拝・二ぺ
ニペソツ山
(北海道)
2024.01.06(土)
4 DAYS
たった数時間の二ぺ詣のための長い長い4日間でした。
ピークハントに徹するもよし、光と闇を鑑賞するもよし、ただ新雪にもがき転げるもよし、3カ月ぶりの山泊への期待を4日分の装備に込めて出発。。
初日: 幌加温泉入口の国道Pに駐車。お正月の登山者のトレースがうっすら残る踵上の雪を歩き始める。3時間もするとBCの大学生3名パーティーに追い越され、しめしめ(スイマセン)、彼らも1,540m展望台泊ということなので後は若者がつくる新しいトレース頼み、と曇天に希望の光。まだ夏道を辿る方が歩き易い膝下ラッセルの深雪。しかし1200mの急坂は倒木ありで先行若者も苦労した様子。以降、深い森歩きはピンクテープをきょろきょろ探さなくて済むので更に助かりました。学生御一行様、本当にありがとうございます。予定より1時間も早く展望台着。夕方1662コブ巻きの下見する余裕あり。
2日目: 風穏やか視界不良の一日。前天狗までテントを移動させる気持ちも削がれ展望台3連泊決定。7時過ぎに若者が二ぺ目指して歩き始める音を聞き、私も前天狗くらいまでの下見をすることに。若者は1662コブの左手谷へ早々に降りることで巻いた様子。私は笹・針葉樹が若干煩そうな谷側への山肌を避け雪でとっぷり埋まったコブ右斜面のトラバースで・・・この辺がスキーとスノーシューのコース取りの違いなのだろうか、と思いながら進みます。谷でBCトレースに合流して有難くトレース拝借、しかし程なくBC御一行は右手の尾根に上がってしまい・・・興味津々で未経験の尾根アプローチを体験してみることに。一か所ハイマツの急斜面20mほどをツボ足でバリバリ苦労した跡がありましたが、なるほど、稜線直下は尾根アプローチは非常に緩やかでBC向き。しかし今日くらいの踏みしめられる雪なら谷の急傾斜の方がスノーシュー向きかもしれない?と天狗岳までのルート(杭目印)を確認したのち明日のために谷斜面にもしっかり階段・踏み跡残して下見終了。
3日目: 若者御一行様より「前天狗でスキーデポした後、アイゼン歩行の踏み抜きに大層苦労した、トラバースは30㎝くらいの新雪の下が氷だった」と情報頂いたにも関わらず翌朝4時半に歩き始めた自分に「それでもピーク目指すのかい?」と自問の早朝スタート。多少上空の風は気になるが快晴のようで何処でモルゲン?と期待しながら一夜でほぼ埋まり切った昨日のトレースを探しながら前進。(昨日の道作りは何だったんだろ??)と首をかしげながら、それでもふわふわ軽い真っ新の雪・膝丈程度のラッセルは逆に気分がいい。トレース皆無なのでいつもの谷筋にこだわらず傾斜が一番緩そうな谷へ移動。谷・新雪ラッセルの一時間と比較すると稜線で時たま踏み抜くくらいは気にならず、ゆっくり快調に時間を使うことができたので昼過ぎに予定外の山頂へ到着。天狗岳直下の巻き20mほどと二ぺ最後の急登~トラバースだけは要アイゼン・ピッケルでまめにスノーシューとの装備替えは面倒でも仕方ない本日の雪質。日没前に前天狗下の谷に入ることを目標に風・視界不良になり始めている稜線をゆっくりと帰路に。今朝深々と彫り込んだ自分のトレースに沿って暗闇の谷を下るつもりがこれは何と!穏やかな稜線歩きからは予想外にも谷下以降・展望台テントまで再度完全に埋まり切っていたのです。そう言えば頬は凍傷気味・人生初めて手の指に霜焼け ─── 恐るべし二ぺ風神・存在を気付かせぬ仕事ぶり。
4日目: 前日下山した若者御一行のトレースが樹林帯にしっかり残っていたので時間はかかれど薄日に小雪舞う中、名残惜しく下山。
二ぺ森スノートレッキングに始まり前天狗・雄大ゲレンデ経由、稜線の氷と岩に導かれ山頂へと ─── 夏ならば日帰り可能なルートを4日に分けて楽しむのも・・・乙!冬山の醍醐味・・・