本を交換する、というおもしろい機会がありました。何が良いかなと色々迷った末に選んだのが、沢木耕太郎の「凍」 チベットとネパールにまたがるギャチュン・カンを登頂した山野井泰史・妙子夫妻を描いた素晴らしいノンフィクションです。北壁から登頂を果たすも、悪天候に苛まれ、雪崩との壮絶な闘いから生還した記録。 沢木耕太郎はアスリートを描いたノンフィクションを多数著していますが、山岳ものはおそらくこの作品のみ。にもかかわらず、まるで映像を観ているかのように緊迫感が伝わってくる迫真の描写に、最後まで吸い込まれてしまいます。 この作品で描かれている山野井泰史さんが世界で13人目のピオレドール生涯功労賞を受賞したのは先月のこと。 奥多摩での生活や、奥様の妙子さん(彼女も優れたクライマー)との描写にも、憧れを抱きながら再読したのでした(おそらく4回目)。 冒頭の本を交換する相手が、山が好きかどうかも全くわからないのに、私の暑苦しい思いをたっぷり込めて、、、

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