活動データ
タイム
05:08
距離
7.0km
のぼり
731m
くだり
735m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る「冬の前倉コースってどんなだろう」 そう思ったのが間違いのもとでした。去年の3月、初めて登った南昌山で行きあった人が、前倉コースからの周回だときいて。なんかその人がかっこよく思えて、冬にここを登ることが自分のなかでひとつのステータスみたいになってました。 足跡はついています。なので登り始めました。下ってきた足跡もあります。すげーなぁ…周回できるのにこの急坂をくだってきたのか。その理由は後で思い知ることになります。 この日は気温が高く、快適な登山ではありましたが雪が溶けかけていました。ニセピーク?まではツボ足を蹴り込んでなんとか登りましたが、雪が深くなってきたのでスノーシューをつけます。山頂に向かっての急登が始まり、先行者が戻ってきた理由を知りました。 もともとルート不明瞭なコースの藪に積もった雪なので、地面との間に隙間があるようです。スノーシューでも容易に踏み抜いて股下までささります。この急登なのでほぼ四つん這い、雪に両手両足を突き刺して登ろうにも、雪とともに滑り落ち、自らが雪崩を作り出しそうな場面が何度もありました。ならば、と肘と膝を使って応力を分散して…それだと滑り落ちる。夏なら難所のロープ場がボーナスステージです。 しかし最後から2つ目のロープの上、どうやっても登れません。雪がコースを塞いでいます。ピンクテープも見えない。ルートを間違ったんじゃないか…いったん足場の安定した場所に戻り思案。ここはYAMAPにコース図がありません。前回の軌跡をダウンロードしておけばよかった…戻ろうかとも思いましたが、ここまでの険しさを思い出すと戻るとかえって危険が伴いそうです。しばしあたりの地形を眺め、やっぱりここを正面突破するしかないと判断。スノーシューを外して、ツボ足を蹴って蹴って、あえて踏み抜いて地に足をつけます。下に登山者はいないだろうから、両手で雪をかき落とし、なにかつかめるものを探してよじ登ります。左の藪にそれ、その雪に手を入れ、木々の枝を借りてやっと少し登ったら、ピンクテープあった!ここでよかった。 難所を越えて下を見下ろすと、安心感と同時に具合がわるくなってきました。緊張を強いられたからかもしれません。食事はとうぶん喉を通らなさそうなので昼食はあきらめ、ゆっくり登ります。山頂に近づくと見たことがない景色。再びスノーシューをつけて上に向かうと、見たことがない景色の山頂広場でした。展望台より高く雪が積もっています。木々の葉が落ちて、早池峰山がきれいに見えました。南昌山からこんな眺めは初めてです。 ご褒美にひたる余裕もなく、フラフラと下山をはじめます。一般登山道を降りましたが、こちらも積雪でコースがわからなくなっていました。それだけに五合目登山口についたときの安堵感は格別でした。 南昌山って「まんが日本昔ばなし」の背景にでてくるようなかわいい山容をしていますが、もう冬は登りたくないと思いました。生きて帰って来れたのは他でもなく好天のおかげでした。
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