【島崎三歩の山岳通信】第221号(令和3年4月28日)<4月12日~4月25日遭難事例> 長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報(4月28日付)」を発表しています。  長野県 山岳情報サイト https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangaku/index.html 県内雪崩頻発中!! 天気・防災情報https://www.jma-net.go.jp/nagano/ を確認し万全の準備で入山を! ◎山岳遭難発生状況(週報) ・4月12日、単独で斑尾山に入山した女性(28歳)が、ルートを誤って道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。 ・4月15日、北アルプス八方尾根北側のバックカントリーをスノーボードで滑走中の男性(50歳)が、道に迷って行動不能となる山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動し遭難者を救助しました。 ・4月24日、2人パーティーで五地蔵山に登った女性(42歳)が、残雪に足を滑らせて滑落し負傷する山岳遭難が発生し、消防ヘリが出動し遭難者を救助しました。 ・4月25日、4人パーティーで虫倉山に入山した女性(82歳)が、登頂中にバランスを崩して滑落し負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して遭難者を救助しました。 ○令和3年4月25日現在の遭難状況は 41件(死者6人、行方不明0人、負傷者24人、無事救出20人)となりました。 前年比は、発生件数が-3件、遭難者が+1人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス 4月3週は2件の山岳遭難がありました。本格的な春山登山シーズンとなり、県内では、大型連休に向けて多くの山小屋が営業をスタートします。本年もコロナ禍での営業となり、各山小屋では、登山者の皆さんを迎えるために、山の中という難しい環境ですが、感染防止対策などにたいへんな努力をされています。登山者の皆さんは、必ず入山する地域の感染状況や利用する山小屋の注意事項を確認し、無理のない計画を立てるとともに、一人ひとりの心がけにより、遭難防止だけでなく、感染防止にも努めていきましょう。 4月4週は2件の山岳遭難があり、うち1件はいわゆる「里山」で発生しました。連休中、里山などの入山者が少ない山域で、日帰り登山を計画していませんか。入山者が少ないルートでは、踏み跡が不明瞭であったり、県内は春から夏にかけて、登山道に雪が残る場所があり、道迷いや滑落のリスクが伴います。また、単独登山をする場合には、万が一トラブルがあった際には、一人で判断や対応を行わなければなりません。登山をする際には、下調べを十分に行い、自身や仲間の技量に見合ったゆとりある計画を立てましょう。 また、春の山菜採りシーズンになりました。「近くの山だから」といって決して甘く見てはいけません。過去には「山菜採りに夢中になり過ぎて、道に迷ってしまった」「急な斜面に無理をして入り、滑落してしまった」などの遭難が発生しています。入山する際には、①家族や友人に行き先を知らせる、②携帯電話や非常食、雨具やヘッドライトを持つ、③急斜面などの危険な箇所に近づかない、④一人での入山は避ける、⑤鈴やラジオで野生動物を避ける、以上5点に注意しましょう。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、登山を考えている方は地域ごとの最新情報を確認し、慎重な計画と行動をお願いします。 長野県では、登山における新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、「長野県内入山注意報」を公表し、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にもご協力をお願いします。