、長野県松本から岐阜県高山へ抜ける国道158号を西に走ります。松本市街から新島々駅、道の駅風穴の里、奈川渡ダムを通過し、信号「前川渡」を乗鞍高原方面へ左折。県道84号を道なりに15分ほど走ると、バスへ乗り換える「乗鞍高原第1駐車場」へ到着します。松本ICからはおよそ1時間程の道のりです。 【駐車場情報】 ①乗鞍高原第1駐車場 無料 200台駐車可 道の向かいにも90台停められる駐車場あり トイレ、自販機、携帯電波、カフェ、バスのチケット売り場、バス停あり。近隣にお土産物屋や日帰り温泉「湯けむり館」あり 車中泊禁止  ②乗鞍高原第2駐車場 無料 70台駐車可 トイレなどは第1駐車場を利用(歩いてすぐ) 第1が満車の時に利用するとよい。 ③三本滝駐車場 バスを利用せず登る場合におすすめ 乗鞍エコーラインの規制ゲート手前にあり、ここまでマイカーで来られる 無料 100台 トイレ、売店あり 三本滝への散策にも利用可 シャトルバスのバス停があり、ここから乗車することもできる(途中乗車用の席は確保されている様子) 【シャトルバス情報】 山頂部の「畳平」への道はマイカー規制が行われているため、バスに乗り換える必要があります。岐阜側と長野側からそれぞれバスが出ていますが、岐阜側の乗鞍スカイラインは、2022年の土砂崩れにより全面通行止めのため、2023年現在は運行していません。 乗鞍高原観光センター~畳平間を運行(所要時間50分) 大人往復3400円 時刻表は時期と天候によって変わる 大型の観光バスが数台稼働するため乗り切れないことはほぼなさそう。乗車券も乗車前に買えるので慌てて並ぶ必要なし。往復で購入した場合、復路の券をなくさないよう注意 https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/echoline/ 晴れの日と雨の日でダイヤが変わるが、↓のHPで前日正午に発表される。始発・最終便の時刻も掲載されるので便利 https://www.alpico.co.jp/traffic/trafficinfo/kamikochi/ 【ルート概要】 ①畳平~肩ノ小屋(CT:40分) バスが到着した畳平は日本一高い所にあるバスターミナル。とても広いバス停の周辺には食堂や売店、無料のトイレ、宿泊施設などがあります。 畳平の脇にある鶴ヶ池の右手の砂利道を回り込むように進むと、バスで通った車道と交わる「県境広場」に出ます。この付近は大黒岳や富士見岳、そして剣ヶ峰への分岐になっています。そして、さっそく絶景が広がります。八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスなどを眺めることができます。 他のピークは後回しにして、まずは剣ヶ峰を目指します。鶴ヶ池の向こうに見える槍ヶ岳、足元の不消ヶ池などを見ながら、富士見岳の山腹を巻くように続く砂利道を進みます。少し歩くとすぐに富士見岳へ登る道や摩利支天岳の山頂にある東京大学宇宙線研究所への道が分岐します。 分岐を直進し、正面に剣ヶ峰を見ながら摩利支天岳の南側を横切る道を歩くと肩ノ小屋に到着します。ここまでは車も通る砂利舗装の道で、登山靴でなくても歩ける区間です。 肩ノ小屋は宿泊もでき、食事や売店なども充実しています。また、とても新しい無料の公衆トイレがあります。 ②肩ノ小屋~剣ヶ峰(CT:50分) 肩ノ小屋からがいよいよ登山道の開始。山頂まで急傾斜を標高差250mほど登ります。登山道はロープで区切られており迷うことはなさそうです。 標高差200m近い岩場の斜面を登り続けると、朝日岳と蚕玉岳の間のコルに飛び出し、前方の視界が開けます。剣ヶ峰、大日岳、屏風岳の3つのピークに抱かれた権現池と、その先に広がる岐阜の町と山々、その先には堂々とした白山の姿も認められます。 蚕玉岳を乗り越え、少しの間平坦な稜線を歩くと、いよいよ剣ヶ峰への最後の登りが始まります。登り始めに分岐があり、右は山頂の鳥居を目指して直登するルート、左は頂上小屋を回って登るルートです。どちらからでも登れますが、比較的登りやすい左ルートをお勧めします。 