27:36
50.3 km
3887 m
残雪の朝日連峰・朝日岳+以東岳❄
大朝日岳・朝日連峰・祝瓶山 (山形, 新潟)
2024.04.12(金) 3 DAYS
白馬主稜の翌週、どこに行こうと考えていたころ、タイムラインに上がった朝日岳のレポを見て、その美しい稜線を歩いてみたいと突発的に山形へ。 長野に引っ越して以降初めての長距離運転で、金曜を現地への移動日とし、午後1時過ぎ到着。 初日は2時間半ほどの林道歩きのみで、グリーンシーズンは登山の拠点となる日暮沢小屋に泊まる。 綺麗な三階建ての避難小屋を貸し切りで、ゆっくり眠れた。 二日目の行程は、日暮沢小屋~小朝日岳~大朝日小屋~大朝日岳~西朝日岳~竜門山~竜門小屋~寒江三山~狐穴小屋。 19km↑2200m↓1300mと、積雪期で念の為のテント泊装備背負ってはかなり長い。 3時過ぎにブラックスタートすることにしたが、その結果、序盤が今回の核心になった。 最初トレースのはっきりしない林道を沢沿いに歩くが、穴が開いてて下は沢だったり、雪崩れてて高巻したり。 暗いのでよく見えず、渡渉点も分かりにくかった。 途中でアイゼンを装着して、なんとか障害を越えていく。 林道終点から本来の登山道が通れないみたいで、途中でショートカットする形で直登気味に登るが、特に目印もなくGPS頼り。 結構急で踏み抜きや枝もあり、ある程度登るまでが苦労した。 これはヤバイ時期に来てしまったかと思ったが、しばらくすると明るくなってきて尾根筋が分かるようになり、踏み抜きも減った。 日が昇り、景色が明らかになってくると、月山や主稜線が目を楽しませてくれた。 出発から4時間弱、なんとか稜線上に到達した。 目に映るのは、小朝日岳、 大朝日岳、中岳、西朝日岳とこれから歩く道のり。 朝日の山々を眺めながらの極上の稜線歩きが始まった。 稜線上はそこまで沈まないが、クラックはあり、端は踏み抜きやすい。 特に小朝日~大朝日間の前半は、樹林と雪庇の間が狭くてクラックが多く、樹林をトラバースした。 稜線に戻ってしばらくして、大朝日小屋に到着。 無人の小屋に荷物をデポして、大朝日岳へ。 たどり着いた山頂からは、2000mないとは思えない錚々たる山々の連なり。 歩いてきた方向には、小朝日。 祝瓶山と飯豊山。 これから歩く西朝日岳と以東岳。 月山。 そしてそれらを繋ぐ白い稜線。 険しい北アとはまた違ったよさで、個々もいいけど合わさって魅力数倍。 誰もいない山頂でその景色を堪能し、西朝日岳へ向かう。 踏み抜きは思ったほどではなく、持って行ったわかんの出番はなし。 形を変える大朝日と稜線を楽しみながら、西朝日を過ぎた。 竜門山手前はかなりクラックが目立ったが、なんとか合間を登って山頂に。 大朝日や以東岳へ続く稜線を眺めながら休憩していると、以東方向からソロの男性が登ってこられた。 あちらは雪が少なく夏道が結構出ているとの情報をいただき、すれ違う。 下り始めてすぐに竜門小屋。 そこから狐穴までは寒江三山があり意外とアップダウンがあったが、情報通り夏道多め。 夏道上の残雪を時々踏み抜きながらも、ほぼ予定通り狐穴小屋にたどり着いた。 ドアが開いていて、あれと思うと、このあたりの避難小屋の管理人さんがたまたま来られていた。 この時期に狐穴小屋で人に会うことは珍しいらしく、変わり者認定の上、ビールや水、おつまみを分けていただいてラッキーでした。 ここも綺麗な避難小屋で、予想外にビールも飲めて快適だった。 最終日の行程は、狐穴小屋~荷物をデポして以東岳ピストン~竜門山~ユーフン山~清太岩山~日暮沢小屋~根子集落。 ほぼ夏道で歩けるとの管理人さん情報もあり、荷物を小屋にデポして最終日もブラックスタート。 残った雪の踏み抜きや、時々ある広い雪面でトレースが分かりにくくなることがたまにあったが、7割ほどは夏道が出ていて日暮沢からの尾根の取り付きまでに比べればイージー。 大きな問題はなく、登りはほぼ終わり後はビクトリーロード、というところで日が昇ってきた。 以東岳山頂に到着時には、周囲は薄赤く染まっていた。 以東岳からは、歩いてきた長い道のりが一望出来る。 ほんのり赤い朝日の山々、月山や飯豊山、緩やかで美しい稜線。 周囲を染める太陽。 風も穏やかで、一人山頂に座って素晴らしい景色を眺める。 幸せだなあ、山に登っててよかった、しみじみとそう感じる時間だった。 主稜線を眺めながら狐穴小屋に帰還し、重くなった荷物にへこたれながらも管理人さんとお話しながら竜門山避難小屋まで戻った。 いつの間にか泡好きと認定され、選別にコーラをいただいた後、竜門山に登り返した。 昨日歩いた朝日の山々や以東岳を眺めてから、月山に向かうように降り始める。 ユーフン山手前には少しナイフリッジになってる箇所が、ユーフンと清太岩山の間は、クラックが沢山あった。 クラックを避け端を歩くと踏み抜いたり気を使ったが、清太岩山以降は適度な雪の硬さで、カカト落としでざくざく比較的楽に降りられた。 行きのルートより雪が少なく、下の方は夏道が出て、イワウチワやカタクリが咲いていた。 帰りはより長く感じる林道歩きをまだか長いとぶつぶつ言いながらも、無事下山。 残雪の朝日連峰を縦走してきました。 稜線に出るまでは苦労しましたが、その後の稜線歩きは天国でした。 優しく美しい白い稜線や連なる山々は2000m未満とは思えない見ごたえで、素晴らしかったです。 現地までは遠いですが、また別の機会にも歩いてみたいと思います。 思いがけなくお会いし、サービスしてくださった管理人さん、ありがとうございました!