堀山・塔ノ岳・日高・竜ヶ馬場・丹沢山

2021.01.31(日) 日帰り

活動データ

タイム

09:43

距離

18.2km

のぼり

1722m

くだり

1723m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 43
休憩時間
2 時間 13
距離
18.2 km
のぼり / くだり
1722 / 1723 m
6
5
42
29
20
13
14
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活動詳細

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私はなんとなく秦野の街が好きだった。 と言っても、秦野ICから大倉登山口へ向かう道くらいしか走ったことがないのでにわか中のにわかであるが。 まず、KOBELCO等の大きめの研究施設がたち並ぶ郊外の道路がいい。 地味に両脇は桜並木なっているので、春に通ると綺麗なのだろう。 どことなく筑波の研究学園都市の風景に似ている。 そのだだっ広い道を抜けると、丹沢の麓に広がる秦野の街が一望できるところに出る。 大体、登山に行く時はちょうどこの辺りで日が登ってきて、街に光が差し込む。その背景には丹沢山地が広がっており、朝日に照らされた街並みとよくマッチする。親しみやすい丹沢の山々を象徴する風景である。 そして大倉登山口に到着。ここは、渋沢駅からのバスも乗り入れたくさんの登山客で賑わっており、活気がある。 バカ尾根と呼ばれる標高差1200mの登りに取り掛かった。とは言ったものの、道はかなり整備されているし、大して問題にはならなかった。 30分くらい登ると、茶屋が現れた。このコースには何件も茶屋が点在しており、適宜休憩がとれるのだ。 しかし、1軒目の茶屋は休業していた。 「しばらく休みます。 店主」 と書かれた紙が何枚もシャッターに貼り付けられていた。そこに誰が書き始めたのか、鉛筆で、「コロナの影響ですか?」とか「おしるこが食べたいです。」とか書き加えられており、再会を望む声が寄せられていた。こういう素朴なやり取りに、ホッとした気分になる。 しばらく進むと別れ道に辿り着く。どちらに進んでも塔ノ岳へ続いているようだ。素早くYAMAPを確認。右手の道の方がコースタイムは短いようだ。 分岐ではYAMAPを見て楽な方へ。これ、ヤマッパーの鉄則。 その後も見晴茶屋、駒止茶屋と順調に通過した。そして、堀山という小ピークを越えて堀山の家という山小屋に辿り着いた時であった。 小休止を取ろうとしたところ、追い抜いていった登山者が山小屋の主人に双眼鏡を手渡した。 「これ、落とし物。」 その光景をぼんやりと眺めていた私は、ふと我に帰りザックを漁った。 やはり落としていたようだ。 「これ、私のです。ありがとうございました。」 そうお礼を言って、小屋主から双眼鏡を受け取った。 2000円程の品だが、物を失くすと精神的ダメージは大きい。 感謝と安堵を感じながら、 「どこで落としたのかなあ。」 と、ひとり呟くと、ご主人は、 「どこで落としたかわからないから、落とし物って言うんだよ。」 と微笑んだ。 私はどことなく深みのあるその言葉を噛み締めながら、薪割りに勤しむ小屋の人達を眺めつつ、ベンチで休んだ。 甘酒を飲んでいる人や、売ってるフルーツゼリーを食べている人などで賑わっている。ここは、なかなか良いところである。 その後、バカ尾根の核心部ともいうべき急登が続いた。次第に雪も現れてきた。 前を歩いていた人が、息を切らして立ち止まり振り返った。 「おお。」 その声に呼応して、周りの登山者が次々と振り返る。 そこには相模灘と周囲の街が広がっていた。 さっきまで林の中を歩いていたのに、いつの間にこんなに視界が開けたのか。 西側には真っ白に染まった富士山も見えていた。 この前の大雪のせいだろう。 雪道を登りきると、丹沢主脈の一角、塔ノ岳に登頂した。さっき以上の大展望に多くの人で賑わっていた。 しかし、この旅はここで終わらない。 今日は丹沢山まで行こうというのである。 丹沢山への道のりは過酷だった。 アップダウンが激しいのもあったが、ヤンキー2人と同じペースで進むのが辛かった。 ファンキーな曲をラジオで掛けながら歩いているので、山の静寂が掻き消されるのだ。 若干ノイローゼになりつつ進んでいくと、ヤンキーが言った。 「ほら、見ろよ。この富士山を。目の前には山しかない。家が一軒もないぜ。」 「ヒュー!たしかに!」 なるほど。 そう言われればそうだ。 たしかに、純粋な自然だけに囲まれた富士山。 うーむ、なかなか目の付け所が鋭い。 意外とこの人達も山好きなのだな、と感心したものである。 そんなこんなで丹沢山に辿り着くことができた。 山頂では、パスタを作ったり、焼き肉をしたりするベテラン勢で賑わっていた。 やや肩身の狭い思いをしながら、コンビニおにぎりとじゃがりこを食べまくる。おいしい! 眺望については、丹沢山よりも塔ノ岳の方がいいかもしれない。 しかし、達成感はひとしおだ。 その後はピストンで下山した。 バカ尾根には各コースから徐々に下山者が合流し、行列となった。 なかなか自分のペースでは下れない。 それだけこの山が人気ということだろう。 延々と続く階段に足腰が痛くなってきた頃、なんとか下山が終わった。 ビジターセンター併設のカフェでは、焼きカレーやカレーうどんなど魅力的なメニューが並んでいた。 しかし、コロナも怖いのでグッと我慢してそのまま帰路についた。

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