宮之浦岳

2021.01.28(木) 4 DAYS

活動データ

タイム

26:58

距離

39.2km

のぼり

3415m

くだり

4018m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
1 時間 4
休憩時間
0
距離
2.5 km
のぼり / くだり
411 / 203 m
1
DAY 2
合計時間
7 時間 36
休憩時間
51
距離
10.2 km
のぼり / くだり
1249 / 692 m
2 2
21
16
52
35
5
1 30
DAY 3
合計時間
13 時間 56
休憩時間
3 時間 17
距離
17.2 km
のぼり / くだり
1304 / 1933 m
1 12
36
1 36
48
3
19
25
12
12
1 38
22
DAY 4
合計時間
4 時間 21
休憩時間
7
距離
8.8 km
のぼり / くだり
362 / 1176 m
4
11
23
43
2 3

活動詳細

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厳冬期の宮之浦岳へ (白谷雲水峽からピストン) 1月28日 曇り後雨 鹿児島市~屋久島宮之浦港~白谷雲水峡~白谷山荘 本来は鹿児島から夕方発のフェリー、ハイビスカスに乗り、29日早朝に屋久島入りして登り始める予定であったが、28日夜から天候が崩れ、さらに気温も一気にぐんと下がるようだ。念のため運航会社に問い合わせてみると案の定、大しけのためハイビスカスは運航しないとのこと。屋久島の高地では積雪も予想されるため、早い段階で屋久島入りした方が良さそうと判断して同日13時発のトッピーを利用して屋久島へ渡った。15時30分頃に屋久島到着後、宿泊先を考えていなかったため、本来は楠川歩道から歩き始める予定であったが、翌日天候が悪くなりそうなこともあり、 早めに白谷山荘に上がっておくのも悪くないかと考え、宮之浦港からタクシーを利用して白谷雲水峡へ向かった。16時頃白谷雲水峡に到着。すると天候は曇りから雨に変わっていた。今回のために用意した超軽量の折り畳み傘をさし、白谷雲水峡から登山を開始した。白谷山荘までは1時間程度、せっかくならと弥生杉を見るコースで登ることにした。樹林帯はそれほど風も強くなく、傘とザックレインカバーであまり雨に濡れることなく白谷山荘へ到着できた。到着する頃には日が落ちかけていた。山荘には一人で貸し切りだった。日が暮れると山荘の中も真っ暗になり、翌日の朝に備えて早めの就寝とした。 白谷雲水峡 トイレあり、駐車場あり、バスやタクシーでも来ることができる。タクシーだと宮之浦港から3500円前後かかる。 白谷山荘 無料 トイレあり、男女別、ペーパーあり、水場あり、記帳簿あり 1月29日 吹雪 白谷山荘~大株歩道入口~縄文杉~新高塚小屋 雨なのか風なのかよくわからなかったが、音が強くて夜間何度か目が覚める。この日は高度をたくさん上げなくてはならず、新高塚小屋、場合によってはその先まで行ってビバークという可能性も考え朝4時半過ぎにヘッドライトをつけて登山を開始。小屋のドアを開けると外はうっすら白くなっていた。雪が降っているのだ。歩き始めてもあられの様なみぞれの様な吹雪はずっと続いた。暗闇の吹雪の中、白谷山荘から辻峠までは上り、辻峠から楠川分れまでは下りの道を慎重に歩いた。道ははっきりしており、ピンクテープの道標も適宜あり道迷いのリスクは少なかった。トロッコ道へ入ると夜明けとともに徐々に明るくなった。吹雪は相変わらずで滑らないように大株歩道までの道のりを1時間20分程歩いた。大株歩道入り口のトイレにはベンチがありそこでしばしの休憩、同時に若い男女のカップルとガイドの方の3人組が来られ挨拶した。