少しだけ「グレートトラバース」

2021.02.20(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 30
休憩時間
28
距離
9.6 km
のぼり / くだり
1368 / 1400 m

活動詳細

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谷川岳は、私にある人を思い出させてくれる特別な山である。 https://yamap.com/activities/5891160 それは時を経た今も変わりはない。 谷川岳の魅力や素晴らしさに気付けば気付くほど、川島さんと登りたかったという気持ちが溢れてくる。 時は戻せない。だからせめて、私はこの山だけは登山中に川島さんに語りかける。 冬の谷川岳。⛰ 雪山2年目の今年もやはり登ろうと思っていた。 北アルプスの西穂高独標へ行く前の前座として「厳冬期 西黒尾根」は行っておきたかった。 西穂高ロープウェイが現在運休中であり、西黒尾根もまだ先でいいかと気楽に考えていたが、好天のため急遽行くことにした。🙂 現在、谷川岳ロープウェイは土日のみの運行。そのためか駐車場代も1000円に上がっている。🙁 雪山というのは、登るためのギアを揃えるだけでなく、車移動の高速代、駐車場代、ロープウェイ代やリフト代など色々経費がかかることが多い。🧐 しかし地元の山へ行く今日は、高速に乗る必要はない。そして今回はロープウェイにも乗らず、駐車場代もかけない「0円登山」を決行する。😉 (ガソリン代は数百円かかってます😀) 車は地元民が知る場所へ無料で停める。そのため登山口まで速足でも20分〜ほど歩かねばならない。しかし冬場のウォーミングアップにはちょうど良い。 登山口までも歩くなんて、ほんの少しだけ「グレートトラバース」の田中陽希さんの旅感覚を体験することができた。 歩いて向かっているとロープウェイ駅へ向かう車にどんどん抜かされていく。 立ち止まり、親指を立ててヒッチハイクしてみようか考える。🙄 運転中、ザックを背負い、ストック持ってポツンと歩いている人間を見かけた方、それは私です。 西黒尾根登山口へ向かっていると、登山指導センターで道が終わっている。雪で閉ざされているのだ。そのためセンター裏からすでに直登が始まっているようだ。🙁 アイゼンを付けたり装備を確認したりし、7:50 登山スタート。予定より20分も遅れてしまった。 できればロープウェイでやってくる登山者の方々より先に登頂したい。 まずは先行していった人たちに追いつこうか! ではその一部始終を見てみよう!!😃

谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 最近ゴーグルを変えて思いますが、どこかの惑星に降りたった飛行士みたいな写りです。
最近ゴーグルを変えて思いますが、どこかの惑星に降りたった飛行士みたいな写りです。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 今日は素晴らしい快晴だ。こんなにはっきりと谷川岳を見たのは初めてかもしれない。
今日は素晴らしい快晴だ。こんなにはっきりと谷川岳を見たのは初めてかもしれない。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 登山指導センターからスタート。ここで準備します。最終トイレはロープウェイ駅です。センターのトイレは「凍結のため使用不可」の張り紙あり。
登山指導センターからスタート。ここで準備します。最終トイレはロープウェイ駅です。センターのトイレは「凍結のため使用不可」の張り紙あり。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 見上げる空は、吸い込まれそうな青。そこへむかってトレースが続いている。
ああ、来てよかった。浄化されていく心地良さを全身で感じることができる。
見上げる空は、吸い込まれそうな青。そこへむかってトレースが続いている。 ああ、来てよかった。浄化されていく心地良さを全身で感じることができる。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 振り返ると、白毛門や笠ヶ岳。先日、笠ヶ岳で吹雪のホワイトアウトを経験したが今日はあちらも素晴らしい天気だ。
振り返ると、白毛門や笠ヶ岳。先日、笠ヶ岳で吹雪のホワイトアウトを経験したが今日はあちらも素晴らしい天気だ。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 トレースはおそらく今日だけの物ではない。早朝から登られた方がいるのだったらもう少し早く来れば良かった。いつも誰かのトレース頼りで遅い出発にしがち。
トレースはおそらく今日だけの物ではない。早朝から登られた方がいるのだったらもう少し早く来れば良かった。いつも誰かのトレース頼りで遅い出発にしがち。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 どこまでも白と青が続く。
先行する人を1人、また1人と抜かしていく。
そしてまた1人、次に2人、また次に2人、、、。
5人。
山頂までに25位くらい順位を上げた。
どこまでも白と青が続く。 先行する人を1人、また1人と抜かしていく。 そしてまた1人、次に2人、また次に2人、、、。 5人。 山頂までに25位くらい順位を上げた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 白毛門方面。標高を上げてきたようだ。
白毛門方面。標高を上げてきたようだ。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 山頂が見えてきたろうか。
山頂が見えてきたろうか。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 トレースは膝〜腰まである深さ。後を辿るだけでもしっかり足上げをしなければならない。しかしそうやって登ることが楽しい。
トレースは膝〜腰まである深さ。後を辿るだけでもしっかり足上げをしなければならない。しかしそうやって登ることが楽しい。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 尾根を振り返る。だいぶ標高を上げてきた。武尊山が見えているのだろうか。
尾根を振り返る。だいぶ標高を上げてきた。武尊山が見えているのだろうか。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ピッケルを構えながら険しい道を歩ける充実感がたまらない。雪山はこうでないと。
ピッケルを構えながら険しい道を歩ける充実感がたまらない。雪山はこうでないと。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 振り返って。夏道が思い出せないほど雪が積もりその世界を変えていた。
振り返って。夏道が思い出せないほど雪が積もりその世界を変えていた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 右側が急傾斜で落ちそうな気にもなるが、誰かが突然ドロップキックでもしてこない限り落ちないので安心。また、新雪で柔らかいのでそもそも自分から思い切り前転でもしない限り雪にはまって転げられないので安心。

