主な見どころ・楽しみ方

日本有数の活火山・浅間山
浅間山と外輪山を間近に望む展望台
標高1,970mまでクルマでアクセス可能！
森林浴と展望を楽しむ山歩道

アルパインクライマー、スノーボーダー船山潔

ふなやま・いさぎ／長野県生まれ。フルコーディネートのガイドサービス「Gen.」やネイチャースクールのプロデュースを行う。自伐型林業など環境活動にも取り組む。

火山である浅間山は、この山の麓で育った僕にとっては一番近くで見てきた山。火山って強いエネルギーが発生しているから、すごく元気になるんですよね。このコースでは火山特有の力強さを五感で感じることができます。あまり登らなくても高地を歩けて、森林限界の先に近い景色が楽しめるんです。短いながらも見どころが多くてストーリーがぎゅっと詰まっているのもおすすめです。楽ではないけど、達成感もありますよ。

車坂峠を起点としたピストンコース。小諸の町と八ヶ岳の絶景（①）を眺めつつトーミの頭へ。この付近でカモシカ（②）に出会える可能性大。折り返し地点の黒斑山（③）では浅間山の雄大な姿を望むことができる。

※上記はBRUTUS2023年6月15日発売号企画「これが私の“山歩“道」の内容を引用掲載しています。

日本有数の活火山・浅間山

火山列島である日本の活火山の中でも、その巨大さと雄大な裾野が大きな存在感を放っているのが浅間山（2,568m）です。特に1783年に起こった天明の大噴火では、高く上がった噴煙の微粒子が成層圏に停滞して日光を遮断。これによって引き起こされた天候不良は日本だけでなくヨーロッパにも及んだともいわれています。

現在でも火山活動が活発化する度に火口周辺規制が発令され、その山頂に登ることはできません。けれどもその雄大な姿を一望する展望スポットへは、手軽な山歩道が延びています。

浅間山と外輪山を間近に望む展望台

軽井沢など山麓から見上げる浅間山も良いものですが、やはり近くから眺めるとその迫力が違います。浅間山周辺にはその外輪山である山々が連なっていますが、中でもイチオシなのが第一外輪山の最高峰・黒斑山（くろふやま・2,404m）。山頂火口からの直線距離はわずか3km弱、目の前に堂々とそびえる浅間山は迫力満点です。

標高1,970mまでクルマでアクセス可能！

標高だけを見るとかなり高い黒斑山ですが、実はスタート地点である標高1,970mの車坂峠まで山麓の小諸市からチェリーパークラインという山岳道路でアクセスでき、路線バスも運行しています。

車坂峠と黒斑山は標高差で例えるならば高尾山口駅から高尾山に登るのとほぼ同じ、しかも標高2,000m付近の高原からスタートするので、夏でも爽やかな山歩を楽しむことができます。峠周辺の草原も美しく、ちょっとした立ち寄りにもおすすめです。

森林浴と展望を楽しむ山歩道

黒斑山までの山歩道周辺にはカラマツの木が多く、春には萌葱色の芽吹き、秋には金色に輝く黄葉が美しい森です。途中には森が開けたビュースポットもあり、小諸の街並みと背後にそびえる八ヶ岳を遠望することもできます。

雪がある時期以外はいつ訪れてもよい場所ですが、とりわけ賑わうのがカラマツが色づく秋。浅間山の山頂が新雪で薄化粧した景観は、粉砂糖をまぶしたガトーショコラにそっくりで、多くの人が訪れます。

この活動日記で通ったコース

火山特有のエネルギーを感じられる長野・浅間外輪山コース