こんな吹雪の日になんか良く来るなぁと思いながら、素人のハイカーに負けるわけにはいかないとチェーンスパイクをここで装着し縄文杉まで先を急いだ。しかしながら、冬山フル&テント泊装備のザックはいかんせん重たい。縄文杉まではかなりの階段の登り、おまけに吹雪。息絶え絶えになりつつも何とかまずまずのタイムで縄文杉までたどり着いた。しばらく休憩していると程なく先ほどの3人組も縄文杉まで到着。女性の方曰く、自分が先に歩いて踏みあと着けてくれて助かったとのこと。自分としては素人のハイカーの方がこんな吹雪の日にこのタイムで縄文杉まで来れているのが驚きであった。縄文杉までのトレッキングから山登りにはまる人もいるようなので、好きになってくれたら嬉しいなと思いつつ3名に別れを告げて新高塚小屋を目指した。縄文杉から程なくして高塚小屋へ到着。これから下山される2名の登山者とすれ違った。吹雪の中かすかなトレースを頼りに高塚小屋から新高塚小屋まで向かった。登山道はほとんど雪に埋もれていた。時おり見かける道標や木の階段に安堵しながら13時前には新高塚小屋へ到着することができた。新高塚小屋には5名のパーティーの登山者が既におり寝袋を広げて休んでいた。昨日から居るようで本日は吹雪のため停滞しているようだった。平石位まで一度行っていて、そこでは股下くらいの積雪とのこと。明日は日の出を見るため2時前くらいには出発するとのことだった。トレースも付けて頂けるとのこと。自分も朝焼けに染まる宮之浦岳を見てみたいと思い3時~4時くらいの出発を想定し、その日は外は相変わらず吹雪だったこともあり、体力温存のため小屋でゆっくり休むこととした。ただ、休むといっても気温が低く、非常に寒かったので防寒具を着こんで、ほとんど寝袋にくるまって仮眠をとって過ごした。 大株歩道入口 トイレあり、ペーパーあり、水場あり、ベンチあり 新高塚小屋 無料 トイレ3基+携帯トイレブース1基 トイレは冬期は左端の1基のみ使用可能。水場あり、凍結なし 1月30日 晴れ 新高塚小屋~平石~宮之浦岳登頂~平石~新高塚小屋~縄文杉~大株歩道入口~白谷山荘 深夜1時過ぎ、がさごそと5人組のパーティーが動き始める音で目が覚めた。どうやら早めに出発するようだ。再び眠りにつき目が覚めると午前3時だった。自分も早めに身支度をして出発した。当初、この日は淀川小屋を目指す予定だったが、昨日の吹雪で山頂から淀川小屋までトレース無さそうであり、この重い荷物での山行に不安もあり、テントや寝袋などは小屋にデポし比較的ザックを軽くしてピストンで登頂を目指すこととした。アイゼン、ヘルメット、ピッケルを装着し、暗い雪道の中、先行パーティーのトレースを極めて慎重に追いながら歩みをすすめた。このトレースが非常にありがたかった。登山道は積雪のため消失し道標もまばら、目印しのピンクテープも埋もれているのか落ちてしまっているのかまばらでトレースがなかったらルーファイ必至で、かなりの時間が余分にかかっていたことだろう。ここ本当に登山道なのか?って思う様な新雪で滑りやすい急坂をアイゼンを効かせてなんとか上っていった。また平石岩屋手前のシャクナゲの森では雪で登山道が上昇しシャクナゲの木が覆い被さってくるため、雪道を匍匐前進しなければ通過困難、一ヶ所先行者も迷ったと思われる匍匐前進箇所もあり、同様に自分も迷った時は一時泣きそうになった。どうにかこうにか平石岩屋に到着。そこには小屋で一緒だった5名中2名の方がおり、ビデオカメラを設置して日の出を待っているところだった。話しを聞くとテレビ番組製作会社の方らしい。今度の4月頃にBSで屋久島の特番として放送されるらしい。その撮影のため来られているようだ。他の3名の方はすでに宮之浦岳に登頂されているとのこと。この3名の方の中にはプロの登山家がおりそのうち一名はN.K氏とのこと。