天狗寺山 秋のお花見登山 悪天候でも楽しめる津山市加茂町の山
泉山・井水山・黒沢山
(岡山)
2023.10.08(日)
日帰り
【新ルート岡山の山百選・天狗寺山】
この日は大気の状態が不安定だと予測されていたこともあり、
雨が降っても普通に安全に歩ける舗装道路が多く、
かつ道端に咲く花が期待できそうな山ということで、
津山市加茂町にある天狗寺山(てんぐうぎさん)を訪問しました。
天狗寺山は「新ルート岡山の山百選」にも選ばれていますが、山行記録が少ない山です。
山頂近くの南面平坦地に天宮寺跡があり、
南北朝時代には智悟山天宮寺という山寺があったといわれています。
美作国東部の地誌「東作誌」によると、
東北条郡大篠村の天狗寺山として、誤って天狗岐というともあり、
また、智悟山天宮寺を天狗寺ともいうことがあったようです。
地元では、天宮義という西の坊、仁王門、鐘突堂の跡などがあるとしていますが、
これは誤りのようです。
「東作誌」では城郭としての記載はありませんが、「岡山県中世城館跡総合調査報告書」には、
天狗寺山南の600m峰が天狗寺城跡で、北側に堀切が確認できると記載されています。
天狗を冠した山は全国にたくさんありますが、天狗寺と名のついた山はこの山だけでしょう。
さらに、予備知識なしにこの山名(漢字)を見て、“てんぐうぎ”と読める方は皆無?😩
なかなかミステリアスな山です。
JR美作加茂駅からもアプローチが可能ですが、
駅近くの加茂川沿いに「人咲く、水と森の郷 川の学校公園」があり、
この駐車場に自動車を停め、ここを出発点としました。
なお、標高350m辺りの分岐に道標と自動車1台分程の路肩がありますが、
狭いのでおすすめしません。
以前は頂上付近まで自動車で行けたようですが、
標高400m辺りから未舗装箇所が増えてきます。
小石がかなりゴロゴロしている箇所もあるので、四駆でなければ無理でしょう。
現在は道路の崩壊箇所はありませんが、標高730m辺りに車止めのチェーンがあります。
標高710m手前に鬼子母神経由で頂上に向かうコースの道標がありますが、
そちらは完全なヤブで道があったことすらわからない状態でした。
結局は全コース舗装道路や砂利道の林道を歩きました。
登山靴だと小石がゴロゴロした箇所の下りも歩きやすくてよかったです。
登山靴なら、濡れたコンクリートでも滑りにくいので、雨の日に傘を差しても歩けそうです。
距離は片道7㎞以上もありますが、
傾斜が緩いので、自然を観賞しながら歩く余裕がありました。
【予想以上に充実していた10月のお花見登山】
出発直後、川辺にある公園内を歩きました。
道路沿いに桜並木があるので、春に訪問すると心地よい場所のようです。
低い雑草が生い茂り、半野生化した公園には一見すると、何もありません。
しかし、歩き出して注意深く観察していると、キク科やヒルガオ科などの花が見られました。
コース上の花の種類は場所によって異なり、
加茂川沿いの駐車場から上流部と下流部、中原集落、
標高350m辺りの分岐から標高650m辺りまでのトラバース道と頂上までの道、
さらに成安集落と、飽きることなく、お花見を楽しむことができました。
季節柄、キク科の花が多いものの、
標高が上がるにつれ、アキチョウジやアケボノソウが増えました。
特に今年はもうアケボノソウを諦めていただけに、
この日にたくさん見られたのは、ラッキーでした。
展望は期待していなかったのですが、たまにある展望地からは津山市や鏡野町の
訪問済みの山々なども見え、うれしかったです。
また違う時期に訪問し、動植物観察を楽しみたいと思いました。