岩がゴロゴロした急登を50mほど登ると剣ヶ峰山頂に到着します。山頂からはこれまで歩いた道の向こうに北アルプスの山々、西に白山、南に御嶽山や中央アルプス、東に南アルプスや八ヶ岳など、360度の展望が楽しめます。神主さんがいる神社もあります。山頂はとても狭いので登山者が多い場合は休憩には適しません。 ③剣ヶ峰~富士見岳~大黒岳(CT:1時間35分) 剣ヶ峰から富士見岳への分岐までは来た道を戻ります。そのまま来た道を畳平まで戻ればすぐに帰ることもできますが、今回は色々なピークを回ることにしました。まずは富士見岳へ。先程の分岐から右に登る道を進みます。高山植物の女王「コマクサ」が群生した斜面を10分ほど登れば富士見岳山頂です。東側の山々や上から眺める畳平が楽しめる山頂です。 富士見岳から15分ほど下って県境広場に戻り、車道を横断してよく整備された階段を15分ほど登ると大黒岳山頂です。大黒岳山頂には頑丈そうな休憩所があります。ほとんどの方は山頂から来た道で畳平に戻るようですが、今回はさらに先へ進むことにしました。山頂からさらに進むと一面ハイマツに覆われた道になります。晴れていれば正面に槍穂高の姿を見ながら下ることができる区間です。そんな道を20分ほど下ると現在閉鎖中の乗鞍スカイラインに飛び出します。そこからは15分ほど車道を歩いて畳平に戻ります。 舗装された2車線の車道ですが、道端には驚くほどたくさんの高山植物が生えていて飽きることなく歩くことができます。 ④畳平~魔王岳~畳平(CT:25分) 帰りのバスの時刻を意識していなかったため、畳平到着と同時に数台のバスが走り去っていきました。バスの発車は定刻通りであり、人が集まったら順次発車するスタイルではありません。次のバスまで1時間待つことになってしまったので、畳平のすぐ横にある魔王岳に登ってみることにしました。 このような形で登る方が多いようで、道はとてもよく整備されていて登りやすい山です。ただし、山頂直下は岩場になっているので多少注意が必要です。魔王岳からは小さな亀ヶ池とそのすぐ隣にある恵比須岳、これまで歩いた山々を見渡すことができます。 【感想】 バスを使って気軽に登れる3000m峰の乗鞍岳。北・南・中央アルプスや御嶽山、白山、八ヶ岳など、日本中部の主要な山々が見渡せる絶景の山です。また、コマクサを始めとした多様な高山植物が咲き誇る花の名山でもあります。運が良ければ雷鳥に出会うこともあります。 このような高山ならではの素晴らしい経験が、こんなに気軽にできてしまう山はなかなかありません。初心者の方にもおすすめできる山です。 今回も、周りの山が見渡せたのは朝のうちだけ。8時台にはガスが湧き始め、すぐに展望がほぼゼロになってしまいました。早い時間帯に眺めを楽しみ、ガスが湧いても楽しめる花の観賞は後に回すよう計画を立てることをお勧めします。

乗鞍岳 乗鞍高原第1駐車場 8月土曜朝5時台、6割ほどの空きあり
乗鞍高原第1駐車場 8月土曜朝5時台、6割ほどの空きあり
乗鞍岳 駐車場から見上げる乗鞍岳。三角形のピークが最高峰剣ヶ峰
駐車場から見上げる乗鞍岳。三角形のピークが最高峰剣ヶ峰
乗鞍岳 6:10の始発に乗り込む。バスは数台稼働するため乗り切れないことは少ないそう
6:10の始発に乗り込む。バスは数台稼働するため乗り切れないことは少ないそう
乗鞍岳 バスの車窓より行く道を見る。山頂が近付いてきた
バスの車窓より行く道を見る。山頂が近付いてきた
乗鞍岳 畳平バスターミナル。食堂や宿などが充実
畳平バスターミナル。食堂や宿などが充実
乗鞍岳 県境広場から眺める南アルプス。左のピークが甲斐駒ヶ岳。写真ほぼ中央が北岳
県境広場から眺める南アルプス。左のピークが甲斐駒ヶ岳。写真ほぼ中央が北岳
乗鞍岳 県境広場から眺める中央アルプス。中央に木曽駒ケ岳
県境広場から眺める中央アルプス。中央に木曽駒ケ岳
乗鞍岳 肩ノ小屋までは砂利の車道を歩く
肩ノ小屋までは砂利の車道を歩く
乗鞍岳 振り返ると槍ヶ岳
振り返ると槍ヶ岳
乗鞍岳 鶴ヶ池の向こうには穂高、槍ヶ岳、野口五郎岳などが見える
