湯元から山スキーで日光白根山 白根沢で進退窮まる

2021.02.07(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 37
休憩時間
1 時間 28
距離
9.7 km
のぼり / くだり
1453 / 1040 m
3 32
28
1 8
26
1 21

活動詳細

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https://turtleintheshell.wordpress.com/2021/02/07/nikko-shirane/ このところ那須 三本槍岳に二連敗。日光白根山に目標を変えた。 久しぶりの日光、12月に丸沼高原スキー場に行ったとき以来だった。金精道路は閉鎖中なので、日光湯元へと降りていく。冬の日光湯元も雪国の雰囲気がある、ぜひ泊まってみたいものだ。 今日の天気は下り坂。クルマの外では風の音が聞こえていて、テンションがあがらず準備に時間がかかってしまった。行かないと後悔するのでクルマを出ると、風は大したことはなかったというオチ。 ビジターセンター前の無料駐車場から日光湯元スキー場まで200mくらい板を担いだ。スキー場からシール登行。夏に泊まったキャンプ場はソリ遊び場になっていて、その横を通っていった。ゲレンデでは日の出前から圧雪車がコースをならしていた。斜度のゆるやかなゲレンデの端を歩いて行く。 後ろから太陽が昇ってきて、前方の真っ白な前白根山を照らしている。日光湯元から日光白根山(奥白根)は、外山尾根に登り上げて前白根山をとおり、一度 外輪山の中に降りてから日光白根に再び登り上げるアップダウンのあるコースだ。 日光湯元スキー場の奥から、外山尾根に登り上げる急登が始まった。シール登行にクトーをつけたがそれでもスリップするので、たまらずスキーを担いで、プラスチックブーツにアイゼン着けて登った。外山尾根、調べてみると13年ぶりだった。当時のことを思い出しながら登った。その時は避難小屋に泊まって岩稜をロープで登った。下山してくる方とスライドした。前日登頂して、避難小屋に泊まって下山してきたそうだ。 急登を登り終えたら大休止をして、ここで再びスキーを履いてシール登行。振り返ってみると、この区間(外山尾根~前白根山)が最も山スキーの恩恵を受けたところだった。朝日に照らされた外山尾根をゆるやかに登っていく。木々につけられた赤と黄色の道標が、アップダウンを避けなだらかな登行に導いてくれる。白根沢源流と思しき地形は、山スキーで来てよかったと思える場所だった。 天狗平を越えて、尾根に戻ると日光白根山が眼前にどんと飛び込んでくる。外輪山の中に円錐形が鎮座しており、その迫力に圧倒された。前白根山(2373m)まではスキーを履いて行けたが、下りは岩だらけでスキーを担いだ。雪がつかないのは風が強すぎるからで、スキーの板も風にあおられた。外輪山尾根もアップダウンがある。雪がつながったらまたスキーを履いて、避難小屋を目指してカルデラ内へ下っていった。 避難小屋に到着して大休止。避難小屋2250mから日光白根山2577mまでがラストアタックとなる。外輪山からの観測だと樹林帯はスキーを履いて登れそうだが、森林限界より上は急な斜面でアイゼンに履き替えたほうがよさそうだった。森林限界でスキーからアイゼンに換装していると、避難小屋で出会った方とスライドした。森林限界より上の斜面は、アイゼンで納得の急斜面。緊張感と薄い空気で息を切らしながら、久しぶりの2000m超の登りを味わった。幸い風は思ったほど強くなかった。日光白根山の東側のため、山が風よけになってくれていたのかもしれない。 日光白根山上部では、傾斜が緩み、砂や岩の露出してる登山道になった。まず奥社にお参りをしてから、日光白根山2577mの山頂に達した。久しぶりに目的の山頂を踏むことができて、達成感がこみあげてきた。 火口をのぞきこむと納得の急斜面。安全に登ってきたとおりに滑ろうと思った。雪がつながったところでスキーを履き、いざエントリー。きれいなシュプールにはほど遠く、かたい斜面を必死にスピードコントロールしながら滑っていった。樹林帯までもどるとふかふか雪になって気持ちがよい。あっという間に避難小屋まで戻ってきた。 ここから外輪山へのスキーシール登行。低温になったシールは粘着力が落ちていたが、前白根基部まで剥がれずに持ちこたえてくれた。前白根山への登山道は相変わらず風が強く、担いだスキーがかなりあおられた。一部雪がつながっていないところがあって履き替えが面倒だったので、前白根山から天狗平までもそのままスキーを担いで降りてきて、天狗平でスキー滑走に換装した。 思ったとおり白根沢源流はふかふかで気持ちよい滑りだった。反省点はそのまま白根沢に吸い込まれてしまったこと。GPSで確認した時には登山道に戻る気がなくなり、このまま白根沢を滑って行った。 しかしだんだんと、細く急になっていく白根沢。滑れない斜度ではないが、万が一雪崩れたときのことを考えると怖くなった。雪は安定していると思うものの、確証があるほどの経験もないので、登山道にトラバースしていくことを決めた。 地形図上だとトラバースしていけば、急登の登山道に戻れそうだが、そう甘くはなかった。密な樹林に遮られ、地形図には表現されない数々の沢と尾根を越えるのに難儀した。スキーを履いたままでは樹林をかき分けずらく、スキーを脱いだら腰まで潜る。気が付いたらストックが折れていた。 GPSでは近く見える登山道になかなか合流できない。白根沢を滑っていったら楽ちんなんだろうなとは思うものの、この地形を考えると雪崩れるリスクがある、という葛藤を何回繰り返したことか。4、5回 小尾根小沢を渡っただろうか、ちょうど下山してきた方が見えて、登山道へ合流成功したことがわかった。GPSとして使っていたスマートウォッチのバッテリーも底をつき、プチ遭難を体験してしまった。大反省。 合流地点は、いまは稼働していない上部リフト付近だったのは不幸中の幸い。植林で森に帰りつつある斜面を滑った。ゲレンデに出るとガリガリ斜面が、疲労した脚に追い打ちをかける。駐車場までも雪がつながっており、片ストックで無事帰還。燃え尽きた日光湯元~日光白根山 山スキー登山となった。

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