さようなら。村田さん。
八方ヶ岳
(熊本, 福岡, 大分)
2024.04.14(日)
日帰り
昨日、SNSの投稿でサン村田さんの訃報を知り仰天した。
動悸をこらえネットでニュースを調べると、11日に不慮の交通事故で亡くなられたそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/455da2966df3546e74b03c6b50611e68d5b9bd40
10年くらい前に知人の紹介で知り合い、何度かコンサートを訪れ、イラストの個展にも足を運んだ。
50歳から始められたジャズヴァイオリンはとても情熱的で、聞く人全てを温かく包み、淡い色と優しいタッチで描かれるイラストは観る人の心を和ませた。
父親ほどの年齢だったが、カナダでの暮らしや世界中を旅した経験と機知に溢れる話は、いつも時間を忘れて聞くほど面白かった。
何度か酒宴におじゃました事があって、一度は二人だけで飲む機会もあった。
「あなたが注ぐワインやウイスキーは何でこんなに美味しいんだろう。」
と言われ、真には受けないが、とても嬉しかった事を憶えてる。
驕らない。
計算無く褒め上手。
いつも笑っている。
誰かを否定しない。
これからの楽しい事ばかり話す。
必然、村田さんの周りにはいつも人が集い賑やかだ。
僕は「村田さん」と呼んでいたけど、多くの人は世代に関係なく若い人達も「サンちゃん」と呼んで愛していた。
尊敬する人は沢山いるが、憧れる人はそう居ない。
村田さんは僕が憧れる数少ない1人だ。
コロナ禍になり、僕の仕事に変化もあって、ここ4年近くは連絡する事もお会いする事も無かった。
すでに昨日葬儀もすまされたようだ。
不義理を後悔する。
初夏の気温予想も出て晴れ予報の今日、八方ヶ岳に登ってみよう。
道中には、村田さんと僕に村田さんを紹介してくれたピアニストのデュオの大好きなCDを聴こう。
八方に見晴らしの良い山頂で青空を見上げて、村田さんの名前を小さく呼ぶと、
「やー、お元気でしたか!」
と村田さんの魅力的な野太い声が聞こえた気がした。
4/15 追記。
村田さん関連のニュースを調べていたら、何と僕が住む益城町の美術館で、4/6〜4/26の会期で村田さんの絵画展が開催されていて、初日にはコンサートも催されていた。
知らずにいた事を重ねて不義理に思い、悔やまれる。
今日美術館を訪れ、4年ぶりに村田さんの作品にふれた。
以前のヨーロッパの街角をポップなパステルに切りとった美しいイラストに加え、ここ数年は和紙に顔彩を用いて描かれた風景画が多かったようだ。水墨画を思わせる優しいタッチに村田さんが偲ばれる。
「日本の春」と題された淡い桜と薄い緑の山が描かれた小さな作品に目が止まった。
係の方に譲ってもらえるのかを尋ねると可能だそうで、パートナーの方に伝えておいてくださるそうだ。
作品展が終わったら頂きに行こう。