権現岳東稜
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳)
(山梨, 長野)
2024.02.23(金)
2 DAYS
長文&駄文
去年、旭岳東稜を登っている時に見たお隣りさんの「権現岳東稜」。
その独特な形をした東稜バットレスが印象的で見た瞬間、直感的に登りたいなと思っていた。
それから1年が経ち、何となくクライミング力も上がったように思うので、体力モンスターYさんを誘って登ってきた。どうせ登るなら厳冬期の2月までと思っていたが、厳冬期には程遠い小春日和だった。
ちなみにチャレンジアルパインによると『核心部のバットレス突破はⅣ級の冬期岩壁登攀。八ヶ岳東面の卒業ルート』とのこと。
前夜発で高速をぶっ飛ばす。が、前日は仕事に追われ2時に寝てこの日は5時に起きたので眠くて仕方がなかった。小牧ジャンクションあたりから睡魔が襲ってきた。白目をむき始めたのでさすがに運転どころではなかった。これは危ないと屏風岩SAでYさんに運転を交代してもらい爆睡。岡谷ジャンクションを過ぎ諏訪あたりで目が覚めると雪が降っていた。長坂インターを降り、雪がうっすら積もった美しの森駐車場にて車中泊。
初日、6:00起床。
ゆっくり準備して美しの森駐車場を出発。
しばらく林道を歩くが、やたら凸凹して歩きにくいのと凍った地面が溶け出し地面がフワフワになって沈むとこもあったりでハマるとドロドロになった。
林道からいよいよ地獄谷に入る。去年は凍っていた沢は一昨日の気温の高い雨によって融けたようで水の流れる普通の沢になっていて渡渉がなかなか大変だった。更に登るにつれて雪が出てきたが、少し踏んだだけだと硬そうだけど、踏み込めばズコーンと踏み抜くブレイカブルクラスト。そんな感じで硬い快適な所もあればズコーンと踏み抜くツンデレ雪面でしんどかった。。。
そんな感じで面倒臭い渡渉と踏み抜きに耐え、駐車場から2時間10分で出合小屋に到着。
とりあえず荷物を下ろして小屋の中にテントを張って荷物整理を少ししてから明日の為の偵察&トレース作りに出発。
小屋からツルネ方面にはトレースはあったが、案の定、権現沢方面はトレースはなかった。人生そんなに上手くいかないもので、淡い期待を捨て去りラッセル開始。
ここまでと同じように、雪は足を乗せるだけでは沈まないけど、体重をかけるとズコーンと沈み、酷い時は股下まで踏み抜く。表層は硬いが中がスカスカなのだ。地獄谷と同じだ。いや、雪が多い分こちらのほうが数倍厄介だ。たまに硬い雪があり歩きやすかったりしたが、ロシアンルーレット的にいつ落ちるかわからない。ズコーン、ズコーンとこれが続き、体力も精神も削られる。めちゃくちゃ疲れる。それでも明日の為に頑張らないといけない。
やっとこさ尾根への取り付きのゴルジュに到着。小雪が降る中、突然現れた圧巻の景色にここまでの疲れがほんの少し和らいだ。ゴルジュを過ぎてすぐの左岸側にルンゼを確認。予定では偵察はここまでだったが思いのほか雪の状態が悪いので尾根までトレースを付けることにしたが、ここも太ももまで沈み難儀した。苦労して尾根へ上がったが、さらにどうせならと尾根を進みトレース作りに励んだ。予想通り尾根の雪もズコーンズコーンと沈む雪でなかなか進まない。果たして明日は大丈夫だろうか。
小さいピークを2つ程登り、この日の偵察は終了。懸垂下降やクライムダウンを織り交ぜゴルジュまで降りた。そのすぐそばの岩陰に登攀装備をデポすることにして、行きに付けたトレースが小雪で消えかかっていたので入念に再トレースを付けながら小屋に戻ることにして出発。
来た道を戻り小屋の手前まで来ると薪ストーブの良い香りが漂う。小屋には他に誰がいるようで火を起こしてくれてるみたいだ。体が冷えていたから嬉しくなり足取りが早くなった。
小屋には横浜の山岳会4名パーティーがおられ火を起こしてくれていて感謝とご挨拶。明日は天狗尾根を登られるそうだ。色々なお話をしていただきほっこり。山好きな素敵な方々だった。しかし、美味しそうなおでん?鍋だったなぁ。
我々はと言うとお湯を入れたら終わりの質素な夕食をチンタラと済ませればあとは晩酌。
夕食前には男性4名?女性6名?の10名?パーティが来られたが、もちろん全員小屋に入れないので男性陣は外でテントを張って寝られたようだ。弱肉強食の世界を垣間見た。
明日は予定より1時間早く出発することにして早めに終始。薪ストーブのおかげで暖かくすぐに寝付けた。
さて、どうなることやら。
---------------------------
【登】
・ザック(荷上げ用)/マカルー70L
・ザック(アタック用)/アセンジョニスト25L
・ヘルメット/ビジョン
・ハーネス/ゼフィールアルティテュード
・アックス/クォーク×1
・アイゼン/G12(グリベル)
・ロープ/Wロープ(8mm・50m)×1
・アルヌン長(120cm)×2
・アルヌン短(60cm)×5
・アルヌン長(セルフ用)×1
・確保支点セット×1
・環ビナ×1
・カラビナ×2
・捨てビナ×1
・捨てスリング×1
【衣・上】
・ベース/スキンメッシュ+キャプリーン半袖
・中間/R1フーディ
・アウター/ハードシェル
・防寒着/ダウン
【衣・下】
・ベース/キャプリーン
・アウター/ハードシェル
【グローブ】
・ラッセル/防寒テムレス
・登攀/ソロイスト
・その他/厚手ウール
【靴】
・冬靴/ネパールキューブ
・靴下/厚手ウール
【食】
・夜/ドライフード(ペペロンチーノ)
・朝/ドライフード(トマト系のパスタ)
・行動食/薄皮クリームパン、ミックスナッツ 、 水1L、お湯300ml
・非常食/袋麺
・予備食/カレーメシ
・酒/ビール500ml×2(日本酒を玄関に忘れるという痛恨のミス)
【住】出合小屋
・マット/リッジレスト(サーマレスト)
・シュラフ/オーロラ750DX厳冬期用(ナンガ)