ずっと友達 案外、馬も賢くて 猟犬を凌ぐスピードで逃げ切るわけだから 1度、記憶に刻まれたら 生涯、覚えているのだろうと思う 子馬が生まれて 秋には離乳 母との一生の別れにあたる、 この離乳という儀式を経て、 (まれに牝馬なら現役を無事に終えて繁殖に上がった先が同じ牧場で母と再会ということも有る) 心身ともに否応なしに成長…😃 という時期がこの、晩秋 臭覚は脳の記憶深くに刻まれるので いっぺん覚えたら やはり尚更忘れにくくなることだろう ヘリオスの方が2つも年上(ヘリオスは7月生まれで現2歳5ヶ月) 子馬の方は生後7ヶ月 いずれ彼も(子馬はオス) 馴致(じゅんち)という、鞍を乗せたり 円に沿った駆け足の練習をしたり お尻に近づいては遠のく 柔らかくしなる、なが鞭を見つめながら たくさんのことを学び やがては人を乗せ 馬銜、馬具や、お手入れ 洗い場、物音 馬運車、輸送、 発馬機、枠入り、ダッシュ、 加速の合図、ゴールの場所や 常歩、 駆け足、減速、ブレーキまで 競馬に必要な様々な物事を 慎重に 手順とともに飲み込んでいく そのほとんどが ろくに休養も親身に考えて貰えない スケジュールで 狭い馬房と馬場運動を 往復する毎日で胃を壊す 自然に身を任せて 人を信用して 全てを委ねることを承知し 食べて身になる 強靭な心と肉体を 維持できた者のみが 生き残って行く 過酷な世界 母から受け継ぐ その体質と 血や肉体 父から受け継ぐ 品と相 性格は神の匙加減だが 多分に母譲り 虫や勘や夢の知らせで 所縁のある馬を訪ねるとき 少しでも はるか彼方、忘れてしまうほど昔に 母に抱かれて 放牧地でまどろんだあの頃を 思い出して心の泉に辿り着けるよう なるべく幼いうち なるべく貴重な体験を刻んで 間もないうちに 会いに行く 命がけで 最終コーナーを回るとき その足にかかる負担は 1トンにも増す 心配してもきりがないけど 無事でゴールを迎えてくれたら良い 私達の してあげられる ささやかな努力は 限られているけど あなたの身体を心を 軽くさせてあげたい

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