みちびき

この日は朝から雨がちらほらと 降ったり止んだりを繰り返していた さてはて いったいどうしたものか 今日はどうしようかななんて 頭の中は朝から 思考回路を張り巡らせながら 朝食のメニューを考えていた 当初はガッツリ雪山に行く予定だったが 待てどしばらくはやみそうにないので 雨雲が抜けるまではコーヒー片手に 音楽を聴きながら待機している そんなこんなをしていたら どこからか日の光が見えるではないか しかしどうしたものか このままこの光の導きを無視して シュラフから出ないで ぬくぬくするのも悪くないななんて 悪魔がたくさん出てきたもんだから いよいよ究極の選択を迫られて 結局近場の山に行ってみることにした 今回目指したのは北ア南部が 一望できる展望の山なのだが それはさておき とにかく歩いてみることに！ 登山口の前には無料で止められる 駐車場があるので ありがたくそれを使わせていただき ２キロの登りをひたすら歩ききった！ そこには三人組の先客がいた その三人組は我々と ほとんど同時に登頂したらしく ザックをおろすやいなや 皆一斉に同じ方向を向いて カメラやら携帯やらで ポチポチと必死そうだった そうなればこちらも人間なので 気になってその先をどうしても向いてしまう そこにあったのは 雲の切れ間から蝶、常念を筆頭にパノ銀 その奥に槍の姿はなかったが もはや十分すぎる絶景だった 息の整わぬまま 無造作にカメラを取り出し その三人組同様パシャリとシャッターを切る その後三人組はその先に進み ランチ会の会場を探しに行った 我々もしばらくしてから出発したのだが ちょうど山頂で二人が新しく登頂されて その二人も先ほどと同様 一連の動作を繰り返していたのが 面白いところだ さて、この先は二度と人と会うことはなく 静かな山歩きを楽しみ 周回にて車まで戻ってきたのだが また近くに来たのならば 是非訪れてみたいと思う山になったのだった