『静かなる山』 また片付けをしていたら、古い本が出てきました 『静かなる山』は1978年、続編はその2年後、私が山を始めるより前に発行された本です 執筆者でそれぞれまえがきを書かれている川崎さんと望月さんには、たまたま山の宿と帰りの列車でご一緒したことがあります。お二人とも静かな雰囲気を湛えた紳士でした 川崎さんの著書『雪山・藪山』の世界は、その頃の私の憧れの山でした この本には、今は静かなる山とは言いがたい山も含まれていますが、今も雪のある時期か藪を漕がなければ辿り着けない山もあります 目次の写真を載せておきました。ご存じの山もあると思いますが、聞いたこともない山もあるのではないでしょうか 私も知らない山ばかりです。昔からとても行きたい山もいくつかありますが、たぶんこれから行ける山は限られるでしょう 今は情報の多いところ人も多い気がします(その逆も然り) 私は賑やかな山も静かな山も、どちらも楽しめる気がしますが、やはり静かな山の方が好きなようです 以下はまえがきの抜粋です。40年前に日本の山の開発を憂えています。高度成長期を経た後という時期もあるかもしれません (まえがき より) 「われわれは山に関する限り、喧騒は甚だ嫌いだし、つとめてそれからは避けるようにして、山を選び、登ってきた。」 「日本の山は、戦後遺憾ながら完膚なきまでに開発されてしまい、昔日のような静かなる山はなくなった。しかし、そうした国土の中でさえ、われわれを愉しませてくれる山が、僅かではあるが残されているのを知っている。せめて、そうした山ぐらいは、このままに残しておかなければ、という切実な願いも、本書刊行の理由である。」 (続編のまえがきより) 「或る山に登った人は、酷い藪こぎだったと言った。三角点がどうしても探し出せなかったという声もあった。そんな悲鳴をあげ、快感を味わっていただければ、執筆の甲斐があったと思う。」

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