このあたりで新潟方面からビルが崩壊するような物凄い轟音が響いてきた。

雪崩か。

ドドドドドド・・・。

20秒ほど続いたろうか。その姿は見えないが今日は気温が高いため不安が過ぎる。
右側が急傾斜で落ちそうな気にもなるが、誰かが突然ドロップキックでもしてこない限り落ちないので安心。また、新雪で柔らかいのでそもそも自分から思い切り前転でもしない限り雪にはまって転げられないので安心。 このあたりで新潟方面からビルが崩壊するような物凄い轟音が響いてきた。 雪崩か。 ドドドドドド・・・。 20秒ほど続いたろうか。その姿は見えないが今日は気温が高いため不安が過ぎる。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 辿ってきた尾根。当初、西黒尾根を往復しようと思っていたがトレース通りで下山すると急傾斜が危険なこと、また岩場がおそらく降りられないこと、を考えると厳しいと判断し、仕方なくロープウェイで下山することに決めた。
辿ってきた尾根。当初、西黒尾根を往復しようと思っていたがトレース通りで下山すると急傾斜が危険なこと、また岩場がおそらく降りられないこと、を考えると厳しいと判断し、仕方なくロープウェイで下山することに決めた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 こういうきつそうな傾斜を登りたかった。
45度くらいか。
実際に行くと前しか見ないため、傾斜は気にならない。トレース深すぎて横に転げられないので大丈夫。誰かが前から突然十六文キックをしてこなければ落ちない。ただ、もしここを下山するならこわい。
こういうきつそうな傾斜を登りたかった。 45度くらいか。 実際に行くと前しか見ないため、傾斜は気にならない。トレース深すぎて横に転げられないので大丈夫。誰かが前から突然十六文キックをしてこなければ落ちない。ただ、もしここを下山するならこわい。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 今度は山頂への緩やかな登り。厳冬期の西黒尾根、天候良ければ最高に楽しい登山道だ。(上りに限る😓)
今度は山頂への緩やかな登り。厳冬期の西黒尾根、天候良ければ最高に楽しい登山道だ。(上りに限る😓)
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 間もなく山頂稜線か。こちら側は風もほとんどなく暑い。稜線上がどの程度の風か。
間もなく山頂稜線か。こちら側は風もほとんどなく暑い。稜線上がどの程度の風か。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 肩の小屋を確認。稜線へ出た。
素晴らしい眺望を見て気持ちが高ぶり、そのまま山頂へ向かってしまった。本当ならここでハードシェル、帽子、バラクラバ、ゴーグル、グローブなどを装備しなければならなかった。山頂付近での強風に一気に体が冷えてしまった。
肩の小屋を確認。稜線へ出た。 素晴らしい眺望を見て気持ちが高ぶり、そのまま山頂へ向かってしまった。本当ならここでハードシェル、帽子、バラクラバ、ゴーグル、グローブなどを装備しなければならなかった。山頂付近での強風に一気に体が冷えてしまった。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 新潟県側へ出た途端に強風が吹き荒れた。
新潟県側へ出た途端に強風が吹き荒れた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 谷川連峰主脈。
谷川連峰主脈。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 誰もいない山頂!!トマの耳。
