南陽院の清滝は、垂直の落差で権現滝(室池)に叶わないものの、規模的に言うと生駒山系で最大と言える素晴らしい瀑布です。落ち口には新旧二体の水子地蔵が祀られており、清浄な空気感に満ちた癒しのスポット。 近鉄生駒駅から歩いて僅かの距離に、こんな素晴らしい場所があるのかと驚かされるでしょう。大乗滝寺から勢いよく流れ落ちる様子を見ることはあっても、下から眺めることは少ないと思います。是非一度、この清涼感を味わってみてください。 辻子(ずし)越とは、大阪の石切から興法寺を経て経塚から宝山寺に至るコースで、鉄道が敷設される以前は多くの参拝者で賑わいました。大阪側は、現在もハイキングコースとしてよく利用されていますが、奈良県側は大雨による地すべりの影響もあり、長らく廃道として通行が困難となっていました。とりわけ三十丁と三十二丁の石標が残る区間は、石垣の前に伐採林を高く積み上げて通行を遮断していたものです。この区間にある石垣群は、かつての茶屋(休憩所)跡地で、往時の賑わいぶりを今日に伝える貴重な遺構です。 数ある宝山寺参詣道の中でも、「辻子越」は生駒山系の最も高い場所を越える難ルートです。しかし、途中に遺された丁石の存在が、長い年月の間、旅人の往来を支えてきたことを静かに物語っています。 ※古道の名称を「辻子越」に統一しました。出典は昭和六十二年に生駒民俗会から発刊された「古道に残る信仰の文字」となります。 土曜日の早朝に雨が降って、湿度が低くなりました。おかげで、今回はバテずに歩けました。虫も随分と減った気がします。しかし、もうしばらくは、スズメバチに注意しましょう。 生駒の古道に興味ある方は、2014年3月に歩いた「辻子越(廃道部分)」の記録も合わせて参照なさってください。 生駒山系・「宝山寺参詣道・辻子越道~高尾渓~長尾の滝」 ヤマレコ山行記録 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-420496.html
近鉄生駒駅から出発。カラッとした青空で風が心地よいです。
写真を撮っていて、崩落が気になりました。谷田西の旧墓地付近だと思います。
この手すりのついた急坂の上が、谷田西墓地です。
ハイキング道は左の階段ですが、右へ沢沿いに進む。
苔むした橋を左岸側へ渡ります。涼しい風が吹いて気持ちが良い。
目的の場所へ到着。
落ち口から更に上部へと続いています。
ナメ滝のようですが、水の勢いは強い。この上は大乗滝寺です。
渦を巻いて落ちて行きます。
落ち口は滝行場となっています。見学後、360°パノラマをスマホで4枚撮影、内の1枚は失敗でした。残念!
今回は大乗滝寺へは向かわず、近鉄鉄塔の尾根道へ。
倒木の下をくぐる。切ったほうが良くないですか? ご神木なのかな?
ちょっと回り込んで生駒の町並みを見下ろす。陽当りは強いけど、風は涼しいです。
今日はココから登ります。奥にボーイスカウトのキャンプ場があるので、適度に整備されています。
良い感じの山道となってきました。
乗越の部分が分岐となっており、今回は折り返して尾根道を歩きます。
前から気になっていた近鉄の送電鉄塔(二一番)。ついに役目を果たしたのか、碍子と送電線が撤去されています。
ミニ夫婦岩を通過。良い尾根道なのに、鉄塔がなくなると廃道になるかもしれません。
宝山寺越の旧道に合流。合流部はバリケードが設置されてました。
歩くなら今のうちですね。
荒池・八丁門峠越(宝山寺参詣道)の道標が埋まっています。「五」しか読めない。。。
いつもの場所で休憩です。「生駒八景」ってなーんも見えませんよ。木を切ってくださいね。
さて、ココからは、もう一つの宝山寺参詣道で、辻子越を歩きます。大阪側はハイキング道ですが、奈良県側は地すべりの影響で廃道化していました。
三四丁の道標です。昔の人は字を読めない人が多かったので、「十」の両側に縦棒を二本追加して、「30」と読ませています。
この辺りまでは、今もハイキング道で使われる広い道。
休憩所に到着。ココから本日の冒険が始まりますよ~。
トラロープの向こうは、ミステリー・ゾーンです。(草刈りされて歩きやすかったです)
明瞭に敷石が残っています。
スックと立った三二丁石です。
暫くは、こんなに幅のある味わい深い古道が残されています。
石垣遺構の始まりの部分。石垣の敷地にかつては、茶店などの休憩所が軒を並べていました。
倒木が道を塞いでいた区間です。草刈りされて、倒木も除去されていました。
石垣前に高く積まれていた伐採林が取り払われています。以前は迂回を強いられました。
最後の石垣です。ココから暫くは道が良くなります。
水路を跨ぐ橋の向こうに三十丁石が半分埋まって立っています。水路は比較的最近のものだと思われます。
歴史を刻んできた丁石に感慨深いものを感じました。しかし、この先がちょっと厄介です。
崩れた石垣の上を通過。この石垣は土塁堰堤の役目をしていたものと思います。
広場のようになった古道の痕跡。かつての古道を彷彿とさせます。こんなに広々とした道だったのでしょう。
今は、この目印が頼りです。何度も見失いそうになりました。
笹薮が酷かった区間は、キレイに刈られていました。ヤブコギ無しで歩けます。
石がゴロゴロする干上がった沢を渡渉します。
ここも道跡がくっきり残っていました。
以前歩いた時にも見つけた、「アカの金だらい」です。通じないでしょうね。
出てきたところを振り返り。今回は写真右からヤブコギなしで出てきました。以前は、迂回のため左の斜面を乗り越えました。
広々とした経塚手前の参道です。
二七丁石です。この間の丁石は消失しています。
江戸期の立派な山燈籠。俗にお化け灯籠とも言いますね。以前は薄暗くて、ちょっとドキッとしたもんですが。。。
なんと一面が草刈りされて明るくなっていました。これじゃ、イノシシも寝床を作れません。
広い駐車場を横切って、トコトコてんとう虫を眺めながら休憩。夏休み最後の日曜日なので、たくさんの方が列を作っていました。
秋の空模様ですね。
一等三角点の見える場所でランチタイム。とても涼しい風が吹いてきて、疲れは一気に吹き飛んだ。
生駒縦走歩道で暗峠を目指します。このルートは久しぶり。
天文台と航空灯台の跡地はともに撤去されて更地になりました。
替わりに「鬼取山」の山名プレートがつきましたね。標点は天文台の敷地内にあったはず。
展望公園もスッキリしていました。
クソマル石の手前で、生駒民俗会の重鎮T氏と遭遇。しばし談笑。
暗峠に到着。本日は素通りです。
このルートを歩くのも久しぶりです。いつもバテてばかりで、登る気力も体力もなかった。
ぼくらの広場を通過。休憩しようと思ったけど、日陰は全部占領されていました。
晩夏に咲く花 その1
晩夏に咲く花 その2
晩夏に咲く花 その3
ようやく、ここで休憩。とっておきの「チョコようかん」です。
口直しに塩分サプリ。
晩夏に咲く花 その4(まだ咲いてないけど)
無事に瓢箪山神社に到着。今回は楽しかったです。