友と。

土曜日の夜。 いつもと変わらない軽い通知音がなった。 LINEのメッセージ受信音。 友が亡くなった。 亡くなったという事実だけを伝えた短いメッセージだった。 当然、 驚き、慌てて… いつ？ どこで？ どうして？ 疑問符ばかりが頭を駆け巡る。 だけどそれがとても無意味な事なんだと思いなおして考えるのをやめた。 理由がなんだったとしても亡くなった事実はかわらない。 最後に会ったのはいつだったか… もう十年以上会ってないと思う。 私は、私と同じ分だけ歳を重ねた今の彼の姿を知らない。 だから… 思い出される彼は、小・中学校の時の無邪気な表情のままだった。 私は、、、 天国や地獄など、死後の世界なんて何もないと思う。死んだあとは「無」。記憶や意識、感情もそこで終わる。 ただ… のこされた者が先立った人を思い出す瞬間。 心の中で浮かぶ、笑っている明るい彼がいる世界。 あえて言うなら、この世界が「あの世」なのかもしれないとも思う。 死の知らせを聞いても何もできない自分。 この日、雪の残る九千部山への道のりを、ずっと笑っている彼の事を思いながら歩いた。 なんだか久しぶりにソロ歩きじゃない様な気がした。 とても大切な一日になった。