ここで対強風装備を整える。
誰もいない山頂!!トマの耳。 ここで対強風装備を整える。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 誰かいませんか?写真お願いしたいのですが、、、。
誰かいませんか?写真お願いしたいのですが、、、。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 オキの耳へ向かう。雪にめちゃくちゃ切れ目入っていました。
オキの耳へ向かう。雪にめちゃくちゃ切れ目入っていました。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 装備さえ整えればまったく寒くなく、強風の中でもずっと見ていられる。
装備さえ整えればまったく寒くなく、強風の中でもずっと見ていられる。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 かといって強風の中ではコーヒー休憩もできないから下山。トマの耳へ戻る。
かといって強風の中ではコーヒー休憩もできないから下山。トマの耳へ戻る。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 主脈はどの角度から見ても美しい。
何度も立ち止まっては見惚れた。
主脈はどの角度から見ても美しい。 何度も立ち止まっては見惚れた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 トマの耳への登り。凍っていて、アイゼンがよく刺さって歩きやすい。
トマの耳への登り。凍っていて、アイゼンがよく刺さって歩きやすい。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 これまた夏道を思い出せないほどの変わり様。
これまた夏道を思い出せないほどの変わり様。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 肩の小屋を過ぎ、名残惜しいですが下山へと足を向かわせます。
肩の小屋を過ぎ、名残惜しいですが下山へと足を向かわせます。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 なんじゃこりゃあ!
なんとロープウェイ組の大行列が登ってきた!!予想以上の混雑だ!去年は私もこの中の1人だった。抜かすに抜かせない大渋滞にうんざりした覚えがある。今日は西黒尾根から先に登った優越感の中、彼らとすれ違う。
なんじゃこりゃあ! なんとロープウェイ組の大行列が登ってきた!!予想以上の混雑だ!去年は私もこの中の1人だった。抜かすに抜かせない大渋滞にうんざりした覚えがある。今日は西黒尾根から先に登った優越感の中、彼らとすれ違う。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ロープウェイ駅に戻ってきたが、あまり疲れていない。体力はまだまだいける。そのため、なんとなく不完全燃焼だ。

笠ヶ岳のホワイトアウト下山なんて、家に帰ってきても息切れしてたのに。

まだ雪山を歩いていたいのでロープウェイ下山をやめ、自力下山することにした。
しかし下山路が分からず、ウロウロ。
マップを見るとロープウェイ駅のもっと手前で尾根に降りる道があったようだ。確かにBCの人たちが次々に降りて行っていた。

しかしロープウェイ直下を行くゲレンデコースも確かあったはず。
係員さんに行くと「あっちのリフトの脇にあるよ。圧雪はしてないけどね。」とのこと。
行ってみると、BCのボードの跡や僅かにワカンのトレースが確認できた。
数歩歩くと太ももまで埋まる。
予想以上に足をとられる。
ワカンもスノーシューもないけど、大丈夫か?