鶴ヶ池の向こうには穂高、槍ヶ岳、野口五郎岳などが見える
乗鞍岳 不消ヶ池。左のピークは観測所のある摩利支天岳
不消ヶ池。左のピークは観測所のある摩利支天岳
乗鞍岳 砂利道を進むと目指す山頂が現れた。右から朝日岳、蚕玉岳、剣ヶ峰
砂利道を進むと目指す山頂が現れた。右から朝日岳、蚕玉岳、剣ヶ峰
乗鞍岳 剣ヶ峰山頂の鳥居や神社が、少し下には頂上小屋が見える。
剣ヶ峰山頂の鳥居や神社が、少し下には頂上小屋が見える。
乗鞍岳 肩ノ小屋到着。建物を通り抜けると・・・
肩ノ小屋到着。建物を通り抜けると・・・
乗鞍岳 剣ヶ峰への登り口が現れた。ここからようやく登山道が始まる。
剣ヶ峰への登り口が現れた。ここからようやく登山道が始まる。
乗鞍岳 急登を登りつつ後ろを振り向くと、摩利支天岳の向こうに北アルプスが
急登を登りつつ後ろを振り向くと、摩利支天岳の向こうに北アルプスが
乗鞍岳 鋭い岩峰の穂高。最高地点が奥穂高岳
鋭い岩峰の穂高。最高地点が奥穂高岳
乗鞍岳 連なる山々の奥に立山や剱岳まで見える
連なる山々の奥に立山や剱岳まで見える
乗鞍岳 焼岳の山頂に噴煙が見える
焼岳の山頂に噴煙が見える
乗鞍岳 剣ヶ峰、大日岳、屏風岳に囲まれた火口に権現池
剣ヶ峰、大日岳、屏風岳に囲まれた火口に権現池
乗鞍岳 稜線を歩いて山頂を目指す
稜線を歩いて山頂を目指す
乗鞍岳 権現池の先には岐阜の町や山。そしてその奥に裾野を広げる白山
権現池の先には岐阜の町や山。そしてその奥に裾野を広げる白山
乗鞍岳 白山を遠望する
白山を遠望する
乗鞍岳 左ルートで登る途中に現れる、山頂直下の頂上小屋
左ルートで登る途中に現れる、山頂直下の頂上小屋
乗鞍岳 剣ヶ峰登頂。どんどんガスが増えてきた
剣ヶ峰登頂。どんどんガスが増えてきた
乗鞍岳 山頂から右ルートで下る。ガスで真っ白になったので眺望観賞から高山植物鑑賞へ
山頂から右ルートで下る。ガスで真っ白になったので眺望観賞から高山植物鑑賞へ
乗鞍岳 トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ
乗鞍岳 ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ
乗鞍岳 シナノオトギリ
シナノオトギリ
乗鞍岳 イワツメクサ
イワツメクサ
乗鞍岳 オンダテ
オンダテ
乗鞍岳 ミヤマアキノキリンソウと肩ノ小屋
ミヤマアキノキリンソウと肩ノ小屋
乗鞍岳 チングルマの綿毛
チングルマの綿毛
乗鞍岳 ここから富士見岳へ
ここから富士見岳へ
乗鞍岳 チシマギキョウ
チシマギキョウ
乗鞍岳 コマクサ
コマクサ
乗鞍岳 富士見岳から見下ろす畳平
富士見岳から見下ろす畳平
乗鞍岳 貴重なコマクサが至る所で群生していた
貴重なコマクサが至る所で群生していた
乗鞍岳 大黒岳山頂
大黒岳山頂
乗鞍岳 大黒岳山頂を先へ進むとハイマツの道になる
大黒岳山頂を先へ進むとハイマツの道になる
乗鞍岳 槍穂高に向けて直進する「天空の滑走路」
槍穂高に向けて直進する「天空の滑走路」
乗鞍岳 ハイマツに覆われた山肌に通る乗鞍スカイライン(現在通行止め中)
ハイマツに覆われた山肌に通る乗鞍スカイライン(現在通行止め中)
乗鞍岳 見事なハイマツの平原「桔梗ケ原」
見事なハイマツの平原「桔梗ケ原」
乗鞍岳 何かの花の種
何かの花の種
乗鞍岳 ウメバチソウ
ウメバチソウ
乗鞍岳 ミヤマシシウド?と鶴ヶ池
ミヤマシシウド?と鶴ヶ池
乗鞍岳 車道の道端にも色とりどりの高山植物が
車道の道端にも色とりどりの高山植物が
乗鞍岳 畳平より剣ヶ峰方面を見る。山頂はすっかりガスに包まれている
畳平より剣ヶ峰方面を見る。山頂はすっかりガスに包まれている
乗鞍岳 バスを待つ間に魔王岳へ
バスを待つ間に魔王岳へ
乗鞍岳 小雨が降る乗鞍高原第1駐車場帰着。乗鞍岳は厚い雲に隠されていた。
小雨が降る乗鞍高原第1駐車場帰着。乗鞍岳は厚い雲に隠されていた。

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