活動データ
タイム
30:32
距離
43.9km
のぼり
3747m
くだり
3668m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る北アルプスの裏銀座縦走路と雲ノ平を、高瀬ダムから折立まで、野口五郎小屋と雲ノ平山荘泊で歩いてきました。 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 【① 7/15(土) 曇り】 七倉山荘までは6年ぶりの毎日あるぺん号、高瀬ダムまでは乗合タクシーを利用しました。松本に前泊してこの日に運行を開始する裏銀座登山バスの第2便を利用するプランも検討しましたが、あるぺん号の早さに軍配が上がりました。前日の情報では濁沢の架け直されたばかりの丸太橋が再び流失とのこと、また当日の七倉乗り継ぎの際にもそのような情報でしたので、渡渉はあるものと覚悟して赴きました。七倉の注意書きに従い、より下流で渡渉すべく登山道を逸れて濁沢へ着いてみると、上流に丸太橋のようなものが。なんと立派な2本の丸太がしっかりと据え付けられているではありませんか。恐らくは前日の雨の中、復旧に努めてくださったであろう関係各位に感謝です。 (※18日にはさらに補強された模様) 北アルプス3大急登に数えられるブナ立尾根は、先日の土石流をもたらしたと思われる対岸の大規模な崩壊地や思いの外美しい林相("ブナ立"の名から推して知るべし)に感嘆しているうち、あっという間に終えてしまった印象でした。時折小雨がパラつく中でしたが、餓鬼岳や針ノ木岳、蓮華岳など周辺のピークは常に見えていて登高意欲を掻き立てられたし、⑫〜①の番号標によるカウントダウンも良かったのかもしれません。 イワギキョウのお花畑が見事な烏帽子小屋にザックをデポして向かった烏帽子岳の岩塔上では、稜線の強風にあおられ恐ろしかったですが、眼下に四十八池とそれらを縫うようにつけられた登山道が箱庭のように大変美しく見え、ついそちらへも足を運んでしまいました。 引き続き強風の中、ブナ立尾根で消耗した脚に三ツ岳のアップダウンがなかなか堪えますが、裏銀座縦走路を先へ進みます。コマクサの群生やライチョウたち、雲の下に見え隠れする表銀座などの眺望に癒やされつつ野口五郎小屋へたどり着くと、一瞬だけ晴れ間がやって来て水晶岳の双耳峰を遠望することができました。その後太陽を拝むことは叶いませんでしたが、日暮れ時には空から目を離したわずかの間に複数の吊るし雲が出現して、自然の造形力を見せつけられました。夜は寝ても覚めても風の音でした。 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 【② 7/16(日) 曇り】 野口五郎小屋ではまだ朝食の提供を行っておらず、宿泊者はおにぎりやパックのお茶などを前夜に受け取っておいて出発することになりますが、5時頃には小屋でお味噌汁や温かいお茶を出していただけました。 野口五郎岳から始まる2日目の裏銀座は前日に増しての強風です。誰にも聞こえないのをいいことに、ずっと野口五郎を熱唱していたのはここだけの話です。それにしても昨日の三ツ岳といいこの日の真砂岳や2833m峰といい、マイナーなピークや稜線の格好良いこと。ガスの合間に五郎池を見下ろしながら、それらを繋いでいきます。 水晶小屋まで来るとさすがに連休中日の百名山、各方面からの大勢の登山者で賑わっていました。ガスの中、デポするザックにカバーをかけて水晶岳へ向かいますが、三角点ピークである北峰まで足を伸ばす方はあまりおられないようで貸切でした。ほんの一瞬でしたが雲ノ平と山荘が見えて良かったです。 水晶小屋へ戻り、焼き餅が2つ入った力汁とおでんをいただいていると、前穂での遭難救助の無線交信が聞こえてきました。(後で知ったことですが、同郷の方が滑落して亡くなられたそうです。お悔やみ申し上げます。) ワリモ北分岐で再びザックをデポして鷲羽岳を往復します。ワリモ岳を越えた所でガスの中から鷲羽岳が全貌を現し、一気に昂ぶりました。その後は晴れたりガスったりを繰り返しましたので、鷲羽池を見下ろす場所でしばらく過ごしていましたが、東鎌、北鎌、西鎌は見えるのに槍の穂先だけはとうとう見えませんでした。 今回の行程で唯一雪を踏んだ祖父岳を越えるといよいよ雲ノ平です。実は3年前にも山荘の予約が取れていたのですが、コロナ禍の初年で烏帽子小屋のテント場が営業されずに諦めたことがありました。(ちなみにその計画は利尻・礼文へ転進となり、成功裡に終えております。) 祖父庭園、スイス庭園、ギリシャ庭園などと名付けられた美しい景観の中を進みますが、花より団子、この時はカフェ営業が何時までか分からず、ケーキにありつくためかなりの急ぎ足になってしまいました。 チェックインとコーヒーブレイクを無事済ませたら再び周辺の散策に出掛け、夕食までの時間はゆったりと過ごすことができました。美味しい石狩鍋の夕食の席ではおかわりの新しい鍋が供される度、静かな鮭争奪戦(笑)が繰り広げられており微笑ましかったです。食後は雲ノ平が少しでも染まるところが見られればとさほど期待もせずに祖母岳まで出掛けてみましたが、わずかな雲の隙間から落日を見守ることができラッキーでした。消灯前には満天の星空でした。 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 【③ 7/17(月・祝) 快晴】 下山の日は3時に寝床を起き出して、まずは満天の星空を堪能しました。連休がほぼ新月に当たっていて、好きな方は夜通し楽しめたことでしょう。空が明るくなっても雲はなく、昨日は見えなかった笠ヶ岳や周辺の全ての山々のシルエットが見えています。下山したくない。しかし折立のバスは昼の1便のみ。 雲ノ平の木道を1時間ほどゆるく下った後は、黒部川への激下りです。何度もハシゴが登場する斜度もさることながら、岩が苔むしていて大変よく滑ります。2度ほど尻餅をつかされてようやくたどり着いた黒部川の水は冷たくて気持ち良かったです。吊り橋を渡った薬師沢小屋はさながらオアシスですね。太郎平への登り返しは長いですがその分斜度も緩く、緊張するような場面もありませんでした。 標高を稼ぐと、水晶岳や鷲羽岳を従えた雲ノ平が深い谷筋の向こうに再び見えてきます。既に太陽は高く昇っていますが、やはり雲はなく快晴です。太郎平小屋で少し休んだ後は、薬師岳を右手に、有峰湖を左手に、富山平野へ向かって見晴らしの良い下りが続きます。この区間の登山道は手のかかった整備がなされていて毎度感心してしまいます。折立の自販機で飲むコーラは格別でした。 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 🟦 ⬜ 🟥 🟩 🟨 🗒雲ノ平再訪録(9月)「雲ノ平 と 笠ケ岳」 https://yamap.com/activities/26883645
活動の装備
- クレッタルムーセン(KLATTERMUSEN)ULL 30L
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