どうする?行くか?なんとかなるか。
途中、膝まで埋まる。そして下山なのにラッセルすることに。
ロープウェイ駅に戻ってきたが、あまり疲れていない。体力はまだまだいける。そのため、なんとなく不完全燃焼だ。 笠ヶ岳のホワイトアウト下山なんて、家に帰ってきても息切れしてたのに。 まだ雪山を歩いていたいのでロープウェイ下山をやめ、自力下山することにした。 しかし下山路が分からず、ウロウロ。 マップを見るとロープウェイ駅のもっと手前で尾根に降りる道があったようだ。確かにBCの人たちが次々に降りて行っていた。 しかしロープウェイ直下を行くゲレンデコースも確かあったはず。 係員さんに行くと「あっちのリフトの脇にあるよ。圧雪はしてないけどね。」とのこと。 行ってみると、BCのボードの跡や僅かにワカンのトレースが確認できた。 数歩歩くと太ももまで埋まる。 予想以上に足をとられる。 ワカンもスノーシューもないけど、大丈夫か? どうする?行くか?なんとかなるか。 途中、膝まで埋まる。そして下山なのにラッセルすることに。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 白毛門を正面に見ながら、滑落しそうな急斜面を避けて、行けそうな斜面を考え歩く。ひたすら膝まで埋まる。バランス崩したら転がりそうだ。
やっぱりロープウェイにすれば良かった😭
とか最初は考えた。
白毛門を正面に見ながら、滑落しそうな急斜面を避けて、行けそうな斜面を考え歩く。ひたすら膝まで埋まる。バランス崩したら転がりそうだ。 やっぱりロープウェイにすれば良かった😭 とか最初は考えた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ようやくBCの方が滑る谷へ合流。ここはここで、靴が厚底になるほど雪がまとわりつく。
ようやくBCの方が滑る谷へ合流。ここはここで、靴が厚底になるほど雪がまとわりつく。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 BCの方のシュプールを追って下山していく。
時折、スキーヤーやボーダーが颯爽と追い抜いて行った。
ゲレンデや登山道とは打って変わり、耳鳴りがする静けさが在った。
それは自分が求めている雪山環境のひとつでもあった。
誰もいない牧草地の雪原をひとり歩いている時に感じたあの孤高感を思い出す。
海外をバックパッカーしている気分にも似ている。

全て自分の判断だけで前に進んでいける面白さ。

「ああ、今、すごく楽しいな。」

頭上を音もなく流れ去って行くロープウェイ、そのさらに上に広がる空を見上げて私はそう思った。
BCの方のシュプールを追って下山していく。 時折、スキーヤーやボーダーが颯爽と追い抜いて行った。 ゲレンデや登山道とは打って変わり、耳鳴りがする静けさが在った。 それは自分が求めている雪山環境のひとつでもあった。 誰もいない牧草地の雪原をひとり歩いている時に感じたあの孤高感を思い出す。 海外をバックパッカーしている気分にも似ている。 全て自分の判断だけで前に進んでいける面白さ。 「ああ、今、すごく楽しいな。」 頭上を音もなく流れ去って行くロープウェイ、そのさらに上に広がる空を見上げて私はそう思った。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 初めて谷川岳ロープウェイを下から見た。よく見るとロープウェイの腹にも広告が貼ってある。
そこから見える私はどうだ?良いところを歩いているだろう。
初めて谷川岳ロープウェイを下から見た。よく見るとロープウェイの腹にも広告が貼ってある。 そこから見える私はどうだ?良いところを歩いているだろう。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 間もなくロードへ出る。
雪どけの水が池のようになっていて、清らかな音をたてて流れていた。春が近づいている。
ロードへ出てまた20分ほど歩く。
アスファルトってこんなに歩きやすいのかと感動さえする。
間もなくロードへ出る。 雪どけの水が池のようになっていて、清らかな音をたてて流れていた。春が近づいている。 ロードへ出てまた20分ほど歩く。 アスファルトってこんなに歩きやすいのかと感動さえする。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 帰路。月夜野あたりから谷川岳を眺める。
畑から谷川連峰が真っ白に見えた。オキの耳、トマの耳もちゃんと見えている。
帰路。月夜野あたりから谷川岳を眺める。 畑から谷川連峰が真っ白に見えた。オキの耳、トマの耳もちゃんと見えている。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 春の気温。ただぼんやりしていたい。
春の気温。ただぼんやりしていたい。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 神社から谷川連峰が良く見える。田舎に住んでいるのに、田舎とは本当に情景が素晴らしいと思う。
神社から谷川連峰が良く見える。田舎に住んでいるのに、田舎とは本当に情景が素晴らしいと思う。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ネコミミ谷川岳と天神尾根、西黒尾根が見える。
数時間前には本当にあんなところにいたのか、と驚く。

さて、3月は西穂高独標を目指す。
ネコミミ谷川岳と天神尾根、西黒尾根が見える。 数時間前には本当にあんなところにいたのか、と驚く。 さて、3月は西穂高独標を目指す。

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