聖山

知らない山を訪ねるのは楽しい。 滑り屋ではないので、スキーで歩くのも好きである。 聖山はその両方をかなえてくれた。 三和峠から尾根をたどる。 ツボ足のトレースを追うが、それがなくても迷うこともない一本道を聖峠へとたどる。 ここから２０分ほどの登りで聖山山頂に着いた。 粉雪の舞う頂上は早々に辞して帰路に。 四阿のあるコブまではシールをつけたまま滑る。 そこで昼食を兼ねて休憩。 笹ののぞいた雪面は滑りにくい。 女房は聖峠まで歩いて下る。なんてもったいないことを。 「山ヤなら数センチでも雪があれば、板をはずしてはならんのじゃ」 とできもしない暴論を吐く私。 峠からの小さなアップダウンはシールなしでこなす。 テレマークの強みである。 最後を気持ちよく三和峠へと滑り込み終了。 帰りに聖高原スキー場を覗いてみた。 ほどよい傾斜の斜面に人影はなく、 たった一人を乗せてリフトが動いているのを見ると、無性に滑りたくなった。