後から調べてみたらN.K氏はイッテQに山岳カメラマンとしても参加され、ピオレドール賞も受賞されているほどの方だ。そして屋久島の現地の登山ガイドの方も含まれていた。どうりであの見分けにくい登山道をしっかりと歩けているわけだ。トレースに感謝を告げつつ、自分も平石岩屋で御来光を拝むべく一時待機した。そして最高の御来光とモンゲルロート宮之浦岳を見ることができた。十分日の出を満喫した後、山頂へ向け出発した。雪の登山道は時折新雪でラッセルを強いられたり、股下くらいの踏み抜きがあったものの、しまっている箇所も多くキックステップやアイゼンを効かせて順調に歩くことができた。焼野三叉路から山頂までは深くはないがラッセル箇所多く体力を非常に消耗し足がつりそうになった。途中先に登頂されていた小屋で一緒だった残りの3名の方とすれ違い、再びトレースの感謝を伝え、その後、宮之浦岳山頂に登頂することができた。山頂では天気は良かったが、風が非常に強く寒かった。最高の絶景を味わい、写真を取り、小休憩後山頂を後にした。もちろん淀川小屋方面はトレースはなかった。下山は平石までは雪道の下りなので容易だった。しかしシャクナゲの森は相変わらずで、再度ルートを外れて迷いかけたもののなんとか復帰でき、その後は新高塚小屋まで雪道を霧氷や展望を楽しみつつ歩くことができた。11時半頃小屋に到着し、1時間ほど休憩をとり出発。思いの外早く登頂し小屋まで戻って来ることができたため、高塚小屋ではなく白谷山荘を目指して新高塚小屋を後にした。アイゼンからチェーンスパイクに履き替え新高塚小屋から高塚小屋までの雪道を再びトレースを追いつつ歩き、その後の縄文杉、ウィルソン株を経て大株歩道入口に到着。日が暮れてくる恐れもあり、楠川分れまでの道のりを急いだ。16時頃楠川分れに到着。ここから辻峠への登り返しが疲れもあり非常にきつかった。少し残雪のある登山道を、休み休み息絶え絶えになんとか辻峠にたどり着き、その後は白谷山荘までの下りを急いだ。幸いヘッデンは点けずに明るいうちに白谷山荘へ到着。白谷山荘は再び宿泊は自分のみで貸し切りだった。あっという間に辺りは暗くなり、夕食をとって登頂の余韻に浸りながら眠りについた。 1月31日 晴れ 白谷山荘~太鼓岩~白谷山荘~白谷雲水峡~楠川歩道 この日は下山するのみだったため、7時頃の出発を想定。5時過ぎに起床しゆっくり朝食を取り身支度をした。空が明るくなる7時前に山荘を出発。少し下りかけたが、せっかく天気が良いのに下山するだけではもったいないと思い、再び辻峠へ残雪の道を上り返し、太鼓岩を目指した。太鼓岩からはガスが少しかかっていたものの、所々雪で覆われた宮之浦岳を望むことができた。昨日あそこの頂に立ったのだという満足感と高揚感に包まれた。小休憩後、太鼓岩から下山を開始した。白谷山荘からは途中数組のハイカーとすれ違った。白谷雲水峡入口に到着し、そこからバスで降りるという選択肢もあったが、せっかくなので楠川歩道を歩いてみることとした。第二駐車場の奥の林道を進むと歩道入口があった。楠川歩道は最初はやや荒れていた。倒木が多く跨いだり潜ったりする必要があり、ガレ場もあった。ただ道標のピンクテープはこまめに設置されており、それほど迷うことなく歩くことができた。途中若い女性の二人組とすれ違った他は沢沿いの静かな山歩きだった。最後は林道を長々と歩き終には車道へ到達。そこで下山を完了とした。 同日は屋久島のキャンプ場で宿泊し翌日のフェリーで鹿児島市へ帰ることとして本山行を終了とした。 今回、同じ小屋に同席された方々にも恵まれ、屋久島の奥深さや厳しさ、壮大なスケールの自然や絶景に触れることができ、素晴らしい山旅だった。

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